インドネシア・マカッサルのラマダン・バザールに潜入！タクジル狩りとは
ラマダン、イスラム教徒にとっての聖なる断食月は、日が沈み、夜が訪れると、生活に小さな変化が生まれます。この特別な期間中、昼間は食事を控えるイスラム教徒の皆さんが、夕暮れ時に待ちに待った「イフタール」、つまり断食を終える最初の食事を楽しみます。イフタールは、日々の断食を経て、甘いデザートやカリカリに揚げたおかずで自分を労う時間。まさに一日の終わりにふさわしい、心温まるご褒美です。
しかし、日中食事をしていないと、料理をする体力も減ってしまいますよね。味見をすることもできず、料理の準備が一段と大変に。そんな時、マカッサル市には、ラマダンの期間限定で開かれるバザールがあります。ここでは、さまざまな食べ物や飲み物が手軽に購入でき、料理の手間を省くことができるのです。特に、忙しい一日を終えて、家族や友人と共に過ごす時間は、何物にも代えがたい喜びをもたらします。
「タクジル狩り」と呼ばれる活動は、イフタールのための軽食や飲み物を求めて市場やバザールを訪れること。この伝統は、急いで食べることを意味するアラビア語「ajila」から名付けられました。ただの買い物以上の意味を持ち、コミュニティの結束や相互理解を深める大切な機会となっています。
インドネシアの多くの地域では、ラマダンの期間中、タクジルを販売するバザールや市場が開かれ、人々が集います。例えば、ラマダン・バザールでは、様々なイフタール向けの食べ物が販売されています。このような場所は、イスラム教徒だけでなく、非イスラム教徒にも開かれており、多文化共生の素晴らしい例となっています。
マカッサル市では、特に「MULOラマダンマーケット」が有名で、南スラウェシ州文化観光局の事務所でもある歴史ある MULO ビルで毎年開催されます。
今年は58社の中小企業が参加していて、さまざまなタイプの食べ物を提供しています。モヒートモクテルやケバブ、点心といった現代的な料理から、ローカルな味わいの軽食まで、選択肢は豊富に揃っています。
一度足を運べば、その場の雰囲気や美味しい匂いに引き込まれること間違いなし。
夕方4時過ぎからバザールは食べ物や飲み物で溢れかえり、そこには、美味しそうな料理がずらりと並び、どれを選ぶか迷ってしまうほどの楽しさがあります。
例えば、「トフバクソ」や「ジャランコテ」、「タリパン」、「ピサンイジョ」なそ、典型的なマカッサルの軽食を味わうことができます。これらの料理は、地元の人々の間で長年愛され続けており、バザールを訪れた際にはぜひ試してみてください。
このバザールでは、夕方から夜にかけて、地元の人々が集まり、日が沈むと共にイフタールを楽しむ様子が見られます。それはまるで、食べ物と共に心も満たされる特別な瞬間です。断食月のこの期間は、ラマダンの精神を体現し、人々が互いに寄り添う時間でもあります。
ムロ・ラマダン・マーケットは、16:00から22:00までの間、毎日開催されています。タラウィの礼拝後には、友人や家族と集まり、日々の忙しさを忘れて楽しい時間を過ごすことができる場所となっています。
もし、このラマダンの期間中にインドネシアを訪れる機会があれば、地元のバザールを訪れてみてください。異文化の体験はもちろんのこと、地元の人々との交流を通じて、新たな発見や友情を育むことができるでしょう。タクジル狩りに参加することで、インドネシアのラマダンをより深く理解し、その魅力を存分に味わうことができると思います！
MULOラマダンマーケットはこちらです
