帰国は一気に特別に。AL720ビジネスクラスで、日本がぐっと近づいた日
もう着いた?と思ってしまった帰国便でした
ジャカルタから成田までの距離は、決して短くありません。
数字だけを見れば、しっかりとした中距離フライトです。
それでも今回の帰国は、体感として驚くほど短く感じられました。
気づけば降下に入り、日本の輪郭が窓の外に現れている。
「もう日本なのか」
そんな感覚が、自然と口に出そうになるほどでした。
理由は一つではありません。
座席、機材、サービス、そして空の流れ。
それぞれが噛み合い、時間そのものが圧縮されたように感じるフライトだったのです。
今回は、JAL720便、ビジネスクラスの1A。
ジャカルタから成田までの“帰国編・後半”を振り返ります。
B787-9、搭乗前から予感
搭乗前、窓越しに見えた機体はB787-9。
しかもワンワールド塗装という、少し特別な姿でした。
787は、見慣れていてもなお美しい機体です。
胴体のライン、翼のしなり、静かに待機する佇まい。
それを眺めていると、不思議と安心感が生まれます。
「今日は良いフライトになる」
根拠はありませんが、そう思わせてくれる空気がありました。
1Aという座席が、移動の質を変えた
機内に入り、1Aに座った瞬間、
まず感じたのは視界の抜けでした。
最前列というだけで、前に誰もいない。
足元も、視界も、気持ちも、すっと開けます。
ビジネスクラスは楽をする場所だと思われがちですが、
実際に座ってみると、それ以上に
「時間を消費しないための空間」
だと感じます。
身体に余計な緊張がかからず、
姿勢を意識する必要もなく、
周囲の動きに気を取られることもない。
結果として、頭が自然に休まり、
時間が滑らかに流れ始めます。
離陸後すぐに分かる、787の静けさと安定感

離陸して高度を上げていく間も、機内は驚くほど静かでした。
787特有のエンジン音の低さもあり、
「いま上昇している」という感覚がとても穏やかです。
揺れも少なく、機体は終始安定しています。
この時点で、
「今日は、最後まで楽なフライトになるな」
と確信しました。

洋食、帰国便にちょうどいい距離感
機内食は洋食を選びました。
派手さはありませんが、見た目も整っており、安心感のある内容です。

赤ワインを合わせると、
帰国便らしい、落ち着いた時間が流れ始めます。
重すぎず、軽すぎず、
「今の自分には、これがちょうどいい」

そう思えるバランスでした。
食後も胃に負担が残らず、
そのまま自然にリラックスした時間へ移行できます。
何もしない時間が、いちばん贅沢でした
食事を終えたあとの機内は、さらに静かになります。
映画を少し眺め、
音楽を少し聴き、
あとはただ、何もしない時間を過ごしました。
ビジネスクラスの良さは、
「何かをするための空間」ではなく、
「何もしなくていい空間」である点にあります。
気づけば、眠った感覚はないのに、
頭と身体がきれいに整っていました。

高度と速度が示す、異次元の移動感覚
しばらくして、フライト情報を何気なく眺めました。
高度は巡航域に入り、
速度表示も、いつも以上に伸びています。

特に印象的だったのは、沖縄を過ぎたあたりからです。
機体が明らかに“押されている”ような感覚があり、
偏西風にしっかりと乗っていることが、身体でも分かりました。
数字としての速度だけでなく、
移動そのものが、滑らかに、そして速く進んでいく感覚。
「これは、かなり早く着きそうだな」
そう思わせるには十分でした。
本当に“時間が縮んだ”と感じた瞬間
その後、機内アナウンスが入り、
降下に入ることが告げられました。
その瞬間、正直に思ったことはこうです。
「もう?」
時計を見れば、確かに時間は経っています。
それでも体感としては、
まだ半分も飛んでいない
そんな感覚でした。
快適だった、という言葉だけでは足りません。
このフライトでは、
時間の流れそのものが書き換えられていた
そう感じます。
移動しているはずなのに、
移動している感覚がない。
距離を飛んでいるのに、
疲労が蓄積していない。
これこそが、今回のフライトで最も印象に残った点でした。

窓の外に現れる、日本の輪郭
雲の切れ間から、
見慣れた日本の地形と雪をかぶった富士山が見え始めます。

この瞬間、
「ああ、帰ってきたな」
という実感が、静かに湧いてきました。
ジャカルタを出たのが、ついさっきのように感じられるのに、
もう日本の上空にいる。
このギャップが、不思議で、そして心地よいものでした。

到着まで、最後までスムーズでした

着陸後も、機内の雰囲気は落ち着いたままです。
慌ただしさはなく、
自然に、フライトが終わっていきます。

機内を降り、入国し、荷物を受け取るまで、
「止まった」という感覚がほとんどありませんでした。
帰国便で、ここまで流れが途切れないのは、
実はかなり珍しいことだと思います。

距離ではなく、時間を縮めるフライト
今回のJAL720便は、
単に快適だった、という言葉では表しきれません。
座席が身体の負担を減らし、
サービスが思考を休ませ、
機材と風が物理的に距離を縮める。
その結果、
6時間以上の移動が「一瞬」に感じられる
そんなフライトになりました。
帰国は疲れるもの。
そう思っていた自分の認識が、
今回、少し書き換えられた気がします。
偏西風に乗ったB787-9を、1Aで受け止める。
この組み合わせは、距離ではなく“時間”を縮める装置でした。