海外で暮らしていると、一時帰国のときに日本でまとめて買い物をする方も多いと思います。家電やカメラ、衣類、日本でしか手に入らない日用品。私もマカッサルに戻る前は、スーツケースの空きをどう使うか、毎回考えます。
その一時帰国の買い物に関係する、日本の消費税免税制度が、2026年11月1日から変わります。
海外に住む日本人向けのお知らせを読んでみたのですが、「リファンド方式」「国外転出者向け個人番号カード」「国外転出予定日(国外定住日)」と、慣れない言葉が続き、一度ではよく分かりませんでした。そこで、一時帰国する立場で、何が変わるのかを整理してみました。
免税で買い物ができるのは、外国人観光客だけではありません。
日本国籍を持っていても、海外に引き続き2年以上住んでいる非居住者で、一時帰国後6か月未満などの条件を満たす人は、免税で買い物ができます。お店ではパスポートと、海外に住んでいることを証明する書類を見せます。
対象になるのは、自分で海外へ持ち帰るものです。たとえば、一時帰国中に自分用のiPhoneやパソコン、カメラを買い、住んでいる国で使う場合です。
反対に、日本にいる家族に渡して置いていくものや、滞在中に食べてしまった食品など、出国時に持ち出せないものは対象になりません。転売するための仕入れにも使えません。
同じお店で、同じ日に、税抜5,000円以上買うことが条件です。
今回いちばん大きく変わるのは、お金の払い方です。
これまでは、お店で消費税を除いた金額を払っていました。11月1日からは、いったん税込みの金額を払います。そして日本を出国するとき、空港などで「この商品を国外へ持ち出します」という確認を受けます。その確認が済んだあとで、お店などから消費税分が返金されます。
税抜15万円のiPhoneで考えると、次のようになります。
気をつけたいのは、買うときにお店で免税購入の手続きをしておく必要があることです。普通に買ったレシートを空港で見せても、返金にはなりません。返金の時期や方法、手数料もお店によって違い、出国時にその場で戻ってくるとは限りません。買う前に確認しておくと安心です。
また、同じ購入手続きでまとめて買った商品のうち、一つでも出国時に持ち出せないと、その購入分全体が返金の対象になりません。海外へ持ち帰るものと、日本で食べたり、日本に置いていったりするものは、会計を分けておくとよさそうです。
もう一つ、商品をスーツケースに入れて預ける場合は、荷物を預ける前に確認を受ける必要があります。空港に着いたら、まず免税の持ち出し確認を済ませ、その後に荷物を預けます。
一方で、海外に住んでいることを証明する書類は使いやすくなります。
これまで使えたのは、次の二つでした。
11月からは、ここに「国外転出者向けのマイナンバーカード」が加わります。日本から転出の手続きをして海外に住所を移した人が持つマイナンバーカードで、スマートフォンに入れたマイナンバーカードも使えます。
有効期限内のカードに必要な国外転出の情報が記載され、海外居住期間などの条件を満たしていれば、在留証明や戸籍の附票を別途用意する必要がなくなります。証明書を取り寄せる手間が、一つ減ります。
また、免税購入のための証明書には、本籍の記載自体が不要になります。これまで必要だった地番まで確認する手間もなくなります。
もう一つ、「海外に引き続き2年以上住んでいるか」の数え方が変わります。
これまでは、証明書を発行した日の時点で2年以上かどうかを見ていました。11月からは、海外に住み始めた日から、今回日本に帰国した日(パスポートの帰国スタンプの日付)までの期間で判断されます。
たとえば、
この場合、証明書を取った時点ではまだ2年に届いていません。でも、帰国した時点では2年を超えているので、条件を満たします。
海外生活が2年前後の方は、これで使えるようになるケースがあるかもしれません。
変わらないことも、二つあります。
一つ目は、在留証明や戸籍の附票の写しは、今回の帰国日から数えて6か月前以降に作られたものでなければいけないことです。古い証明書は使えません。
二つ目は、空港の自動化ゲートで入国すると、パスポートに帰国のスタンプが押されず、免税を受けられない場合があることです。一時帰国中に免税で買い物をする予定があるなら、入国時に係員に申し出て、スタンプを押してもらってください。
日本での免税とは別に、持ち帰る国の税金にも注意が必要です。
インドネシアでは、海外で購入し、国内に持ち込む個人用の品について、原則として1人1回の入国につき500米ドルの免税枠があります。それを超える部分には関税や輸入税がかかります。
スマートフォンにも注意が必要です。海外で買ったスマートフォンをインドネシアの現地SIMやeSIMで普通に使うには、原則としてIMEIの登録が必要です。一方、日本の回線を国際ローミングで使う場合は、税関でのIMEI登録はいりません。
国によってルールは違いますが、日本で消費税が戻っても、入国時に税金を払えば思ったほど得にならないこともあります。高い物を買うときは、住んでいる国の持ち込みルールも合わせて確認しておきたいところです。
国外転出者向けマイナンバーカードが使える人は、証明書の準備が楽になります。一方、支払いはいったん税込みで、出国時には空港での手続が必要です。
年末年始に一時帰国を予定している方は、帰国前に証明書を確認し、買い物の際にはお店の免税対応と返金方法を確かめてください。
詳しくは、観光庁や国税庁のホームページ、または免税制度の相談窓口で確認してください。
参考
・観光庁:新しい免税制度の旅行者向け案内
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/page01_000001_00021.html
・観光庁:日本国籍の対象者を確認する書類について(PDF)
https://www.mlit.go.jp/kankocho/tax-free/content/001977888.pdf
・インドネシア税関:旅行者の携帯品・免税枠
https://www.beacukai.go.id/barang-penumpang
・インドネシア税関:IMEI登録に関するFAQ
https://www.beacukai.go.id/faq-impor-registrasi-imei