ついにマカッサルにミスド上陸。甘すぎないドーナツは、スラウェシで通用するのか?
ついに、ついにです。
マカッサルに、あのミスタードーナツ(ミスド)がやってきました。
場所は、私が日常的に通うマカッサル中心部の大型モール「モール・パナックカン(Mal Panakkukang)」。
まだ常設の大型区画ではなく、ポップアップ的な仮設店舗のような形ですが、あの赤いロゴを見た瞬間、思わず足が止まりました。
「ついにここまで来たか」
インドネシアはドーナツ好きの国です。
しかし、マカッサルのドーナツ事情は、これまで決して安定していたとは言えません。
J.COはある。けれど、正直甘すぎる。
DUNKIN’は撤退してしまった。
では、ミスドはどうなのか。
そして、スラウェシの市場に受け入れられるのか。
少しだけ経済目線も交えながら書いてみたいと思います。
マカッサルのドーナツ事情

マカッサルは甘いものが好きな街です。
カフェは急増。
砂糖たっぷりのミルクコーヒー。
色鮮やかなケーキ。
シロップをかけたデザート。
ドーナツも例外ではありません。
インドネシアでドーナツといえば、まずJ.CO(J.CO Donuts & Coffee)。
ふわふわでボリュームがあり、トッピングも豪華。
しかし、日本人の私には、やはり甘すぎる。
そしてもう一つの大手、DUNKIN’はマカッサルから撤退。
かつては街中に店舗がありましたが、今は見かけません。
つまり、
市場はあるが、絶対王者はいない。
そこにミスドが入ってきた。
これは、小さな出来事に見えて、実は象徴的です。
モール・パナックカンに突然現れた赤いロゴ
今回の出店場所は、モール・パナックカンのグラウンドフロア。
まだ本格的な区画ではなく、ポップアップ的な作り。

しかし、赤い看板にははっきりと書かれています。
「No.1 Donut in Japan」
そして、「HALAL」のマーク。
日本ブランドでありながら、しっかりローカライズされている。
価格を見ると、驚きました。
プロモ価格 1個 7,000ルピア(約65円)(通常価格は13,000ルピア前後)。
正直、安すぎます。
それでもJ.COと同水準か、やや安い。
これは攻めています。

実際に食べてみた感想

私は迷わず数種類を購入しました。
ポン・デ・リング系
チョコレート系
オールドファッション
カスタード
一口食べて思ったこと。
「ああ、日本だ」
甘さが穏やか。
クリームがくどくない。
チョコも重すぎない。
繊細です。
インドネシアでは、
「甘い=満足」
という構図が強い。
しかしミスドは違う。
甘さを“足す”のではなく、
甘さを“整える”。
この感覚は、日本人にはとても心地いい。
しかし、誰も並んでいなかった

ここが今日一番考えさせられた点です。
プロモ価格で激安。
にもかかわらず、行列はない。
もしこれがJ.COや有名カフェの大型プロモなら、
間違いなく長蛇の列ができる。
なぜ並ばないのか。
考えられる理由は3つ。
まだ認知されていない
ポップアップで本気度が伝わっていない
味の方向性がまだ理解されていない
インドネシアでは、視覚的インパクトが重要です。
カラフルで、派手で、甘そうであること。
ミスドは、少し落ち着きすぎているのかもしれません。
日本の「繊細な甘さ」は早いのか?
ここが最大の問いです。
日本では、
「甘すぎない」が評価されます。
しかしインドネシアでは、
「しっかり甘い」が安心感になる。
味覚は文化です。
スラウェシの人たちは、
濃い味、強い甘さ、分かりやすい満足感を好む傾向があります。
ミスドのバランス感覚は、
まだ“早い”のか。
それとも、
これからの中間層の拡大とともに受け入れられるのか。
私は、後者の可能性も感じています。
なぜなら、マカッサルは確実に変わっているからです。
経済目線で見るとどうか
ミスドの出店は、単なるスイーツの話ではありません。
日本ブランドが、スラウェシに入ってきた。
これは市場評価の証拠です。
マカッサルは東インドネシアのハブ。
購買力も上がっている。
しかし、まだ“試験段階”。
いきなり大型店舗ではなく、
まずはポップアップ。
反応を見る。
これは、非常に合理的な戦略です。
売れれば拡大。
ダメなら撤退。
シンプルです。
個人的な本音
私はドーナツが好きです。
だから、正直うれしい。
しかし同時に、少し不安もあります。
この繊細さが、
どこまで受け入れられるのか。
もし、売れないからといって、
甘さを強くし始めたらどうなるか。
それはもう、ミスドではない。
ブランドの軸を守るのか。
ローカライズを進めるのか。
このバランスは難しい。
しばらく様子を見たい
今のところ、私は応援したい。
価格も良心的。
味も安心。
日本人として誇らしい。
しかし、成功するかどうかはまだ分かりません。
スラウェシは甘いもの好き。
でも、その“甘さ”の質が違う。
ミスドは、
市場を変えるのか。
それとも市場に合わせるのか。
数ヶ月後、どうなっているか。
しばらく観察したいと思います。
まとめ
マカッサルにミスドが来た。
これは単なるドーナツの話ではない。
味覚の文化。
消費の成熟度。
日本ブランドの戦略。
そのすべてが交差する、小さな実験です。
ドーナツをかじりながら、
スラウェシの未来を少しだけ考えていました。
甘すぎないドーナツは、
この街に根付くのか。
答えは、これからです。