なぜインドネシアでは「期待しすぎる人」ほど疲れていくのか?未来を固定しないという思想について

Indonesia 海外進出

インドネシアで生活していると、ある種の「静かな消耗」に気づきます。

それは、語学でも、仕事量でも、文化の違いでもありません。

もっと根本的なところで、自分の内側が少しずつ削られていく感覚です。

そしてその正体は、多くの場合「期待」です。

期待は、未来を自分の形に固定しようとする行為

私たちは無意識のうちに、未来に形を与えています。

明日はこうなるはず

これはこう進むはず

あの人はこう動くはず

この約束は守られるはず

日本で育ってきた私たちにとって、これは自然な思考です。

なぜなら、日本社会は「期待が裏切られにくい構造」だからです。

電車は時間通りに来る。

約束は守られる。

返事は返ってくる。

トラブルは例外。

だから私たちは、未来をある程度固定しても安全なのです。

しかし、インドネシアでは事情が違います。

「Bisa,」が未来を保証しているわけではない

インドネシアでよく耳にする言葉があります。

「Bisa(できますよ)」

「Siap(大丈夫です)」

「Tidak apa-apa(問題ありません)」

この言葉を、日本的な感覚で受け取ると、未来はほぼ確定したように感じます。

でも、ここに落とし穴があります。

その言葉は「意思表示」であって、

「結果保証」ではないのです。

そこにあるのは、

今はやるつもり

できたらいいね

たぶん大丈夫

という、柔らかい未来。

でも私たちはそれを、

「確定未来」に変換してしまう。

そして、その未来が揺れたときに、

自分の心も揺れてしまうのです。

インドネシアは、未来を固定させない社会

インドネシアで長く生活していると、次のようなことが日常になります。

約束は変更されることがある

時間は前後することがある

返事は来ないことがある

計画は途中で止まることがある

これは悪意ではありません。

構造です。

優先順位は変わる。

事情は差し込まれる。

人間関係が優先される。

つまり、未来は常に流動的です。

この社会で「未来を固定しよう」とすればするほど、

自分の心が疲れていきます。

疲れる人は、真面目な人

面白いことに、消耗しやすいのは不真面目な人ではありません。

真面目な人です。

約束は守るべきだと思っている人

予定は守るものだと思っている人

説明はきちんとすべきだと思っている人

完璧にやろうとする人

つまり、日本で評価されてきた人ほど、

インドネシアでは消耗しやすい。

なぜなら、その真面目さが「期待値の高さ」と直結しているからです。

続いている人は、未来を固定しない

では、インドネシアで長く続いている人は何が違うのでしょうか。

彼らは未来を固定しません。

「できたらいいね」

「まあ様子見よう」

「無理なら次考えよう」

軽く聞こえるかもしれません。

でもこれは諦めではありません。

これは、

未来を柔らかく扱う技術

です。

期待を下げるのではなく、

期待を“固定しない”。

この違いは大きい。

期待しないことは、冷たさではない

よく誤解されます。

「期待しない=冷たい」

「期待しない=本気じゃない」

そうではありません。

期待を固定しない人は、

できたら嬉しい

できなくても動じない

代替案を持っている

進み方を変えられる

柔軟なのです。

怒りが少ない。

失望が少ない。

自己否定が少ない。

インドネシアでは、この柔軟さが最強の武器になります。

期待を手放すと、視界が広がる

不思議なことに、期待を固定しなくなると、

世界の見え方が変わります。

遅れは事故ではなく「揺らぎ」

変更は裏切りではなく「流れ」

未完は失敗ではなく「途中」

物事が“崩れた”のではなく、

“動いた”だけだと理解できるようになります。

この瞬間、心の消耗が激減します。

インドネシアが削ってくれるもの

インドネシアで長くいると、あるものが自然と削れていきます。

完璧主義

過度な責任感

他人への期待の固定

自分への過剰な要求

これは劣化ではありません。

再設計です。

未来を固定しない思想に、

静かに書き換えられていくのです。

それでも、日本人は期待してしまう

正直に言えば、私たちは簡単には変われません。

約束を守りたい。

予定通り進めたい。

信頼を大事にしたい。

それは大切な価値観です。

でも、それを「絶対」にすると、

自分が壊れます。

インドネシアは、それを何度も教えてくれます。

未来を固定しないという選択

インドネシアで続いている人は、

強い人ではありません。

未来を固定しない人です。

期待を持たないのではなく、

期待を握り締めない。

その違いが、長期戦で効いてきます。

まとめ 期待値を下げるのではない

最後に、はっきりさせたいことがあります。

これは「期待値を下げましょう」という話ではありません。

夢を小さくしよう、という話でもありません。

言いたいのはこれです。

未来を、自分の形に固めすぎない。

インドネシアは、

未来が揺れる国です。

だからこそ、

揺れない心を持つには、未来を固定しないしかない。

期待を持ちながら、

でも縛られない。

この思想が、

インドネシア生活を長く続けるための前提なのだと思います。

 

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