インドネシアで“できると言われた仕事”が進まない理由!経営者が学んだ前提の違い

Indonesia 海外進出

「Bisa, Pak。」

その一言に、何度安心させられ、何度肩透かしを食らったか分かりません。

確認もした。

資料も渡した。

期限も伝えた。

相手は笑顔でうなずいている。

これで動くだろう、と。

しかし数日後、確認すると、ほとんど進んでいない。

ゼロではない。けれど、こちらが想定していた“進み方”とは明らかに違う。

最初は苛立ちました。

次第に戸惑いになり、やがて自分のマネジメント能力を疑うようになりました。

でも、ある時気づいたのです。

これは能力の問題ではない。

責任感の問題でもない。

文化の優劣でもない。

前提の置き方が違うだけなのだと。

日本式経営は「未来を固定する」

日本のビジネスは、未来を固定することで回っています。

  • この日までに終わる
  • この品質で仕上げる
  • この担当が責任を持つ
  • この段取りで進める

「できます」という言葉は、その固定設計の中にあります。

だからこそ日本では、

できる=やる=進む=完了する

という直線が成立します。

言葉が、ほぼ保証を含んでいる。

ところがインドネシアでは、この直線が存在しません。

「Bisa」は意思表示であって進捗ではない

インドネシアでの「Bisa」は、否定ではありません。

むしろ非常に前向きな言葉です。

やる気はある

可能性はある

やろうとは思っている

しかしそれは、

段取りが確定している

優先順位が最上位になっている

今すぐ動く準備が整っている

ことを意味しません。

つまり、「Bisa」は未来の固定ではなく、現在の意思表示なのです。

ここを日本式の感覚で受け取ると、必ずズレが生じます。

経営者が一番消耗するポイント

現場スタッフよりも、経営者のほうが先に疲れます。

なぜなら、経営者は“結果”を見る立場だからです。

  • 出荷は間に合うのか
  • 納期は守れるのか
  • キャッシュは回るのか

経営は、約束の積み重ねで成り立っています。

だからこそ「できる」と言われれば、それを前提に次の判断を下します。

しかしその前提が固定されていないと、判断の土台が揺れる。

これが最大のストレスです。

怒りではなく、不安です。

未来が読めなくなるからです。

私が変えたのは「信じ方」

最初は疑いました。

本当にやるのか?

ちゃんと理解しているのか?

本気なのか?

でも疑う経営は、関係を壊します。

次に管理を強化しました。

毎日確認

リマインド

進捗報告義務化

しかしそれでは、こちらが疲弊します。

最終的に変えたのは、「信じ方」でした。

「Bisa」と言われた段階では、まだスタート地点にすら立っていないと考える。

進捗が目に見えた段階で初めて10%。

具体的な成果物が出て20%。

完了してやっと100%。

期待値を段階的に設計し直したのです。

インドネシアでは「確認」が仕事そのもの

日本では確認は補助です。

インドネシアでは、確認がプロセスそのものです。

いつやる?

どの順番?

誰が責任?

今日は何をやった?

ここまで具体化しない限り、「Bisa」は空中に浮いたままです。

確認を怠ると、仕事は止まります。

確認を重ねると、仕事は動きます。

これは怠慢ではありません。

未来を固定する文化ではない、というだけです。

なぜそれでも成立するのか

ここで面白いことがあります。

不思議と、最終的にはなんとかなる。

日本のような正確さはない。

でも、致命的に壊れることも少ない。

なぜか。

固定が弱い分、柔軟性が強いからです。

代替案がすぐ出る

人が助け合う

状況に合わせて変わる

固定設計で精度を出すのが日本。

流動設計で耐久性を出すのがインドネシア。

構造が違うのです。

経営者としての再設計

インドネシアで経営するなら、次の設計が必要です。

  • 期限は二重に持つ
  • バッファを前提にする
  • 進捗を言葉でなく“形”で見る
  • 個人ではなくプロセスを管理する

これを理解してから、私のストレスは激減しました。

怒る回数が減った。

焦る回数が減った。

それでも成果は出る。

むしろ、安定しました。

「進まない」のではない。「進み方」が違う

最初は「遅い」と思っていました。

でも違った。

進んでいないのではない。

進み方が直線ではないのです。

日本はレール型。

インドネシアは川型。

流れは曲がる。

速度も変わる。

でも最終的に海には出る。

その違いを理解できたとき、

経営は一段階楽になります。

期待を固定しない経営という思想

ここまで来ると、単なる現場論ではなくなります。

これは思想の問題です。

未来を固定するか。

未来を流動させるか。

日本では、固定が安心を生みます。

インドネシアでは、流動を受け入れることが安心を生みます。

経営者が折れるのは、

未来を固定しようとして固定できないときです。

しかし最初から固定しない設計にすれば、

揺れは想定内になります。

まとめ 前提を変えれば、感情は変わる

「できる」と言われた仕事が進まない。

それは裏切りではありません。

前提のズレです。

前提を置き直せば、

怒りは減り、焦りは消え、

関係性はむしろ強くなります。

インドネシアで経営するとは、

精度を追い込むことではなく、

揺れを含めて設計すること。

それができるようになったとき、

ようやく本当の意味で、仕事は進み始めます。

 

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