【インドネシア】食用油買い占めで大混乱!

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インドネシアでは今年になって食用油の価格混乱が起こっています。昨年以来世界的な食用油の供給逼迫により価格高騰が続いています。食用油の高値に対してインドネシア政府は全国統一価格の補助金を拠出して1リットルあたり14,000ルピアにしたところ、多くの市民が油を買いに殺到して一部買い占めが起こっています。

インドネシアはパーム油生産消費世界一

USDA「World Markets and Trade」によるとインドネシアは2021年のパーム油の生産量は4,450万トンと世界生産量7,640万トン中58%を占めており世界一の生産量となっています。消費についても国内消費1,523万トンと世界一、輸出量は2,950万トンとこれまた世界一を誇ります。 

世界的なパーム油の需要増に対して、供給が追いつかず2021年12月のパーム油の価格は、$1,270ドル/トン(約145円/Kg)と10年振りの高値を付けていました。

インドネシアの食用油の小売価格

インドネシアでの2022年1月18日時点のスーパーマーケットの平均小売価格は1Kg当り21,150ルピア(約175円)となっていました。2020年末の平均小売価格は14,428ルピア/Kgでしたので40%近く上昇しています。

政府が補助金で価格を抑制

インドネシア政府は2022年1月5日、全国統一価格の補助金付き食用油を用意するとして、3兆6千億ルピア(約290億円)を拠出して、1月19日以降半年間に渡り1リットルあたり14,000ルピア(約115円)にするとしました。

政府の政策を受けて大手スーパーやコンビニエンスストアは食用油の一斉値下げをしたところ、大勢の客が押し寄せてパニック買いが起こり店内の食用油の棚が空っぽになってしまいました。

一方で、この政府補助金は食用油を生産する加工業者に対して補助されたことにより、小規模店舗など伝統的市場に対しては高い価格で仕入れした食用油の在庫については補填されないようで、大手と違いすぐに政府指定価格まで値段を下げることができず全く食用油が売れない状況になっているようです。

インドネシアは世界最大のパーム油生産国で、供給が常に豊富であることを考えると、国内食用油の上昇は皮肉なことです。インドネシア政府も輸出するよりも国内向けを優先して供給するようにと生産者に促しています。

パーム油の供給が安定するまで、食用油の混乱はもうしばらく続きそうです。

 

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