スマラン旧市街の名物食堂で味わうレトロなジャワ料理を堪能!

Indonesia Travel

中部ジャワの港町・ジェパラへ向かう途中、スマランで立ち寄ったのは、旧市街の一角にある素朴なレストラン「Sego Bancakan」。スマランに着いてすぐ移動…ではもったいない。その土地の空気を肌で感じ、その地に根付いた味をひと皿でも味わっておきたい。そう思って向かった先で出会ったのは、どこか懐かしく、そして温かく迎え入れてくれる“小さな台所”でした。

石畳にレトロな建物が並ぶスマラン旧市街

レストランがあるのは、スマランの旧市街「Kota Lama(コタ・ラマ)」。オランダ統治時代の面影を今に残すこのエリアには、白壁の古い建物や石畳の道、赤い屋根瓦の倉庫などが並び、どこを切り取っても絵になる風景が続いています。観光地というより、時間がゆっくりと流れている“空間”そのものといった印象で、観光客も地元の人も、歩くペースが自然とゆっくりになります。

レストランがあるのは、オランダ植民地時代の面影を色濃く残すスマラン旧市街。石畳の細い道に沿って、クラシカルな洋館風の建物や古い倉庫が並び、まるで時間が少し止まったかのような不思議な空気が漂っています。

その中にひっそりと佇むのが「Sego Bancakan Pawonesimbah」。名前の「Sego Bancakan」は「大皿で分け合うごはん」、「Pawone Simbah」は「おばあちゃんの台所」という意味。つまり、「祖母の台所でみんなが囲むような素朴なジャワ料理」をテーマにしたレストランです。

レトロと遊び心が同居する空間

木材をふんだんに使った店構えは、田舎の民家を思わせるどこか懐かしい佇まい。店内に足を踏み入れると、ノスタルジックな空間が広がっていました。

アンティークの扇風機、ブリキの看板、ホーローの鍋、古いテレビ…どれもインドネシアの昭和の時代を感じさせるもので、まるで小さな博物館のような雰囲気です。テーブルやイスも使い込まれた木製で、どこかほっとする温もりがあります。

昔懐かしい駄菓子コーナー

店内の一角では、昔懐かしい駄菓子やローカルスナックも販売されています。ガラス瓶に詰められたキャンディやチップス、紙箱に入ったココナッツクッキーなど、思わず手に取りたくなるような品が並び、大人も子どもも楽しめる雰囲気です。どこかテーマパークのようでもあり、まさに「食べて・見て・楽しめる」空間でした。

瓶に詰められた色とりどりの飴玉、素朴な紙包装のクラッカー、ウビチップス、タマリンドキャンディなど、見ているだけで楽しくなります。食事の前後に子どもが嬉しそうに選んでいる姿は、微笑ましく、まさに“家族で訪れる店”としての魅力を感じさせてくれます。

ビュッフェ形式で楽しむ“ジャワのおふくろの味”

料理はカウンターにずらりと並ぶビュッフェ式。大皿から自分の好きな料理を選び、小ぶりのブリキの皿に盛りつけていくスタイルです。どれも素朴ながら味わい深く、まさに“おばあちゃんの台所”という名にふさわしいラインナップが並びます。

この日は、いろいろな味を少しずつ楽しみたかったので、以下のような品々をブリキの皿に少量ずつ盛りつけました。

表面がカリッと揚げられたテンペは、ほんのり塩気のあるシンプルな味つけ。軽い歯応えが心地よく、ご飯が進みます。コクのあるスパイスが染み込んだルンダン(牛肉の煮込み)は、しっとりと柔らかく、濃厚ながらしつこくない仕上がり。

ふっくら揚げた豆腐は外は香ばしく、中はふんわり。ピーナッツソースを少しつけるとまた違った味わいに。

湯通しされた野菜にココナッツ風味の和え衣が絡んだウラップは、ヘルシーかつジャワらしい香りがたまりません。

そして忘れてはならないのがミーゴレン(焼きそば)。甘辛いソースに絡んだ麺は、どこか懐かしくて安心感があります。

どれも主張が強すぎず、味のバランスが絶妙。食べるごとに心と体が整っていくような、滋味深い昼食でした。

料理の美味しさはもちろんですが、このお店の一番の魅力は、空間全体が醸し出す“安心感”にあるのかもしれません。ジャカルタやマカッサルのような都市では得られない、ゆったりとした時の流れ。レトロな内装や自然の光が差し込む席で、温かい料理を口にすると、不思議と肩の力が抜けていきます。

ここは観光地というより、旅の途中に“暮らし”を感じられる場所。スマランの街で一食をとるだけで、インドネシアの文化、台所、家族のあり方に少しだけ触れたような、そんな気持ちになりました。

店舗情報

店名:Sego Bancakan

 

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