【ブロモ山サンライズツアー前夜】マランに到着、そして深夜0時の出発へ
スラバヤからバスで東ジャワの高原都市マランへ。深夜0時発のブロモ山サンライズツアーを前に、「なぜこんなに早く出発?」という疑問の答えは、朝焼けの絶景を巡る緻密なスケジュールにありました。静けさに包まれたマランの夜から、ブロモ山の夜明けへ向かいます。
ブロモ山の朝焼けを目指して──東ジャワ・マランに到着
スラバヤでの一日を終え、ローカルバスに揺られて高原都市マラン(Malang)へ。標高が高いため、夜の気温は思った以上に冷え込み、移動で火照った体に心地よく染み渡ります。
ここマランは、東ジャワ州内でスラバヤに次ぐ第2の都市。文化的で落ち着いた雰囲気が漂うこの街は、今回の旅のハイライト「ブロモ山サンライズツアー」の出発拠点でもあります。
宿泊先はThe Aliante Hotel──安くても安心の宿

今夜の宿は「The Aliante Hotel」。1泊28万ルピア(約2,800円)というリーズナブルな価格から、正直それほど期待はしていなかったのですが、チェックインしてみると意外や意外、清潔感のある室内で、必要な設備もしっかり整っていました。

シャワーの水圧も十分で、ベッドの寝心地も良好。

設備に若干の年季こそ感じるものの、旅の疲れを癒すには十分なクオリティです。ブロモツアーの前泊としては、コストパフォーマンスの高いホテルだと感じました。
夜の街で出会ったワルン飯──甘辛ミーゴレンが沁みる
チェックインを終えたのはすでに22時を過ぎていましたが、ブロモ山へ行く前にしっかりと食べておこうと、周囲を歩いて食事処を探すことに。しかし、マランの街は意外と夜が早く、ほとんどの店がすでに閉店していました。

ようやく見つけたのが、ホテルのすぐ前にあった小さなワルン(ローカル食堂)。店内では若者たちがミーゴレンを楽しんでおり、なんとなく安心してその輪に加わりました。

出てきたミーゴレンは、見た目こそシンプルながら、しっかりと甘辛いソースが絡んだ一品。ジャワ料理らしい“甘めの味付け”が、冷えた夜にやさしく体に染み渡ります。価格はなんと17,000ルピア(約170円)。味も量も申し分なく、まさに“ジャワ価格”。旅人の懐にもやさしい夜食でした。
サンライズツアーの出発は深夜0時──「なぜこんな時間に?」という疑問

店を出たのは23時過ぎ。ひんやりした夜道をホテルへ戻りながら、ひとつの疑問が頭をよぎります。
「ただ日の出を見るだけなのに、なぜ夜中の0時に出発するのだろう?」
今回申し込んだのは、プライベート手配のサンライズツアー。運転手付きのレンタカーで、宿泊先のホテルまで深夜にピックアップしてもらい、そこからブロモ山のサンライズポイントへ向かうというスケジュールです。
「登山するわけでもないし、出発はせめて2時とか3時でもよさそうなのに」──そんなことを考えながら、ホテルへと戻りましたが、後になってこの“深夜0時出発”の意味を知ることになります。
ホテルに戻って、出発前のひと息──無料のアイスサービス

ホテルに戻ると、ロビーでちょっとうれしいサービスを発見。宿泊者限定で無料のアイスクリームが提供されていたのです。夜食のあとでしたが、登山前のカロリー補給も兼ねて、ありがたくいただきました。
甘さ控えめで素朴な味わいのアイス。冷房の効いたロビーでひんやりとしたスイーツを楽しんでいると、旅の緊張感がすっとほどけていくような気がしました。
静かに始まるサンライズへの旅
0時少し前。リュックに必要なものだけを詰めてロビーへ下りると、すでにドライバーが到着していました。
今回のツアーは、まずは普通の乗用車でブロモ山のふもとまで移動し、そこから専用のジープに乗り換えて山道を進むという流れです。ピックアップは時間通り。眠気と興奮が入り混じる中、いよいよブロモ山サンライズツアーが始まります。
外に出ると、空には星が瞬き、マランの夜はさらに冷え込みを増していました。静まり返った街の中に、エンジン音だけが小さく響き渡っていました。
「なぜ0時出発?」の答えは、詰め込まれた工程にあった
車が走り出してしばらくすると、なぜこんなに早く出発したのか、その理由が少しずつ見えてきました。
マランからブロモ山周辺の村までの移動(約1時間半)
村でのジープへの乗り換え
他のツーリストの混雑を避けて、日の出ポイントへ先回り
暗闇の中を登る山道での渋滞回避
日の出鑑賞に最適なスポットへ、午前4時〜4時半には到着しておく必要がある
ブロモ山は、インドネシア国内外から多くの旅行者が訪れる超人気スポット。良い場所で日の出を見るには、誰よりも早く出発しなければならない。むしろ0時出発は“遅い”部類かもしれない、そう思わされるほど、タイムテーブルはシビアに組まれていました。
静かな夜から、ドラマの幕開けへ
冷たい夜風,静まり返った街の気配。マランの夜は、ブロモ山という大自然が織りなす壮大なドラマの“序章”のような時間でした。「ただ日の出を見るだけ」と思っていたブロモ山のサンライズツアーは、すでにこの深夜の時点から、静かに動き始めていました。