ハラール義務化、開始2日前に延期。「やっぱり」と思ってしまうインドネシア暮らし
本来なら、今日10月18日から、インドネシアで輸入食品などのハラール認証が義務化されるはずでした。
ところが、政府が延期を発表したのは、おとといの16日の夜です。開始のわずか2日前でした。
ニュースを見て最初に思ったのは、「やっぱり延期になったか」でした。驚きはあまりありません。この国で5年ほど商売をしていると、期限の直前に予定が変わることには、だんだん慣れてきます。
それでも、今回は少し考えさせられました。
何が変わったのか
インドネシアの経済担当調整省が、10月16日に公式声明を出しています。
海外から入ってくる食品や飲料などについて、ハラール認証の義務化の開始を、2028年10月18日に延期するという内容です。国内の小規模事業者の食品や、化粧品、医薬品の一部なども、あわせて移行期間が延長されました。
もう一つ大きいのが、輸入品の追加検証制度をやめる方針を示したことです。
これは、すでに認証を取っている製品でも、出荷のたびに輸出国側で確認を受け、報告書を付けて輸入するという仕組みでした。製品の認証とは別に、船積みごとに手続きが増えるわけです。これが新しく始まる予定でしたが、今回、根拠となる規則を撤廃する方針が示されました。
延期の理由について、政府は事業者や認証機関の準備がまだ整っていないこと、業界団体からの声、外国のハラール認証を相互に認め合う体制づくりなどを挙げています。
なお、今回確認した政府声明には、改正政令の番号や公布日は記載されていません。具体的な運用については、正式な法令や関係当局の案内も確認する必要があります。
延期で助かる会社は、確かにあります
日本からインドネシアへ食品を輸出している会社にとって、準備期間が2年延びる意味は大きいと思います。出荷ごとの追加検証がなくなるのも、手間と費用の面でありがたい話です。
制度が整わないまま始まって、輸出入の手続きや現場に混乱が生じるくらいなら、延期した方がいい。そこは私も理解しています。
それでも、肩透かしだったと思います
当社はインドネシアの会社で、ハラール認証はすでに取得しています。今回の延期で、当社の対応が大きく変わることはありません。
ただ、期限に合わせて準備してきた日本企業にとっては、肩透かしだったのではないかと思います。
「10月18日から必要になります」と言われれば、それに間に合うように動きます。認証を取り、原料を確認し、書類をそろえ、現地の取引先と打ち合わせをする。何か月もかけて準備してきた担当者もいるでしょう。
そこへ、開始2日前に「2年延期します」という発表です。
まだ準備が終わっていなかった会社は、ほっとしたでしょう。一方で、期限に合わせてきちんと対応してきた会社ほど、「それなら、もっと早く言ってほしかった」と感じたと思います。
私も認証を取る側の苦労は知っています。だから、その気持ちはよく分かります。
「どうせ延期だろう」では、商売はできません
実は、この義務化は以前にも一度先送りされています。今回で、また延びたことになります。
それなら、次も延期を見込んでおけばいいのか。そう考える人もいるかもしれません。でも、実際の商売ではそうはいきません。
延期を当てにして準備をやめ、もし予定どおりに始まったら、困るのは自分の会社です。商品が止まれば、取引先にも迷惑がかかります。
だから、決まった期限に合わせて準備はする。そのうえで、直前に変わることもあると頭のどこかに置いておく。インドネシアで仕事をするには、この両方が必要なのだと思います。
早めに準備したことが、無駄になるわけではありません。現時点では、2年後に義務化される予定ですし、認証があれば取引先への説明もしやすくなります。それでも、気持ちの上では割り切れないものが残ります。
延期よりも、知らせるタイミング
状況を見て制度を見直すのは、必要なことだと思います。無理に始めて混乱するより、延期した方がいい場面もあるでしょう。
ただ、準備する側にも都合があります。手続きが必要なら進めますし、時間がかかるなら早めに動きます。だからこそ、変更はもう少し早く知らせてほしいのです。
今回のニュースには、「延期になってよかった」という気持ちと、「もう少し早く言ってほしかった」という気持ちが、両方入っています。
インドネシアで暮らして5年。延期には驚かなくなりました。それでも、本来の開始日である今日、この「2日前」の発表を思い返すと、やはり少し引っかかりが残ります。
参考
・経済担当調整省 公式発表(2026年10月16日)
・Katadata(10月16日)
・detikFinance(10月17日)
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