先日、バンドンからジャカルタへ戻るとき、高速鉄道WHOOSH(ウーシュ)に乗りました。平日の昼間の便です。車内は驚くほど空いていて、私の車両には10人も乗っていませんでした。
その後、WHOOSHの建設資金の返済期間を80年に延ばすというニュースを読みました。あの空いた車内を思い出しながら、お金の話を少し考えてみました。
今回は、バンドン駅からパダララン駅までフィーダー列車に乗り、そこでWHOOSHに乗り換えました。
この日のフィーダー列車は4両編成でした。それでも車内はガラガラで、好きな席に座れました。
乗り換えても、様子は変わりません。私の車両には10人もいませんでした。こちらは8両編成です。4両のフィーダー列車が空いていた時点で、この便も空いているだろうと、なんとなく想像はついていました。
私が乗り込んだ車両には、すでに座っている人もほとんどいませんでした。少なくともこの車両では、パダラランから乗った人が中心のように見えました。
車内はきれいで、走りも速い。乗っている間は快適でした。
ただ、値段は高めです。私が利用したときは、エコノミーで35万ルピアほど。私にはちょっと高いと感じました。
それに、高速鉄道だけで移動が完結するわけではありません。バンドン側ではフィーダー列車、ジャカルタ側ではLRTやタクシーなど、前後の移動が必要になります。
高速鉄道に乗っている時間は短くても、出発地から目的地までの移動には、乗り換えや待ち時間が加わります。料金も、切符代だけで済むとは限りません。
速さは魅力ですが、料金と乗り継ぎを考えると、毎回WHOOSHを選ぶかは少し迷います。
返済80年のニュースを読んでからは、あの人数で運行費をどこまでまかなえるのだろう、ということも気になりました。
「中国、債務返済を80年に延長か」という記事を読みました。WHOOSHの建設で中国側から借りたお金の返済期間が、40年から最大80年に延びるという内容です。
気になったので、インドネシアの新聞でも確かめてみました。9月8日付のMedia Indonesiaは、プルバヤ財務大臣の話として、債務を組み直して返済期間を80年にし、年間の返済額は約1兆ルピアか、それを少し下回る程度になると伝えています。9月11日付のTirtoは、中国国家開発銀行からの融資期間が40年から80年に延びたと書いています。
記事の見出しには「利息を減免の見通し」ともありました。ただ、私が読んだ現地の記事では、金利がいくらになるのか、利息がどれだけ免除されるのかまでは確認できませんでした。この部分は、正式な条件が出るのを待ちたいと思います。
元本を均等に返す単純な計算なら、返済期間を40年から80年に延ばすことで、年間の元本返済額は半分になります。ただし、実際の支払額は、金利や据え置き期間、返済方法によって変わります。
ただ、返済期間を延ばすこと自体で、乗客や運賃収入が増えるわけではありません。
それに、金利がそのままなら、借金を長く抱える分だけ、払う利息の合計はむしろ増えるかもしれません。住宅ローンを20年で組むか35年で組むかと同じです。毎月の支払いは楽になっても、最後に払う総額は大きくなります。
ですから、私が知りたいのは「毎年いくら払うか」だけではありません。新しい金利は何%なのか。80年間で合計いくら払うことになるのか。そこが分からないと、今回の変更で本当に負担が軽くなったのかどうか、判断できません。
もう一つ気になるのが、鉄道そのものの寿命です。
車両も線路も設備も、80年間そのまま使えるわけではありません。毎日の保守に加えて、何十年か経てば車両の入れ替えや設備の更新が必要になります。
80年かけて返すということは、建設費を返している途中で、車両の買い替えにもお金が必要になるということです。
Tirtoも、借金を返し終える前に設備のほうが古くなってしまう点を問題にしていました。
返済を長くすれば、今年や来年の負担は軽くなります。でも、将来かかる費用まで消えるわけではありません。
とはいえ、私が乗ったのは平日の昼間の1便だけです。週末や朝夕の便なら、また違う光景があるかもしれません。
フィーダー列車もWHOOSHも空いていたのは事実です。でも、それだけで事業全体の採算を語ることはできません。
気になるのは、日々の運行費、借金の返済、将来の更新費を、誰がどこまで負担するのかということです。運賃収入で足りない分を、運営会社や株主が負担するのか、それとも政府が支えるのか。
WHOOSHは、また乗りたいと思える便利な鉄道です。だからこそ、長く走らせるためのお金の話が気になります。
参考: