マカッサル夜の新名所!ピニシ船カフェ「HAKATA号」で味わう贅沢な一杯

Indonesia Makassar

歴史あるマカッサルの港町・ロサリビーチに並ぶピニシ船。その中のひとつ幻想的な帆船カフェ「HAKATA BLUE OCEAN」は、日本とマカッサルをつなぐ縁を感じる特別な船。誰でもカフェとして利用でき、夜の港で非日常のひとときを過ごせます。ロサリビーチの夜景を背景に、伝統のピニシ船の上で楽しむカフェタイムは、まさに非日常。日本との意外な縁とともに、その魅力をお伝えします。

幻想的な夜景に浮かぶピニシ船

ロサリビーチの海辺に並ぶピニシ船たちは、まるで歴史と未来が交差する舞台装置のよう。帆を彩る無数の電飾が水面に映り込み、夜の港に幻想的な光景を作り出しています。

ピニシ船とは、かつてインドネシアのブギス族やマカッサル族によって建造・操船された伝統的な木造帆船。17〜19世紀の大航海時代には、インドネシアの香料や木材を運ぶ貿易船として、東南アジアからインド洋、さらにはオーストラリア近海まで航海していたといわれています。

その発祥と深い関わりを持つのが、ここマカッサル。実際、スラウェシ島南部の港町はピニシ船の建造・出航の拠点であり、今も南スラウェシ州南部のブルクンバ(Bulukumba)には現役の造船村が残っています。

船の名前は「博多」──日本との不思議な縁と、由来の秘密

その夜、私の目に止まったのが「HAKATA BLUE OCEAN」と書かれた一隻の白いピニシ船。なんと、日本の“博多”の名前を冠したこの船は、今ではカフェとして営業しており、訪問客を受け入れているとのこと。

乗船後にスタッフに由来を尋ねてみたところ、興味深い事実がわかりました。この船は、かつて南スラウェシ州の知事を務めた人物の所有であり、その元知事は日本の九州大学に留学していた経験を持ちと「HAKATA」いう名は、その思い出と敬意を込めて名付けられたのだとか。まさかマカッサルの港で、日本と縁のある船に出会えるとは思いもよらない驚きと親しみを感じました。

夜風に吹かれながら、船上で味わう一杯の贅沢

HAKATA号の最上階に登ると、そこにはオープンエアの開放的な空間が広がっていました。木造の甲板に座りながら、コーヒーを片手に見渡すと、向かいには他のピニシ船、背後にはロサリビーチの「LOSARI」の白い文字が灯りに浮かび上がっています。

海風が心地よく、まるで時がゆっくり流れているような感覚。観光地の喧騒とは無縁の、穏やかな夜の時間を過ごせました。

しかもこの体験、船の入場料は不要。カフェ代(コーヒーなど)だけで誰でも乗船でき、自由にこの特別な空間を楽しめるのです。

マカッサルとピニシ船

ピニシ船の起源は諸説ありますが、18世紀ごろから南スラウェシのブギス人とマカッサル人が、航海術と造船技術を融合させて独自の帆船を造り上げたとされます。その洗練された形状と高い航海性能は、西洋の帆船にも劣らず、むしろ熱帯の海においては機動性・実用性ともに優れていたと言われています。

そしてマカッサルの街は、こうしたピニシ船による海上交易の拠点として発展。物資・文化・人の交流がこの港から始まり、海のシルクロードとも呼ばれる航路網の一部を担っていました。

今では観光やレジャーに姿を変えたピニシ船ですが、その船体ひとつひとつに、いにしえの海の物語が染みついているように感じます。

 

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