ラマダンと寛容社会 宗教副大臣が飲食店“スウィーピング”自粛を呼びかけた理由

Indonesia Makassar

記事の冒頭
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ラマダンが始まると、街の空気は少し変わります。

飲食店は控えめに営業し、

昼間の外食は目立たないように行われる。

それがインドネシアの“暗黙の配慮”です。

しかし毎年、この時期になると話題になる問題があります。

それがいわゆる「スウィーピング」。

断食中に営業している飲食店に対して、

一部の団体が強制的に閉鎖を求める動きです。

今年、この問題について明確なメッセージが出ました。

宗教副大臣が、「摘発的な行為は控えるべきだ」と呼びかけたのです。

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「断食していない人もいる」という当たり前の事実

宗教副大臣シャフィーイ氏は、ラマダン開始発表後の会見でこう述べました。

断食を行う側も、断食をしない人々がいることを理解する必要がある。

この言葉は、とてもシンプルですが重要です。

インドネシアは多宗教国家です。

イスラム教徒が多数派ではありますが、

キリスト教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒、

そして断食をしないイスラム教徒もいます。

例えば、

  • 健康上の理由
  • 妊娠中
  • 旅行中
  • 子ども
  • 高齢者

断食をしない、あるいはできない事情は様々です。

ラマダンはイスラム教徒にとって神聖な月ですが、

それは「全員が同じ行動を取るべき月」という意味ではありません。

「スウィーピング」とは何か

毎年ラマダン中、一部の強硬派団体が日中営業する飲食店を取り締まろうとする動きが問題になります。

強制的にシャッターを下ろさせたり、

営業を妨げたりするケースもありました。

しかし今回、副大臣は明確に述べています。

宗教的理由による私的な取り締まりは認められない。

治安維持は警察などの公的機関の役割であり、

個人や団体が独自に取り締まることは適切ではない。

これは大きなメッセージです。

「公平」であることの重要性

副大臣はさらにこう強調しました。

自分が断食をしているからといって、他人にも同じことを強いるべきではない。

ラマダンは信仰の実践です。

信仰は、本来、自発的なもの。

誰かに強制するものではありません。

そして、断食していない人にも生活があります。

  • 仕事をしている人。
  • 旅行者。
  • 非イスラム教徒。

彼らが利用できる飲食店や施設が存在することは、

社会として自然なことです。

ラマダンの本質は「静かな敬虔さ」

副大臣はまた、こうも述べています。

断食する人は静かに敬虔に行い、

断食しない人は目立たないよう配慮する。

このバランスが大切だと。

これは、インドネシアらしい考え方です。

強く押し付けるのではなく、

お互いに一歩ずつ配慮する。

多数派が少数派を排除するのではなく、

少数派も多数派を尊重する。

その中間点を探す。

経済と寛容は両立できる

ラマダンは経済活動を止める月ではありません。

そして今回の発言は、

「宗教」と「社会秩序」を切り分ける姿勢を示しています。

宗教は尊重される。

しかし法の執行は国家が行う。

これは成熟した社会の形です。

もしスウィーピングが横行すれば、

・店舗経営者は不安になる

・投資は萎縮する

・観光客も戸惑う

経済にも影響します。

今回のメッセージは、

宗教的寛容だけでなく、

社会安定と経済の観点からも重要です。

多宗教国家インドネシアの現実

インドネシアは多宗教国家です。

人口の約9割がイスラム教徒ですが、

国家理念は「多様性の中の統一」。

ラマダンであっても、

国全体が一つの宗教だけで動いているわけではありません。

マカッサルでも、

非イスラム教徒は普通に生活しています。

外食もします。

仕事もします。

そして多くのイスラム教徒は、それを理解しています。

今回の副大臣の発言は、

その「多数の穏健な姿勢」を公式に言語化したものだと感じます。

今年のラマダンは穏やかになるのか

副大臣は「近年は人々の理解が進んでいる」と述べました。

確かに、ここ数年は過激な動きは減少傾向にあります。

SNSの普及により、

強硬な行動はすぐに可視化され、批判も集まりやすい。

社会の成熟は、

少しずつですが進んでいるように見えます。

まとめ

ラマダンは信仰の月です。

しかし、信仰は強制ではありません。

断食する人もいる。

しない人もいる。

その現実を認めることが、寛容の第一歩です。

「ラマダンだからこそ、互いに尊重しよう」

という呼びかけでした。

静かに敬虔に断食する人。

静かに配慮しながら生活する人。

インドネシアのラマダンは、

そのバランスの上に成り立っています。

そしてそれは、多様性を抱える国だからこそ必要な姿勢なのかもしれません。

記事の最後
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