【インドネシア】マラッカ・シンガポール海峡で座礁しない理由

Indonesia

3月23日、正栄汽船保有のエバーギブンがスエズ運河内で座礁しました。現在も離礁に向け色々試みているみたいですが、困難を極めているとの情報です。200隻ほどがスエズ運河前後で立ち往生しているらしく、世界の大動脈を混乱させています。

マラッカ・シンガポール海峡も同じ様に日本と中東、欧州を結ぶ海上輸送のルートですが、こちらも座礁しない様な色々な制限があるそうで

日本にとって重要な海上ルート

島国である日本経済は船舶輸送によって支えられています。
マラッカ・シンガポール海峡は、その重要な海上輸送ルートのひとつです。
1960年代後半からの高度経済成長に伴う石油消費量の増大は、海上輸送を担うタンカーの大型化と隻数の増大をもたらしました。

昔は超大型タンカーもあった

1970年代には、原油積載時にはマラッカ・シンガポール海峡ルートを利用せず、ロンボク・マカッサル海峡を迂回する超大型タンカー(ULCC、ultra large crude carrier、30万重量t以上)も建造されました。

しかし、1日100t以上もの燃料を使用する大型タンカーは、マカッサル海峡ルートよりも2日以上短く、少しでも燃料を節約できるマラッカ・シンガポール海峡ルートが一般的になりました。

現在は、中東と日本を結ぶ海路は、マカッサル海峡ルートを利用していたULCCも現在はなくなり、原油輸送はVLCC(very large crude carrier、30万重量トン)によるものとなりました。

なぜ30万t型タンカーが最大なのか?

シンガポール海峡は実は一部水深が浅いところがあり、30万t以上のULCCでは座礁する危険性があるそうです。シンガポール海峡は外洋に比べて水深が浅く、通行できる最大喫水(船が沈む最大の深さ)が19.50mです。タンカーをはじめとする大型船は、ここの水深に合わせた喫水としなければなりません。

マラッカ・シンガポール海峡ルートは、海底から船底までの余裕高UKC(Under Keel Clearance)を常時3.5m以上確保する規則があるのです。一箇所だけ水深で最深23mの場所がルート上にあり、ここがタンカーの大型化を阻み、VLCC最大喫水19.5m内外の世界標準を生み出したそうです。

この喫水で設計された最適な船型が30万tとなっています。
たった一か所の水深に支配されて、世界の標準船型が決まったというから驚きです。

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構から

まとめ

日本の海上輸送は、マラッカ・シンガポール海峡ルートは、インドネシアの海上をすりぬけ、日本まで無事に運ばれる重要なルートとなっています。

貿易先の相手国と陸路による輸送ルートが存在しない島国日本にとって、船舶による物資の安定的な輸送がわが国の経済を支えています。海上輸送の大動脈として、マラッカ・シンガポール海峡の重要性は不変です。

 

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