ペリタエアに初めて乗ってみた。快適なのに、なぜか「中途半端」だと思った理由
初めてPelita Airに乗ってみた
マカッサルからジャカルタへ。今回、初めてPelita Airに搭乗しました。
Pelita Airは、インドネシアの国営石油会社プルタミナ傘下の航空会社です。GarudaとCitilinkとは少し出自が違う、「プルタミナ系」の航空会社ということになります。
この路線は、もう何十回と飛んでいます。Garudaにも、Citilinkにも、数え切れないほど乗ってきました。だから正直、インドネシアの国内線に今さら新鮮な驚きなど期待していませんでした。搭乗ゲートも、機内アナウンスも、だいたい先が読めます。
そんな中で、なぜ今回だけPelita Airを選んだのか。理由は単純で、料金を調べてみるとCitilinkとほとんど変わらなかったからです。それなら、一度くらい乗ってみてもいいだろう。ちょうどGarudaグループへの統合が報じられているタイミングでもあり、「この会社は今、いったい何者なのか」という興味もありました。
そんな軽い気持ちで搭乗した便が、思いのほか考えさせられる体験になりました。
A320は予想以上に良かった
搭乗した瞬間、正直、印象はかなり良かったです。

機材はAirbus A320。機内はきれいで、シートの生地もまだ新しさを感じさせます。座席に腰を下ろした瞬間、「あれ、これはLCCの座り心地じゃないな」と思いました。長年いろいろな航空会社に乗ってきた身としては、その差は座った瞬間に分かるものです。
窓から差し込む光の中で、乗務員が手際よく機内を回っている様子を眺めながら、「これは結構いいじゃないか」というのが率直な第一印象でした。値段はCitilinkとほぼ同じなのに、体感としてはワンランク上に感じます。
正直、ここまではかなり好印象でした。この時点では、この記事は単純な「Pelita Air、意外と良かったです」という搭乗記で終わるはずでした。
ところが、出てきたのはパンと水
だが、約2時間半のマカッサル—ジャカルタ便で出てきた機内サービスは、パン1つと水だけでした。コーヒーもありません。

飲み物のカートが通り過ぎたあと、手元に残ったのは小さなパンとペットボトルの水。悪くはありません。でも、何かが足りない。フルサービスと呼ぶには物足りず、かといってLCCと割り切るには機内の作りが良すぎます。
そこで、素朴な疑問が浮かびました。
「あれ? Pelitaってフルサービスなのか、LCCなのか?」
パンが悪いわけではありません。空腹をしのぐには十分ですし、味も普通においしかったです。ただ、この瞬間から、Pelita Airという航空会社の立ち位置が、自分の中でよく分からなくなってきました。機材や座席は想像以上に良い。でも、サービスはLCCに近い。その組み合わせに、少し不思議な感じがしました。
Citilinkとほぼ同じ料金。それならPelitaを選ぶ理由は?
ジャカルタへ向かう機内で、手持ち無沙汰にスマホのメモアプリを開いて、改めて3社を比べてみました。
Citilink 価格は安いです。機内サービスはLCCそのもので、期待もしていない分、不満も生まれません。GarudaMilesは基本対象外。CGKはTerminal 1C。機材・座席は普通。ポジションは分かりやすくLCCです。誰が見ても、迷う要素がありません。
Pelita Air 価格はCitilinkとほぼ同じです。機内サービスはパン+水のみ。GarudaMilesは基本対象外。CGKはT3。機材・座席は、今回搭乗してみて意外なほど良かったです。そしてポジションは……正直、よく分かりません。
Garuda 価格はやや高めです。機内サービスは食事+飲み物あり。GarudaMilesの対象で、Tier Frequencyも積み上がっていきます。CGKはT3。機材・座席は安定しています。ポジションはフルサービス。分かりやすく、迷う理由がありません。
こうして並べてみると、PelitaにはCitilinkより良いところがあります。ただ、それが「Pelitaを選ぶ決定的な理由」になるかというと、まだ少し弱い気がします。Pelita Airは、GarudaとCitilinkのどちらの陣地にも、はっきりとは足を踏み入れていない場所に立っているように見えます。

Pelita最大のメリットは「T3」かも
窓の外にジャカルタの街並みが見え始めた頃、ふと気づいたことがありました。考えてみると、今回Pelitaに乗って一番良かったのは、機内サービスでも座席でもなく、T3だったかもしれません。
Pelita AirはSoekarno-HattaのTerminal 3を利用します。これはGarudaと同じターミナルです。Garuda便や国際線との乗り継ぎや、ターミナル内で過ごす時間を考えると、私にとってT3を使えることは意外に大きなメリットでした。空港での体験としては、LCCというよりむしろGarudaに近いと感じます。

