【インドネシアのお酒の話】こよなく愛するビンタンビールとマカッサルでのお酒事情

Indonesia

インドネシアの約90%はイスラム教徒であり、ビールを含むアルコールを飲むことは禁止されています。
しかし、ジャカルタを含む大都市では、ビールを提供するレストランも多くあり、スーパーでも購入可能です。インドネシアでのアルコール飲料の定期的な消費は人口の約3%と推定されていますが、この低い消費比率にもかかわらず、インドネシアビール市場は活況です。インドネシアの大規模な観光産業の発展によって、多くの観光客にも愛され消費されています。

ビンタンビールはスッキリとした味わい

ビンタンビール (Bir Bintang、ビル・ビンタン) はインドネシアのピルスナータイプのビールでインドネシアを代表するビールです。麦芽とホップの風味が付けられたこのビールは、アルコール度数が5%未満のピルスナービール(白ビール)に分類されます。辛口だが後味はすっきりしていて、暑い国だからこそさっぱりと飲める味は多くの人に好まれています。

製造元は P.T. Multi Bintang社で、オランダ発祥のハイネケン・グループに属しています。オランダ統治時代からハイネケンの製造工場で造り始められたため、ビールの味や緑のボトルなどデザインが似ています。

日本にも輸出され、国内のスーパーや通販などでも購入可能です。

ビンタン(Bintang)とはインドネシア語で「星」という意味であり、ビールのラベルに赤い一つ星がついています。ビンタンビールの生みの親のハイネケンにも★マークが入っています。
シンガポールに近い、ビンタン島もカタカナにすると同じ“ビンタン”ですが、Bintan と綴りも発音も違う。n と ng の違いは日本語では区別されていないため混同されるケースが多いです。

ビンタンビールのP.T. Multi Bintang社の歴史

1931年にNederlandsch-Indische Bierbrouwerijenとして設立されました。同社は、1931年11月21日にスラバヤ醸造所で商業操業を開始し、ビンタンビールの起源であるジャワビールを生産しました。

1936年にハイネケン・グループは、Heineken Indische Bierbrouwerijen Maatschappijと改名した同社の主要株主となりました

1949年第二次世界大戦後、醸造所は操業を再開し、ハイネケンビールを市場に導入しました。

1965年会社は一旦インドネシアに国有化されました。
1967年にハイネケンが所有権を取り戻し、ビンタンビールが誕生しました

P.T. Multi Bintang社は、国際的なプレミアムビールブランド、ハイネケンビールも製造販売しています。

イスラムが強い地域では、ビールの取扱も限定的

ビンタンビールは今でこそインドネシアの主要都市にまたがる広範な販売網の確立により、どこでも飲める様にはなってきましたが、マカッサルの様なイスラム教が強い地域では、政治によってスーパーなのでの販売の制限や、ホテルやレストランでは高額の酒取扱料を支払わないと提供できないなどがあります。

マカッサルでのビール探し

初めてマカッサルを訪問すると、しばしばお酒が好きな外国人達が酒難民化します。
レストランに入ると、ビールがないと言われそのままお酒なしで食事した後、スーパーやコンビニでビールを買ってホテルで飲めばいいやと考えスーパーでビールの棚を探します。しかし無情にもスーパーでもビールは置いておらず、仕方なくホテルでビールを頼もうとしてもビールが置いていないと、結局ビールにありつけない事があります。

マカッサル訪問最初の頃は、ビール取扱情報を集めて、宿泊するホテル、レストランを抑える事が最重要課題となります。

もうひとつの問題が、仮にビールがあっても、ムスリム客が多いレストラン等では、ビール瓶を見せて飲むことが難しいので、裏でこっそりピッチャーに注いでもってくるところもあります。炭酸が抜けて美味しくないビールを飲む羽目になります。

元々ビールが多く消費されないレストランでは、しばしば品切れになります。その時追加をした時に、これからお店で買ってくるといって、店主がバイクでビールを買ってきてもらう事もしょっちゅうです。もちろんそのビールは冷えておらず、ぬるいビールとなります。

マカッサル酒対策の方法を確立

宿泊ホテルは、事前に調査済のビールが必ずあるホテルを選択。ホテルにバーが併設されてあれば、外国人向けのホテルですので間違いはありません。

レストランは、事前にビールの有無を確認して、行く前にお店に連絡をしてビールを冷やしてもらう。専用のビール冷蔵庫(スーパーディギン冷蔵庫)があれば最高です。

レストランで、どうしてもビールがない場合が、持ち込み可能かを確認する。可能と判断したら、数カ所だけある問屋的なビール販売店から買って事前に冷蔵庫で冷やしてから店に持ち込む。

究極は、日本から持ち込んだ焼酎などのお酒を水の入ったペットボトルに最適な割合で水とお酒を割った状態で事前に詰めておいて店で飲みます。ジャカルタでは焼酎持ち込みをしてそのまま水と氷をもらって飲むことが可能ですが、マカッサルではお酒のボトルを見せながらの大胆な飲み方はできません。

日本からのお酒持ち込みは注意

持ち込み可能なお酒は1リットルまで

インドネシアにお酒を持ち込めるのは1リットルまでです。
1リットルを上回る場合、350%の関税がかかってくるので、大金を支払わないといけないので、そのまま税関で没収されてしまいます。没収されたお酒を税関職員が横流しをして収入を得るという噂もあります。
お酒の値段によってかかってくる関税額が違うことから、お酒の値段を安くごまかすという人もいますが、ごまかしが見つかると違う部屋に呼び出されて厳重注意など大変なことになってしまいますので持ち込み可能な量を守るようにしましょう。

紙パックのお酒が安心

スーツケースをX線検査でチェックされたときに瓶だと大抵引っかかってしまい、スーツケースの中身を出して説明しないといけないことが多く、時間もかかってしまいます。
最近多い紙パックのお酒だと、引っかかることなく荷物検査をスルーできる可能性が高いです。
それを利用して、紙パックのお酒を1リットル以上持ち込む人もいますが、最近は税関職員も心得ており没収・追加関税の支払なども多く見られます。

流行はパウチパックのお酒

最近お酒もパウチパックが多くなってきました。パウチの利点は、持ち運びやすく、注ぎ口が下にあるので、重い容器を持ち上げる必要がなく、飲み終えた後も丸めて小さくなります。また、保存性もすぐれています。平たく、形が固定されていないので、スーツケースの中に入れてもかさばりません。
インドネシアでは、お酒ではあまり見かけない容器なので、中身はシャンプーと言って多くのお酒を持ち込む人もいると聞きます。念の為、持ち込みは1リットルまでにしましょう。

お酒はルールを守って

インドネシアでは、泥酔して道路を歩いたリ、大声を出して騒いだりする事は厳禁です。
お酒に対して厳しい国ですので、色々な話やエピソードがたくさんありますが、国や地域のルールを守って、ムスリムに対して不快な思いをさせない配慮は必要です。

 

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