バリ島の大晦日は一夜限りのオゴオゴパレードで賑わう!

Indonesia

2024年3月11日はニュピ。バリ・ヒンドゥー教のカレンダー、サカ暦の新年に当たり、「サイレント・デイ」、つまり静寂の日として祝われます。この日はバリ・ヒンドゥー教徒にとって最も重要な日の一つです。この日は外界からの隔絶を意味し、島全体が静かな瞑想の時間に入ります。しかし、この静けさの前夜、大晦日はまるで別世界です。島はオゴオゴと呼ばれる生き生きとした巨大な人形たちのパレードで賑わい、これらは様々な形や大きさをしており、一年間の人々の恐れや悪意を象徴します。オゴオゴのパレードは、これらの負のエネルギーを海に運び去り、新年を清らかに迎えるための儀式です。

オゴオゴについて

バリ島の大晦日の行事として、「オゴオゴ(Ogoh-ogoh)」があります。バリのヒンドゥー教では、善と悪は永遠に存在し続けるテーマとされています。オゴオゴは通常、悪魔や鬼の形をしており、その恐ろしい外見を通じて、1年間の人々の悪意を象徴し、祭り上げて焼き払い、浄化する目的があります。村々では、悪霊へのお供え物が置かれ、人形の山車や神輿が町を練り歩きます。人々は松明を持ち、楽器を鳴らしながら、大騒ぎをしながら夜遅くまで練り歩き、お供え物を食べた悪霊を追い払います。この神輿「オゴオゴ」には、各家庭から追い出された悪霊が乗り移るとされ、最後には海に流して燃やします。住民たちは協力してオゴオゴを制作し、準備は何週間も前から始まり、コミュニティ全体の努力が必要です。これらの人形を作る過程は、技術だけでなく、想像力と創造性を駆使する作業です。バリ島の人々にとって、オゴオゴは自分たちの文化と伝統、そしてコミュニティの絆を象徴するものです。

各バンジャール(村よりも小さな自治体)毎に、怖い鬼の形をした大きな神輿のようなオゴオゴが町中を練り歩きます。イメージとしては、ねぶた祭りに似ています。オゴオゴは一般の人たちの手作り人形であり、バリ人の手先の器用さが光る技術です。

デンパサール市の壮大なオゴオゴパレード

州都デンパサール市の中心地、ガジャマダ通りでは、巨大なオゴオゴが出現します。ニュピ前日の日没後(18時頃)からオゴオゴパレードが始まります。パレード開始前から沿道には人が集まり、良い場所を確保しようとします。夕陽が沈んだ頃、パレードが始まり、多くの人々がオゴオゴを一目見ようと集まります。エリアによってスタイルは様々ですが、暗闇の中でたいまつを持った人々が先導し、次々と現れるオゴオゴは幻想的です。

近年のオゴオゴには電飾を施したものや、音楽をバックに流すなど、凝ったものも多くあります。コンテスト形式のエリアもあり、どのオゴオゴが最も素晴らしいかを競います。デンパサール地域のガジャマダ通りでのオゴオゴは大きなコンテストで知られ、非常に多くの人で賑わいます。あいにくの雨模様の中でのパレードでしたが盛り上がりを見せます。オゴオゴを担ぐのは主に若者男性で、女性達は灯りや鳴り物を持って村を練り歩きます。悪霊は騒音が苦手なため、できるだけ大きな音を鳴らして驚かせます。オゴオゴにより、潜んでいる魔物を呼び寄せ、海に運んで焼き払うことで、静かに新年を迎え、平和に暮らせると信じられています。

オゴオゴパレードは、バリ島の文化と伝統を体験する絶好の機会です。これらの巨大な人形の制作にはコミュニティの協力と絆が必要であり、その過程はバリ島の人々にとって重要な社会的イベントです。

パレードの夜、人々は集まり、彼らの作品を誇り高く披露します。オゴオゴは、その恐ろしい外見にもかかわらず、見る人々を魅了し、驚かせます。

静寂への移行

オゴオゴと共ににぎやかに過ごした翌日、ニュピの日が始まり、バリ島は静けさに包まれます。この日は電気の使用が禁止され、誰もが家に留まり、外出や仕事をしないことで知られています。しかし、この静寂は単なるルールによるものではなく、バリ・ヒンドゥー教の教えに根ざし、自然との調和と内省を促すものです。この静かな時間は、自己と向き合い、過去を振り返り、未来について考える機会を提供します。ニュピの静寂の日は、バリ島における新しい始まりを象徴します。外の世界からの一時的な断絶は、精神的な浄化と自己反省のための空間を提供します。この日、バリ島は平和と静けさの中で新年を迎えます。

 

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