なぜインドネシアはバイクだらけなのか?月給3万円でも買える「ローン社会」のリアル
「巨大バイク社会」の仕組み
インドネシアに初めて来た日本人が、必ず驚く光景があります。
それは 街を埋め尽くすバイクの数です。
交差点で信号が青になると、何十台ものバイクが一斉に走り出す。
ジャカルタでも、バリでも、そして私が住むマカッサルでも同じです。
道路は常にバイクの流れで埋まっています。
実際、インドネシアのバイク保有台数は
1億2000万台以上と言われています。
人口は約2億8000万人ですから、
単純計算でも 2人に1台のバイクがあることになります。
では、なぜこの国はここまでバイク社会になったのでしょうか。
その理由は、単純に「便利だから」ではありません。
この国の 経済構造そのものが、バイク社会を作っているのです。
バイクの購入価格
バイクは車種にもよりますが1500万〜2000万ルピア(15万〜20万円)で購入できます。
インドネシアでは
車=まだ中間層以上
バイク=一般市民
という構造になっています。
それでも、新車でバイクを買うとなると、高いので、インドネシアでは、中古市場が非常に大きいという特徴があります。
街を見ていると、10年以上前のバイクが普通に走っています。
日本ならそろそろ買い替えるようなバイクも、まだまだ現役です。
中古バイク店や中古車ディーラーも多く、
個人売買も活発です。
つまりこの国では
「新車を買う」より「良い中古を探す」
という考え方の人が多いのです。
これもバイクが普及した理由の一つです。
実は「ローン社会」
そしてもう一つ重要なのが、ローン文化です。
インドネシアでは
新車でも中古でも
ローンで買うのが普通です。
ディーラーに行くと、必ずと言っていいほど
ローン会社のカウンターがあります。
例えば
ホンダのスクーターなら
頭金 200万〜300万ルピア
月払い 50万〜80万ルピア
程度で購入できます。
インドネシアの平均月収は
300万〜400万ルピア(約3〜4万円)
と言われています。
つまり給料の一部を毎月バイクのローンに充てる形です。
日本人の感覚では、収入に対して少し無理をしているようにも見えますが、
この国ではそれが普通です。
なぜならバイクは贅沢品ではなく生活インフラだからです。
バイクがないと生活できない
日本ではバイクは趣味の乗り物というイメージがあります。
しかしインドネシアでは違います。
バイクは
・通勤
・子供の送り迎え
・買い物
・仕事
すべてに使われます。
朝の通勤時間には、父親がバイクで子供を学校に送る光景をよく見ます。
家族3人乗り、4人乗りも珍しくありません。
屋台の食材もバイクで運ばれます。
建設現場の作業員もバイクで通勤します。
つまりこの国では
社会そのものがバイクを前提に作られている
と言ってもいいでしょう。
Gojekがバイク社会をさらに加速させた
そして近年、バイク社会をさらに拡大させたのが
GojekやGrabです。
これらはインドネシア発の配車アプリで
・バイクタクシー
・フードデリバリー
・宅配
などのサービスを提供しています。
街を走る緑のジャケットのライダーは、
インドネシアの新しい働き方を象徴しています。
つまりバイクは今
移動手段だけでなく仕事の道具
にもなっています。
バイク社会はインドネシアそのもの
街の交差点で信号が青になると、
数十台のバイクが一斉に走り出します。
その光景を見るたびに、私は思います。
この国は
・巨大な人口
・若い社会
・未完成のインフラ
・柔軟な生活スタイル
がすべて混ざった国なのだと。
そしてその象徴が、街を埋め尽くすバイクの流れとなっています。