ラマダン明け直前!異例の大型連休で見えたインドネシアの消費エネルギー
2026年3月、インドネシアは特別な1週間に入りました。
3月18日から24日までの「断食明け休暇(レバラン休暇)」に加え、バリ島のヒンドゥー教行事「ニュピ(静寂の日)」が重なり、例年にない大型連休となったのです。
実際のレバラン(イドゥル・フィトリ)は3月21日。
しかしその“前から”すでに人々の動きはピークを迎えていました。
私はマカッサルのモールを訪れ、その光景に思わずこう感じました。
「これは、もう正月以上だな…」
とにかく人、人、人。モールは“戦場”だった
モールに一歩足を踏み入れた瞬間、空気が違います。
普段の週末でも人は多いマカッサルですが、この日は明らかに異常。
エスカレーター、通路、レジ前、すべてが人で埋まっていました。

特に目立ったのが「家族単位」の買い物です。
・母親と娘で服を選ぶ
・父親がまとめて支払い
・子どもは新しい靴を履いてはしゃぐ
まさに“レバラン前の準備”そのものです。
インドネシアでは、レバランに新しい服を着る文化があります。
つまりこの時期のショッピングは単なる消費ではなく、
「祝祭に向けた儀式」
なのです。
SALEの力がすごい!価格ではなく“空気”で売れている

モールの至るところに掲げられた「SALE」の文字。
30%、50%、中には70%オフの表示もあります。
しかし正直に言うと、
すべてが本当に安いとは限りません。
それでも人は買う。

なぜか。
それは
「今買わないといけない」という空気があるから
です。
長くインドネシアに住んで感じるのは、
この国の消費は“合理”よりも“感情”で動いているということ。
・家族と過ごすため
・見栄えを整えるため
・親戚に恥をかかないため
こうした理由が、財布の紐を一気に緩めます。
モールの中心に広がる“市場”のような空間

モール中央の吹き抜けエリアには、まるで市場のように無数のブースが並び、
衣料品、ヒジャブ、子ども服、バッグなどが所狭しと並んでいました。
これはいわゆる
「ラマダン・バザール」
です。
通常のテナントだけではなく、
期間限定の出店が一気に増えることで、
モール全体が“巨大な市場”へと変化していました。
この光景を見て思ったのは、
「インドネシアでは“近代的なモール”と“伝統的な市場”が共存している」
ということです。
ニュピとの“異文化融合”が生んだ特別な1週間
今回の連休が特別だった理由は、
イスラム教のレバランと、ヒンドゥー教のニュピが重なったことです。
ニュピは、バリ島で外出や活動が制限される「静寂の日」。
一方で、ジャワやスラウェシでは
その前後に人の移動と消費が爆発します。
つまり
「静」と「動」が同時に存在する1週間だったのです。
なぜここまで消費が爆発するのか
この現象は偶然ではありません。
インドネシアには、明確な仕組みがあります。
それが
THR(宗教手当)
です。
ラマダン前後に支給されるボーナスで、
多くの人にとっては“1年で最も大きな現金流入”。
これが
・衣服
・食品
・帰省費用
に一気に使われます。
つまり
制度として消費が設計されている
のです。
「正月以上のイベント」
日本で言えば、お正月が最大の消費イベントです。
しかしインドネシアでは、間違いなく
レバランが“それ以上”
です。
・帰省(ムディック)
・新しい服
・家族との再会
・大量の食事
これらすべてが同時に起きる。
さらにそこに今回のような
大型連休が重なると、
経済の“爆発点”になると感じました。
現場にいると、単なる「人の多さ」ではなく、
もっと根本的なエネルギーを感じます。
・人々の表情が明るい
・買い物が“楽しみ”になっている
・子どもたちが新しい服を誇らしげに見せる
これは消費というより “祝祭そのもの”です。
まとめ
今回のマカッサルのモールは、
まさにインドネシア社会の縮図でした。
・宗教
・文化
・経済
・家族
すべてが交差し、
一気にエネルギーとして噴き出す。
この光景を見て改めて思ったのは、「インドネシアの経済は“人の感情”で動いている」
ということです。
そこには、数字では測れない
“リアルな経済”が存在しています。