ルピア安の次は株価暴落。インドネシア経済、大丈夫なのか

Business Indonesia

記事の冒頭
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします

先日、「1ドル=18,000ルピア」という記事を書きました。為替の数字を見ながら、インドネシアで商売をする者として何が気になるのかを考えた内容です。

為替に続いて気になったのが、インドネシアの株価です。ここ数日で、大きく値を下げています。

私は株式市場の専門家ではありません。それでも、この国で会社を経営していると、「投資家の皆さんは大変だな」で済ませるわけにはいきません。インドネシア経済は、大丈夫なのか。背景を少し調べてみました。

本文の途中(見出し前)
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします

1日で11%安、週明けには5,000割れ

インドネシアの代表的な株価指数は、IHSG(ジャカルタ総合指数)です。日本でいえば、日経平均やTOPIXにあたります。

10月16日(金)、IHSGは11.57%下落し、5,185で取引を終えました。1998年1月8日に記録した11.95%という過去最大の下げに迫る水準です。アジア通貨危機の時期以来、と聞けば、その大きさが伝わると思います。

取引開始後、下落率が8%に達し、30分間の売買停止が発動されました。再開後も売りは止まりませんでした。

週明けの19日(月)も下落は続きました。IHSGは前営業日比3.64%安の4,996.60で取引を終え、5,000を割り込みました。16日の急落に続き、週をまたいでも売りが収まらない状況です。

しかも、これは数日だけの話ではありません。年初来の下落率は、およそ40%に達しています。今年1月につけた史上最高値からも、大きく水準を切り下げました。

16日には、ルピアも1ドル=18,070ルピアまで下がり、過去最安値の18,190ルピアに近づきました。株と通貨が同時に売られている点が、今回の気になるところです。

きっかけは「市場区分」の見直し

引き金になったのは、MSCIという会社の発表でした。

MSCIは、世界の機関投資家が運用の目安にする株価指数をつくっています。各国の市場を「先進国」「新興国」などに分類しており、多くの年金基金や投資信託は、この分類に沿って資金を配分しています。

今回、MSCIはインドネシアを「新興国市場」から「単独市場(スタンドアローン)」へ格下げすることを検討すると発表しました。理由として、市場の透明性、株式保有の集中、インサイダー取引への懸念が挙げられています。

単独市場に移ると、新興国株の指数からインドネシアが外れます。そうなれば、指数に連動するファンドなどから、多額の資金が流出する可能性があります。

ただし、これはまだ決定ではありません。MSCIは2027年4月30日まで市場関係者の意見を受け付け、最終判断は遅くとも2027年6月30日に発表するとしています。

つまり今回の下落は、「景気が悪そうだから売られた」だけではありません。「この市場に、安心して投資できるのか」が問われていると、私は受け止めています。

株価暴落=経済崩壊、ではない

では、インドネシア経済そのものが崩れているのか。そう単純ではないと思います。

株価と、街の消費や工場の生産は、同じ速さでは動きません。2026年4〜6月期の実質GDP成長率は、前年同期比5.29%でした。マカッサルの街を歩いていても、昨日と今日で人の流れが急に変わったわけではありません。

一方で、成長率だけを見て安心することもできません。海外勢は今年すでに、インドネシア株から差し引き49億ドルを引き揚げており、年間で過去最悪のペースです。

海外資金の流出が続けば、ルピア安や輸入コストの上昇につながる恐れがあります。通貨を支えるため、金利を下げにくくなることも考えられます。すぐに経済危機だと決めつけるべきではありませんが、軽く見てよい話でもない。それが今の私の見方です。

私の商売には、どう関係するのか

私はマカッサルでタコを仕入れ、加工して海外へ輸出しています。日々の採算に直結するのは、株価よりも為替です。

ドルで売り、ルピアで仕入れる商売なので、ルピア安には追い風の面があります。同じ1ドルの売上でも、ルピアに換えたときの金額が増えるからです。

ただ、「輸出企業だからルピア安は歓迎」と単純には言えません。燃料、包装資材、冷凍・物流のコストには、輸入品やドル建ての価格に左右されるものが多くあります。これらが上がれば、為替のメリットは少しずつ削られていきます。

もう一つ気になるのは、仕入れ資金への影響です。金融市場の混乱が長引き、融資の審査が厳しくなれば、原料を買うためのお金も確保しにくくなります。

数字と、現場の変化を見ていく

株価が下がったからといって、明日から街の暮らしが一変するわけではありません。それでも為替や物価、資金調達を通じて、後から影響が表れることはあります。

これから先、私の商売にとって特に気になるのは、ルピアの下落が止まるかどうか。そして、仕入れ値や物流費、取引先からの支払いといった、身近な変化です。

株価が明日上がるかどうかは、私にはわかりません。ただ、現地で商売を続ける以上、「株の世界の話」として聞き流すわけにもいきません。ニュースの数字と、日々の仕入れや支払い。その両方を見ていこうと思います。


参考

記事の最後
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします
 

人気記事海外送金!インドネシアから日本に送金、ワイズ(Wise)とトップレミット(Topremit)どちらが良いか?

人気記事わかりやすい!インドネシアで就労ビザ取得方法!

にほんブログ村 応援
インドネシア情報
IN OUT