スクー寺院でヒンドゥ教文化を伝えるアミニズム信仰にふれる

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スクー寺院は、ジャワ島ではめずらしいヒンドゥ教寺院であることでも有名です。

数多くの謎めいた石の彫刻が寺院に飾れていて、その彫刻のほとんどが性的崇拝像であるためです。

スクー寺院とは

中部ジャワ・ソロの東35 Kmのラウ山の斜面にあり、標高は約910 mのところにあるヒンドゥ教の寺院です。

日本でも性器を祀った寺院はくつかありますが、インドネシアではかなり珍しいとされています。

スクー寺院は同じ中部ジャワのボロブドゥールやプランバナンなどの古代の寺院と比較して独特であり特徴的です。奇妙な彫刻像はスクー寺院周辺のアミニズムの影響を受けていると思われます。

スクー寺院はジャワ・ヒンドゥ最後寺

現在のインドネシアでは国民の約9割がイスラム教を信仰している世界最大のムスリム(イスラム)国家で、ジャワ島におけるムスリム比率はとくに高いです。
しかし、15世紀までを見るとヒンドゥ教を信仰する王国がたびたび栄え、とくに1293年から1478年までのマジャパヒト王国統治期はヒンドゥ文化が花開いた時代だと言えます。

スクー寺院は1437年頃建設され、スクー寺院の建つラウ山は、祖先や自然の霊を崇拝し神聖な場所であるとされています。
この周辺が16世紀にイスラム教に変換される前のジャワ島のヒンドゥ寺院建築の最後の重要な領域だったと言えます。
ラッフルズ政権時代の1815年に、非常に悪い状態のスクー寺院を最初に発見しました。
寺院では、多くの彫刻像が地面に投げ捨てられ、ほとんどの石像が首を切られていたといいます。伝統文化の破壊行為は、16世紀のジャワ島へのイスラム教の侵略の影響である可能性が高いと言います。

ヒンドゥ教の性器崇拝

ヒンドゥ教を特徴づけるものとして有名なものに性器崇拝があります。こうした性器信仰は日本に限らず世界中にあります。

キリスト教やイスラム教はこれを邪教崇拝として排除しましたが、ヒンドゥ教の神である「シヴァ」の象徴はシヴァ神の妻ドゥルガーのヨニ(女性器)の中から突き出たリンガ(男性器)です。インドやネパール、カンボジアのアンコールワット遺跡群に旅行された方であれば、何度かご覧になったのではないでしょうか。

  • ヒンドゥ教はいわゆる民族宗教で、特定の教祖や教団といった統一組織はありません。ヒンドゥー教は膨大な数の神々を崇拝する典型的な多神教だが、その中でも神学上特に重要な神として、宇宙の創造神「ブラフマー」、世界秩序の維持神「ヴィシュヌ」、破壊と混沌の神「シヴァ」を三最高神としています。
  • 破壊と混沌の神シヴァ神は荒ぶる神であり、破壊神といわれ、破壊・死 と創造・生殖を同時につかさどるヒンドゥ教の主要神格です。
  • そしてリンガ(男性器)が、シヴァの象徴とされている。シヴァ派はシヴァを最高神とした信仰のグ ループで、苦行、呪術、祭礼、踊り等を特色とし、比較的社会の下層階級に浸透していきました。
  • 12世紀には、新たに分派として、ヴィーラ・シヴァ派が登場した。同派はリンガを身に着 けたことから、リンガーヤト派とも呼ばれました。リンガーヤト派のヒンドゥ寺院では、このリンガがヨニ(女性器)の上に立ったものを本尊として祀っています。

スクー寺院が特徴的なのは、ヒンドゥ王国時代の性器信仰を表現したものと思われる彫像やレリーフであふれているからです。

スクー寺院のピラミッド

スクー寺院は11,000㎡の広さの3つの段丘からなり、敷地の一番奥に階段状の10m程の高さのピラミッドのような石で積まれた建設物が存在感を示しています。
ピラミッドの形が南米のマヤ文化のものと非常に似ていますが、まったく関係ないとのことです。

ヒンドゥ教の寺院は通常、長方形または正方形の形をしていますが、スクー寺院のピラミッドは台形で、ピラミッド狭い石の階段を上がって頂上まで登ることができます。現在ピラミ度の上部にはなにもありませんが、かつては、さまざまな彫刻像、祭壇があったと言われています。

ピラミッドには狭い階段があり、地元の民間伝承によると、この階段は若い女の子の処女性を試すために急勾配になっていると言われています。

ヨニを表している狭い階段

特徴的な石像の数々

首のない男性像
甲羅を平らにした亀
子宮の中にいる姿を描いた彫刻
露出して座る彫刻

インダス文明までさかのぼる信仰心

スクー寺院は、ジャワ島の寺院の中でもかなり特殊な部類です。ヒンドゥ教を信じていた信者達は、イスラム教が布教されるまで、独自の概念と信仰心から山の中腹の眺めのよい場所に建設しました。

涼しい風の中でみる奇妙な彫刻像をみていると、不思議な世界に溶け込みます。
もともと性器崇拝には、多産や豊穣を願うことが目的となっています。陰陽思想の影響によって、陰陽和合による世界秩序の調和が説かれ、男女和合が自然社会に豊穣をもらさすとされています。かつては、世界中に分布した信仰礼儀でした。

ソロの山奥でヒンドゥ教が信仰された歴史を紐解くと、インダス文明にまでさかのぼる性器崇拝と結びついたシヴァ神への帰依にたどり着きます。まさにインドの精神風土の最深層部に根ざす、信仰の有り様といえます。

キリスト教やイスラム教の倫理や道徳律によって、その多くは表舞台から駆逐されてきました。
しかし、西洋化が進んだ現代でも、性器信仰はひそかに残っていて見学できることができます。ボロブドゥールやプランバナン遺跡も良いですが、是非ソロまで足を伸ばし、アミニズムに触れる旅もいかがでしょうか。

 

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