そして帰りのPelitaが欠航
復路もPelita Airを予約していました。ところが出発の約1週間前、欠航の連絡が入りました。
理由の説明は簡素なもので、こちらから細かく問い詰める余地もありません。結局Garudaを取り直すことになり、当初のPelita運賃より高い追加料金を払うことになりました。
数十万ルピア安くても、欠航によって航空券を取り直せば、その差額など一瞬で吹き飛びます。予定していたスケジュールを組み直し、代替便を探し、追加の出費を受け入れる。その面倒さは、値段の差以上に重くのしかかってきます。
Garudaならマカッサル—ジャカルタに複数便があり、何かあったときも同日中の別便に振り替えやすいです。Pelitaのように便数が少ない会社では、1便なくなったときの影響がどうしても大きくなります。この「振替力」の差は、実際に欠航を経験して初めて実感できるものでした。
だったら最初からGarudaでいいのでは
たとえば、片道の運賃イメージがこうだったとします。
Citilink:Rp1.6〜1.8 juta
Pelita:Rp1.6〜1.8 juta
Garuda:Rp2.0〜2.5 juta
Rp70〜80万ルピア近い差は、決して小さな金額ではありません。ただ、今回のように欠航でGarudaを取り直すことになれば、結局その差額分、あるいはそれ以上を払うことになります。だとすれば、最初からGarudaを選んでおいた方が、精神的にも金銭的にも合理的だったのかもしれません。
出張ではなおさらです。Garuda Indonesiaは2026年、OAG(英国の航空データ分析会社)が発表する世界の航空会社の定時運航率ランキングで、非常に高い成績を続けています。3月は97.9%、4月は約98%、5月は97.77%、そして7月も95.4%で世界1位でした。7月の欠航率も0.61%にとどまっています。取引先とのアポイントに間に合わせる必要がある出張では、この定時運航率の高さは、機内食やマイル以上に実用的な価値です。
とはいえ、毎回この価格差を払ってでもGarudaを選ぶべきだ、というほど単純な話でもありません。出張の緊急度によっても判断は変わります。ただ今回の経験を通じて、価格差だけを見てPelitaやCitilinkを選ぶのではなく、便数や変更時の安心感まで含めて考えるようになりました。
Garuda、Pelita、Citilink。3ブランドは必要なのか
Garudaグループ再編の構想として、Garuda=フルサービス、Pelita=ミドルサービス、Citilink=ローコストという3ブランド戦略が語られています。
理屈としては分かります。市場を細かく分け、それぞれ異なる顧客層を狙うという考え方は理解できます。
でも実際にPelitaに乗った一利用者としては、「ミドルサービスとは何なのだろう?」と感じてしまいました。機材面でもPelitaのA320はCitilinkとの共通性が高く、素人目線では、いっそのことCitilinkに統合した方が運航効率としては分かりやすいのでは、とも思います。ただし、これはあくまで一利用者として肌で感じたことです。
それでもPelitaには可能性があります
最後はPelita批判で終わらせたくありません。
今回実際に乗ってみて、A320は良かったです。座席も新しく快適でした。T3も便利でした。この3つは、決して小さな価値ではありません。むしろ、多くの航空会社が簡単には手に入れられない強みです。
だからこそ、もう少しサービスを足せば、面白い航空会社になるのではないかとも思います。Citilinkより少し高い価格で、T3が使えて、快適なA320があり、軽食とコーヒーが出て、GarudaMilesが一部でも積算されるようになれば——GarudaとCitilinkの間というポジションが、かなり明確になるはずです。今のPelita Airは、その一歩手前で足踏みしているように見えます。
締めくくりに
初めてPelita Airに乗ってみて、意外にも機材と座席はかなり良かったです。
だからこそ、少しもったいないと思いました。Citilinkと同じくらいの値段なら、Pelitaを選ぶ理由は何なのか。逆に、あと少し払えばGarudaに乗れるなら、私はGarudaを選びます。
Garudaでもない。Citilinkでもない。
その「間」にいることが、Pelita Airの強みになるのか、それとも弱みになるのか。今のところ、答えはまだ出ていません。
今回乗ってみて一番気になったのは、パンの味ではなく、そんなことでした。