福岡出張の夜は博多の味「いろは」の水炊きへ!老舗で味わう絶品スープ
博多での打ち合わせの後に訪れたのは、博多の老舗「いろは」。1953年創業の伝統の味を守り続ける名店で、本格水炊きを堪能しました。鶏の旨味が凝縮された黄金スープ――出張の夜を彩る福岡グルメの名店で体験した、博多の味をお伝えします。
博多の夜に味わう名店の水炊き「いろは」
出張先での食事は、仕事の疲れを癒す大切なひとときでもあります。
今回の福岡滞在では、打ち合わせを終えたあと、お客様に案内されたのが博多水炊きの名店「いろは」。創業はなんと1953年。70年以上にわたり、博多の味を守り続けてきた老舗です。

名だたる著名人たちが訪れる名店として知られており、のれんをくぐる前から胸が高鳴ります。

「地鶏・水たき処 いろは」と書かれた木の看板と白い行灯が出迎え、温もりのある佇まいが印象的。階段を上がる途中の壁には、所狭しと飾られた有名人たちの写真。スポーツ選手、俳優、ミュージシャンなど、数多くの著名人の笑顔が並び、「博多を代表する店」の風格を感じます。

「これは間違いない」と心の中で確信しながら席へと案内されました。
温もりあふれる座敷と老舗らしい雰囲気
通されたのは3階の座敷。壁一面に飾られたサイン色紙が目に飛び込み、長年にわたる信頼と歴史を物語っています。

畳敷きの掘りごたつ式テーブルが並び、和の落ち着いた雰囲気が広がる空間。テーブルにはすでに小鉢と鍋が用意されており、これから始まる宴への期待が一気に高まります。
前菜から始まる、博多らしい味の連続
まずは軽く乾杯をして、一品目の小鉢が登場。

鶏皮の酢の物は、ほどよい酸味とコリコリした食感がクセになる博多らしい前菜です。続いて出てきたのは、艶やかな赤色の明太子。

塩気と旨味のバランスが絶妙で、ひと口食べれば箸が止まりません。明太子ひとつ取っても、このお店の丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。
鶏の旨味が凝縮された黄金スープ
そして、いよいよ主役の水炊きが登場。

店員さんが「まずはスープをどうぞ」と言いながら、小椀に黄金色のスープを注いでくれます。
ひと口すすると、鶏の旨味が口いっぱいに広がり、思わず「これはすごい」と唸ってしまうほど。コクがありながらも脂っこさはなく、まろやかで深みのある味。長時間煮込まれた鶏の骨からしみ出た旨味が凝縮され、まさに“飲む料理”と呼ぶにふさわしい逸品です。
福岡といえばモツ鍋の印象が強いですが、今回のような本格的な水炊きは初体験。丁寧に引かれた出汁の上品な味わいに、博多の食文化の奥深さを改めて感じました。
鶏肉、つみれ、野菜 ― シンプルゆえの贅沢
スープを味わったあとは、肉へ。

胸肉やモモ肉は一枚一枚がしっかりしており、噛むたびに肉汁があふれます。脂が控えめな地鶏の旨味がダイレクトに伝わり、あっさりしていながらも深い満足感。さすがは老舗の看板メニュー。全ての工程に無駄がなく、ひとつひとつが洗練されています。

続いて登場したのは大皿に盛られた鶏のミンチ。見るからに上質で、スプーンで丸めて鍋に落とすと、ふわりと湯気と香りが立ち上ります。

野菜はキャベツ、春菊、えのき、人参、豆腐など。どれも新鮮でスープとの相性が抜群。

特に鶏団子は驚くほどやわらかく、口の中でほろっとほどけ、だしの旨味が染み渡ります。

博多の味は「柚子胡椒」で締まる
水炊きに欠かせないのが、柚子胡椒。「いろは」では自家製の柚子胡椒が添えられており、香り高く、ピリッとした辛味が絶妙なアクセントになります。少しスープに溶かすだけで味ががらりと変わり、さらに奥行きのある風味に。この柚子胡椒の使い方こそ、まさに博多流。鶏と野菜の旨味を引き締める名脇役の存在です。
〆の麺で完璧なラストへ
すべての具材を楽しんだあとは、鍋のスープを少し煮詰めて〆の麺を投入。これがまた絶品。鶏の旨味が染み込んだスープに細麺が絡み、一口食べるごとに幸せを感じます。博多といえばラーメンの印象が強いですが、この〆の麺もまさに“飲み干す旨さ”。最後の一滴までしっかり味わい、体の芯から温まるような満足感に包まれました。
博多の夜にふさわしい一杯
食事の間には、「この水炊き、インドネシアでも流行りそうですね」と地元の方と笑い合う場面も。鶏肉中心の料理であっさりしているため、イスラム圏でも親しまれそうだと話が弾みました。「博多の味を世界へ」――そんな話題が出るほど、印象に残る一鍋。
店を出るころには、外はすっかり夜。福岡の秋の夜風が心地よく、満たされた気持ちでホテルへと戻りました。

やはり博多の夜は、美味しい料理と人の温かさに包まれています。
まとめ ― 博多の「おいしい原点」がここにある
今回の「いろは」での食事は、単なる夕食ではなく、博多という街の“食の原点”に触れた時間でした。派手さよりも、手間と誠実さで生まれる味。70年もの間、地元の人々に愛され続ける理由が、一口ごとに伝わってきます。福岡を訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。きっとあなたも、「博多の夜はやっぱり水炊きだ」と思うはずです。
店舗情報
地鶏・水たき処 いろは
創業:1953年
名物:地鶏の水炊きコース(1人前 5,500円〜)
雰囲気:老舗らしい温もりある座敷、壁一面のサイン色紙
アクセス:博多駅・中洲川端エリアから徒歩圏内