バンドンでの滞在は短く、用事を済ませたらまた移動する予定でした。
それでも、スンダ料理だけは食べて帰りたい。せっかくバンドンまで来たのですから。
マカッサルではスラウェシの料理をよく食べていますが、スンダ料理はまた違います。生野菜とサンバルを添えて、おかずと白いご飯を食べる。バンドンに来ると、あれが食べたくなります。
遠くまで行く時間はないので、駅の近くで店を探しました。
入ったのは、Kebon Kawung通りにある「Warung Nasi Ampera(ワルン・ナシ・アンペラ)」です。バンドン駅から歩いてすぐのところにあります。
赤い丸に「a」の看板が目印。外から見ると、ごく普通の食堂です。
入口には「wilujeng sumping」と書かれた木の看板がありました。スンダ語で「ようこそ」という意味だそうです。店に入る前から、スンダ料理を食べに来た気分になりました。
中に入ると、長いカウンターに料理が並んでいました。
バナナの葉を敷いた器に、魚や鶏肉の揚げ物、豆腐、テンペ、トウモロコシのかき揚げなど。奥まで続いていて、全部を見るだけでも時間がかかりそうです。
器は素焼きの壺のような台に載っています。後ろには白と黒の模様のタイル。料理を眺めているうちに、「そうそう、こういう店に入りたかった」と思いました。
注文は簡単です。カウンターで食べたい料理を指さして伝えると、店員さんが取って、温めてから出してくれます。温かい状態で食べられるのは、ありがたかったです。
並んでいる料理を見ながら選べるので、つい取りすぎそうになります。
私が選んだのは、ベベック(アヒル)、テンペの甘辛煮、黄色い豆腐、トウモロコシのかき揚げ、それにもう一品の揚げ物。ご飯は店のロゴが入った紙に包まれていました。
料理の名前が分からなくても、指さしで注文できるのは助かります。
何品か選んだ中で、いちばんおいしかったのはベベックでした。
アヒルの上には、茶色いそぼろのようなものがたっぷりかかっています。これが香ばしく、ご飯に合う。肉は鶏肉より歯ごたえがあり、噛んでいると味が出てきます。
サンバルを少しつけて、ご飯と一緒に食べると、またおいしい。
選んだときは、ここまで気に入るとは思っていませんでした。最初の一口で、この店に入ってよかったと思いました。
店の奥には、野菜とサンバルのコーナーがあります。
レタス、キャベツ、キュウリなどの野菜を、自分で好きなだけ取れます。スンダ料理でいう「ララパン」です。小さく切ったライムも置いてありました。
サンバルは石の器に三種類。色も粗さも違っていて、どれを取ろうか迷います。
温かいお茶も無料で出てきました。私は冷たいお茶を別に頼んだのですが、食べている途中で飲む温かいお茶もよかったです。
おかずを選び、野菜とサンバルを取りに行き、ご飯と一緒に食べる。急いで食べるつもりが、料理を選ぶ時間まで楽しんでいました。
店内は明るく、テーブル席がたくさんあります。私が行ったときは、制服姿の女性たちや家族連れでにぎわっていました。
奥ではギターを弾いている人もいました。入口には「LIVE MUSIC」と書かれたチップ箱があります。駅前の店ですが、地元の人が普段から食べに来ている店という感じでした。
移動の合間に寄っただけの一軒でした。それでも、料理を見て選び、ベベックを食べ、野菜とサンバルを取りに行くうちに、思いのほか食事を楽しんでいました。
バンドンで過ごした時間は短かったけれど、あのベベックの味はしばらく忘れないと思います。
バンドン駅を使う機会があれば、少し時間をつくって立ち寄ってみてください。
Warung Nasi Ampera(Kebon Kawung店)
住所:Jl. Kebon Kawung No.28, Bandung
バンドン駅から近く