FlyJayaがスラウェシ進出!マカッサル発着の補助航空路線と最新ダイヤ
ジャカルタ〜ジョグジャカルタ路線で注目のFlyJayaが、ついにスラウェシへ。マカッサルを拠点にボネ・セラヤール・ワカトビ・トラジャなどを結ぶ補助航空路線がスタート。最新ダイヤと利用メリットをお伝えします。
新興エアライン「FlyJaya」とは
ジャカルタとジョグジャカルタを結ぶ路線で注目を集めてきた新興エアライン FlyJaya(フライ・ジャヤ) が、ついにスラウェシ島に進出します。2025年9月13日、南スラウェシ州政府は「Penerbangan Bersubsidi Sulawesi Selatan(スラウェシ南部補助航空路線)」の開始を正式発表。州都マカッサルを拠点に、これまでアクセスが難しかったボネやセラヤール、ワカトビ、トラジャなどの地域が空で結ばれる新時代が始まります。

FlyJayaは2025年7月、ジャカルタのハリム・ペルダナクスマ空港とジョグジャカルタのアディスチプト空港を結ぶ定期便を開設し、インドネシア国内の地域航空市場に鮮烈なデビューを果たしました。機材はフランス・ATR社のATR72-500型機。70席前後のプロペラ機ながら快適で、短距離路線に最適化された機体です。
複数便が毎日運航され、片道運賃も大手より抑えられたことから、観光客やビジネス出張者を中心に利用が拡大。特に「小さな航空会社でも安全で便利」という評判を築いたことが、今回のスラウェシ進出の後押しとなりました。
スラウェシが直面する交通の壁
スラウェシ島は地形が複雑で、陸路移動が長時間になりやすく、離島へのアクセスもフェリー頼みです。マカッサルからボネやセラヤールへ陸路を使うと、車で数時間〜半日以上かかる場合があります。ワカトビやトラジャも美しい観光地でありながら、アクセスの難しさが観光振興の壁になっていました。
こうした状況を背景に、州政府は「住民の移動を便利にし、観光やビジネスも活性化したい」という狙いから、航空運賃を一部補助する公共交通政策を打ち出しました。これが「Penerbangan Bersubsidi Sulawesi Selatan(スラウェシ南部補助航空路線)」です。
補助航空路線とは?
「補助航空路線」とは、採算の取りにくい短距離・地方路線に州政府が財政的な支援を行い、運賃を引き下げて住民・旅行者の利用を促す仕組みです。需要が安定するまでの期間、運航コストの一部を公的に負担することで、航空会社にとっても新路線を開設しやすくなります。
報道によれば、FlyJayaのスラウェシ路線では片道100万ルピア以下(約1万円未満)の運賃を目標としており、フェリーや長距離バスに比べて大幅な時間短縮と手ごろな料金が両立する可能性があります。州政府の積極的な後押しが、この実現を支えています。
発表された新ルートとダイヤ(2025年9月時点)

今回の発表とともに、FlyJayaは具体的な運航スケジュールを公開しました。以下は主な路線と時刻です(すべて現地時間)。
マカッサル発着便
マカッサル(UPG)→ボネ(APD)
06:30/10:40 出発
ボネ(APD)→マカッサル(UPG)
11:40/14:30/15:50 出発
マカッサル(UPG)→セラヤール(KSR)
10:40/13ː10 出発
セラヤール(KSR)→マカッサル(UPG)
12ː20/14:50 出発
マカッサル(UPG)→トラジャ(TRT)
06:30 出発
トラジャ(TRT)→マカッサル(UPG)
08:35 出発
マカッサル(UPG)→ワカトビ(WNI)
06:30 出発
ワカトビ(WNI)→マカッサル(UPG)
08:35 出発
ボネ・ケンダリ・ワカトビを結ぶ新ライン(週2便)
2025年9月29日から毎週 火曜・金曜の週2便体制 で運航開始。

ボネ(APD)→ケンダリ(KDI)
08:00発
ケンダリ(KDI)→ワカトビ(WNI)
09ː45発
ワカトビ(WNI)→ケンダリ(KDI)
11:15発
ケンダリ(KDI)→ボネ(APD)
12ː45発
さらにボネ〜バリクパパン線も発表されており、ボネからバリクパパンへ08:00/12:10発、バリクパパンからボネへ09:50/14:00発の便が予定されています。
期待される利便性と経済効果
これらの新路線が開通すれば、陸路で5〜10時間かかっていた移動が1〜2時間に短縮されます。これにより以下のようなメリットが見込まれます。
ビジネス出張の効率化
商談や視察のために長時間車を走らせる必要がなくなり、日帰り出張が可能になります。
医療・教育へのアクセス改善
大きな病院や大学のあるマカッサルへ、離島や山間部からより早く移動できるようになります。
観光誘致の拡大
トラジャの伝統文化やワカトビの海洋観光、セラヤールの自然など、国内外の旅行者が訪れやすくなります。
地域物流の活性化
小規模ながら航空貨物輸送の可能性も広がり、生鮮品や重要物資の輸送時間短縮が期待できます。
安全性と運航への期待と課題
新しい航空会社というと安全性を気にする声もありますが、FlyJayaはATR72-500という実績ある機材を使用し、首都圏で一定の運航実績を積んできました。とはいえ、地方空港では天候やインフラが不安定なことも多く、欠航や遅延リスクには注意が必要です。
また、補助金による支援がどの程度継続されるかも鍵になります。需要が伸びなければ補助が打ち切られる可能性もあり、州政府と航空会社の戦略的な連携が求められます。
予約・チケット情報
現時点では公式サイト(flyjaya.com)や旅行アプリ(Toraveloka,Trip.com)での予約対応が進められています。公式SNS(Instagram)でも運航情報が随時更新されており、利用前には最新ダイヤをチェックすることがおすすめです。
スラウェシの空がつながる新時代へ
ジャカルタ〜ジョグジャカルタ路線で実績を重ねたFlyJayaが、ついにスラウェシの空を飛び始めました。補助金制度により安価で便利な移動手段が生まれ、これまで時間の壁に阻まれていた地域間の交流が活発になることが期待されます。
まだ運航は始まったばかりで、便数や路線の安定性、補助政策の持続性など課題もあります。しかし、州政府と航空会社が力を合わせ、実際の需要に合わせて調整を続ければ、スラウェシの交通インフラは大きく進化するでしょう。
離島や山間地の住民、観光客、ビジネスパーソンにとって、空の選択肢が増えることは大きな朗報。これからの数か月、FlyJayaの動向は要注目です。