【インドネシア進出】販売代理店契約でのSTP、クリーンブレークとは一体何?

Indonesia 海外進出

自社製品をインドネシアに輸出してビジネスしたい時、現地販売代理店を活用する方法が一般的です。販売代理店の契約の際、注意が必要でSTPやクリーンブレークといった話が出てきます。STPやクリーンブレークをわかりやすく解説したいと思います。

販売代理店との契約が必要

インドネシア市場に参入した時、現地の販売代理店を通じて販売をお願いする場合、外資による規制はありませんが、現地の法令に則した適切な代理店契約を結ぶ事が、さまざまなリスク要因を管理するうえで重要です。

インドネシアでは、契約者は、インドネシア語と英語または日本語の併記で作成するのが望ましいとされています。契約書の中身には、債務不履行が発生した場合、裁判所に申し立てを経ずに契約解除できる事や、紛争解決方法に関しては、シンガポール国際仲裁センター(SIAC)などの機関を指定するのが望ましいとされています。

STPとは

インドネシアでは、販売代理店を保護する制度があり、販売代理店は契約書を添えて商業省に申請し、登録証(STP:Surat Tanda Pendaftaran)を取得する義務があります。

これには、外国企業がある販売代理店を利用し市場参入したのですが、数年後売上が拡大して、現地に拠点を設けて自社生産販売を始めるといった事が起こる可能性があります。

販売代理店側は一方的に契約を途中解除される可能性があるため、SPTは販売代理店を保護する役目を果たします。

販売代理店がSTPを取得しない場合は、代理店に対して警告状が出され、最終的に警告に応じず登録しないと、商業省から代理店の営業許可を取り消す場合があります。

クリーンブレークとは

販売代理店への一方的な途中解除を防ぐために、SPTを取得した会社との契約を途中解除したい場合は、両者の合意書面を商業証に届けることを定めており、その合意による契約解除をクリーンブレーク(Clean Break)と呼びます。

実務上は、前の代理店から「新規の代理店を任命しSTPを申請することについて異議がありません」と述べた書面をもらうという運用がされています。

供給者側に、現契約の解約後に新しい代理店を任命するつもりがないのであれば、このようなクリーンブレークは必要ありません。

クリーンブレークは、両者の合意が必要なため、販売店側が不本意であれば合意が獲れませんので、契約の途中解除が認められないので、SPTの削除ができません。

通常は、SPTの有効期限は発効日から2年間有効です。代理店の契約期間がそれよりも短ければSTPもそれに合わせることが本来ですが、実際にはSTPの有効期限が代理店契約の期間よりも長い場合もあり厄介な問題になることもあります。

トラブルを避けるために

トラブルの一番大きな要因は、双方のコミュニケーション不足があります。日本企業側としてはインドネシア販売代理店が思ったように売ってくれない、インドネシア側は販売プロモーションをかけたいが、日本側企業が支援してくれない等、意見が食い違う事が良くあります。

お互い理解しあう事が大事でその過程でしっかりとした話し合いが必要ですし、そうならないように普段から意思の確認が必要です。

覚書に契約解除の際のリスクを減らす取り決めをしておくことも大事です。

在庫リスクの明確化や、売掛金が発生した時にリスク、営業販売拡大の評価、お互い成果目標を設定し、年度末に回顧する事を決めておけば、トップ同士が直接的に意思疎通し、改善点も確認していくことができます。

まとめ

インドネシアは成長著しく、多くの日本企業にとって大変魅力のある市場です。一方で、未だ外資規制が厳しい事もあり、インドネシアで商品やサービスを販売するには、現地の販売代理店を使用することが必須です。

代理店との法的紛争につながらないよう、代理店の仕組みを理解して、現地との契約にはSPTが背後にある事の重要性を認識する必要があります。

インドネシアに進出する際は、是非この記事を参考にしてください。

 

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