ジャカルタ最古のコーヒー店『Bakoel Koffie』で、140年の香りに包まれる時間

Indonesia Travel

ジャカルタの老舗カフェ「Bakoel Koffie」とは

インドネシアといえば、世界有数のコーヒー生産国。トラジャやマンデリンなど、国際的に高い評価を受ける豆が数多く生産されています。

しかしその一方で、地元で長年親しまれてきた老舗カフェの存在は、あまり知られていないかもしれません。

今回訪れたのは、1878年創業、ジャカルタ最古のコーヒー店「Bakoel Koffie」。

メンテン地区・チキニ通りに位置するこのお店は、140年以上の歴史を持つ由緒あるロースターでありながら、今もなお新しい世代の顧客を惹きつける、不思議な魅力を放っています。

Bakoel Koffieのルーツ

「Bakoel」とは、インドネシア語で“竹籠”の意味。創業当時、コーヒー豆を竹籠(バクール)に詰めて運んでいたことが、店名の由来になっています。

その起源は1878年、Liauw Tek Siong氏がジャカルタ旧市街・ハヤムウルク通りに開いた小さな焙煎所「Tek Sun Ho」に始まります。

1930年代にはオランダへのコーヒー輸出を開始し、1970年代には日本や中東諸国へも販路を拡大。まさにインドネシアのコーヒー産業を牽引してきた歴史あるブランドです。

2001年、4代目により「Bakoel Koffie」として再ブランド化され、現在のカフェスタイルの店舗がオープン。以来、地元住民や旅行者に愛される“生きた歴史”として親しまれています。

「Koffie Classic」のアイスコーヒー

店内にはBlack Mist、Heritage 1969、Brown Cowなど、個性的なオリジナルブレンドが多数並びます。

どれも魅力的で迷いましたが、今回のように初めて訪れる老舗カフェでは、まずはその店の“ベース”となる味を知るのが一番。ということで、シンプルな「Koffie Classic」のアイスコーヒーを注文しました。

このブレンドは、創業時代からの焙煎技術をもっとも色濃く受け継いだ一杯。店の哲学が凝縮された味とも言えるでしょう。

グラスに注がれたアイスコーヒーは見た目こそシンプルですが、一口飲めばその実力に驚かされます。

すっきりとした口当たりの中に、芯のあるコクと香ばしさがしっかりと残る。

氷が溶けても風味がぼやけることはなく、むしろ時間とともにまろやかさが増すような感覚が楽しめました。

しかも価格は50,000ルピア(約480円)と、ジャカルタ中心部のロケーションにしては非常に良心的。

このクオリティでこの価格は、まさに“コストパフォーマンス抜群”です。

空間もまた“歴史”そのもの

Bakoel Koffieの魅力は、コーヒーだけではありません。

店内に足を踏み入れた瞬間、そこにはオランダ植民地時代の空気を感じさせるクラシックな空間が広がっています。

レンガ造りの壁、重厚な木製家具、壁に飾られた古い写真や焙煎機の模型。

どこを切り取ってもまるで歴史の博物館に迷い込んだかのよう。

店内は1階が喫煙可、2階が禁煙というつくりになっており、それぞれ異なる雰囲気を楽しめます。

今回は2階が満席だったため、1階席に腰を下ろしましたが、午後の柔らかな光がアンティーク調の机に差し込み、まるで時間が止まったような心地よさを感じました。

おわりに

Bakoel Koffieは、単なるカフェではありません。140年以上の時間を味わえる場所です。

受け継がれてきた焙煎技術、静寂と落ち着きに満ちた空間、そしてスタッフの丁寧で親しみやすい接客、そのすべてが、このお店の歴史を“今”へと繋げています。

「ジャカルタに来たなら、また立ち寄りたい」と素直に思える名店でした。

コーヒー好きの方はもちろん、歴史や静かな時間を大切にしたい方にも、ぜひ一度訪れていただきたい一軒です。

アクセス情報

店名:Bakoel Koffie チキニ本店

https://www.bakoelkoffie.com

住所:Jl. Cikini Raya No.25, RT.16/RW.1, Cikini, Kec. Menteng, Kota Jakarta Pusat, Daerah Khusus Ibukota Jakarta 10330, Indonesia

 

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