2024年のバリ島外国人観光客が633万人に到達、オーバーツーリズムの懸念も

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南国リゾートとして世界中の旅行者を魅了するバリ島。美しいビーチや豊かな文化遺産、独特のヒンドゥー教文化が息づく寺院など、数多くの魅力が詰まったこの島は、近年のコロナ禍にもかかわらず観光需要が急回復を遂げています。本記事では、2024年における外国人観光客数の最新状況や主要出身国のランキング、そして観光客の急増に伴うオーバーツーリズムの懸念について詳しくお伝えします。バリ島旅行を検討している方や、現地の最新動向を知りたい方の参考になれば幸いです。

2024年の外国人観光客数は633万人

バリ州中央統計局(BPS)は、2024年を通じて「神々の島」バリを訪れた外国人観光客が合計で633万人に達したと報告しました。前年同期(527万人)より20.10%増加しており、新型コロナウイルス感染症のパンデミック前である2019年の水準をも上回っています。

国別:オーストラリアが最多

2024年にバリ島を訪れた外国人観光客を出身国別に見ると、オーストラリアが最も多く154万人が訪れました。これは、昨年の外国人観光客全体の24.38%に相当します。

BPSが発表したトップ10の内訳は以下のとおりです。

オーストラリア:154万人

インド:550,370

中国:448,440

イギリス:295,320

韓国:294,020

アメリカ:261,830

フランス:257,490

マレーシア:246,140

シンガポール:218,920

ドイツ:204,640

その他の国からは合計201万人の訪問がありました。

なお、日本人観光客は2024年のトップ10には含まれていないものの、パンデミック以降のビザ緩和やフライト再開などにより、徐々に回復傾向にあると報告されています。

航空輸送が訪問者数を牽引

2024年にバリ島を訪れた外国人観光客のうち、主要な交通手段となったのは航空輸送で、その数は630万人に上りました。一方、海上輸送を利用した外国人観光客は24,810人にとどまっています。

オーバーツーリズムの懸念と混雑の実態

急増する観光客により、バリ島ではオーバーツーリズムの懸念が高まっています。特に主要リゾートエリアのクタやスミニャック、高原リゾートのウブドなどでは、下記のような混雑が報告されています。

交通渋滞の深刻化:主要観光地周辺の道路が慢性的に渋滞し、観光客・地元住民ともに移動時間が大幅に増加。

環境負荷の増大:ゴミの不法投棄や水資源の過剰利用など、バリ島の自然環境への負荷が拡大。

宿泊施設の供給過剰:新規ホテルや民泊施設の乱立による景観問題や地元住民とのトラブル。

さらに、飲食店やレストラン、美術館・寺院などでもピーク時には長い待ち時間が発生するケースが増加傾向にあり、観光体験の質の低下や地元住民の生活への影響が懸念されています。

今後の見通しと対策

バリ島政府や観光当局は、急激な観光客増加による負の影響を軽減するため、以下のような対策を進める方針です。

インフラ整備の強化:空港や主要道路の整備・拡大を進め、交通渋滞の緩和を図る。

環境保護施策の推進:ゴミ処理システムの改善や観光客向けの環境意識啓発キャンペーンを強化。

観光地の分散化:クタ、スミニャック、ウブド以外の地域も積極的にプロモーションし、観光スポットの集中を緩和。

観光客管理制度の整備:ビザや入島規制、旅行者税などの導入・改正を検討し、持続可能な観光モデルを目指す。

まとめ

  • 2024年の外国人観光客数は633万人に達し、コロナ前の水準を上回る盛況ぶり。
  • オーストラリアが最多で、インドや中国、イギリスなどが続く。日本はトップ10外ながら回復の兆し。
  • 圧倒的多数が航空輸送を利用し、海上輸送の利用者はごく少数。
  • 観光客の急増に伴い、オーバーツーリズムの懸念が高まり、交通渋滞や環境負荷が顕在化。
  • 当局はインフラ整備や環境保護施策などを強化し、持続可能な観光モデルの構築を目指している。

世界的なリゾート地として人気のバリ島は、コロナ禍から急回復を果たしました。一方で混雑や環境問題も生じているため、旅行を計画する際はオフシーズンを狙う、あるいは主要エリア外への分散を検討するなど、快適でサステナブルな旅の工夫が求められています。

 

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