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WHOOSHは本当に成功なのか?利用者は増えても、債務20兆ルピアが突きつける現実

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開業以来、多くの利用者を集めるインドネシア高速鉄道「WHOOSH(ウーシュ)」。しかし、その運営を支えるインドネシア側出資会社の債務は20兆ルピアを超え、赤字も拡大しています。「失敗だった」と切り捨てるのは早計ですが、「成功だ」と言い切るのも難しいのが現実です。利用者は増えているのに、なぜ財務は厳しいのか。現地で暮らす視点から、その光と影を考えます。

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「WHOOSHは失敗だった」は本当か

日本では、インドネシアの高速鉄道WHOOSHについて、

「中国に騙された」
「債務の罠だ」
「結局は失敗だった」

という声を目にすることがあります。

確かに、建設費は当初計画を大きく上回り、今も巨額の借入金を抱えています。

しかし、実際にインドネシアで生活していると、少し違う景色が見えてきます。

休日には満席になる便も珍しくなく、ジャカルタとバンドンを結ぶ交通手段として、WHOOSHは着実に市民生活に定着しつつあります。

ただ、利用者の評価と経営の評価は別の話です。

今回、その財務状況について気になるニュースが報じられました。

債務20兆ルピア──数字が示す現実

WHOOSHを運営するKCICには、中国企業だけでなくインドネシア側も出資しています。

そのインドネシア側出資会社の中核となる国営企業連合PSBI(Pilar Sinergi BUMN Indonesia)の2025年末時点の債務は、

20兆1,100億ルピア(約1,800億円)

となり、前年から約19%増加しました。

また、最終損失も約5兆ルピアに拡大しています。

PSBIには、インドネシア国鉄KAIや国営建設会社WIKAなどが出資しており、この赤字が各社の業績にも影響を与えています。

利用者は増えている。それでも赤字になる理由

ここで興味深いのは、

WHOOSHの利用者数そのものは決して低迷していない

という点です。

開業以来、利用者数は着実に増え、休日や連休には満席になる列車も少なくありません。

それでも財務状況が改善しない理由は、高速鉄道という事業の構造にあります。

WHOOSHの総事業費は約72億ドル(約1兆円超)。

その約75%は中国国家開発銀行(CDB)からの融資によって賄われています。

つまり、開業後も長期間にわたり、多額の利息や元本返済を続けなければなりません。

利用者が増えたからといって、短期間で建設費を回収できるような事業ではないのです。

これはWHOOSHだけの問題ではありません。

日本でもすべての新幹線が黒字というわけではなく、中国でも多くの高速鉄道路線が政府支援を受けています。

高速鉄道とは、「利用者が多ければすぐ黒字になる」という単純なビジネスではないのです。

政府が選んだのは「放棄」ではなく「債務再編」

今回の報道では、

「インドネシア政府が国費を投入する」

という表現も見られました。

しかし、その後の政府説明では内容が少し修正されています。

現在検討されているのは、国家予算(APBN)を直接投入するのではなく、政府系投資ファンドDanantaraなどを活用した債務再編です。

さらに、中国側とも返済条件の見直しについて協議が続いています。

つまり政府は、

WHOOSHを失敗事業として放棄するのではなく、財務体質を改善しながら長期的な運営を目指す

という判断をしたことになります。

「交通インフラ」と「事業」は別の物差しで見るべき

私がWHOOSHを「成功か失敗か」という二択だけで語ることに違和感を覚えるのは、この二つはまったく別の話だからです。

交通インフラとして見れば、WHOOSHはジャカルタとバンドンの移動時間を約40分まで短縮し、人々の移動を大きく変えました。

これは間違いなく成果と言えるでしょう。

一方で、事業として見れば、巨額の建設費と借入金を抱え、採算化までにはまだ長い時間が必要です。

つまり、

交通インフラとしては成功しつつある。

しかし、

事業としては、まだ厳しい経営課題を抱えている。

この二つは矛盾する話ではありません。

それでも私がWHOOSHに注目し続ける理由

プラボウォ政権は現在、WHOOSHをスラバヤまで延伸する構想も掲げています。

実現すれば利用者はさらに増えるでしょう。

一方で、建設費もさらに膨らみます。

沿線開発は進むのか。

財務再編は成功するのか。

中国との債務交渉はどう決着するのか。

インドネシアで暮らしていると、これらは「海外ニュース」ではありません。

この国の将来を左右する重要なテーマとして感じています。

まとめ

日本ではWHOOSHについて、「成功だった」「失敗だった」という議論になりがちです。

しかし、現地で暮らしていると、そのどちらか一方だけでは語れないことが分かります。

WHOOSHは確かに人々の移動を変えました。

その一方で、巨額の債務という重い課題も抱えています。

この二つの現実を同時に見ることが、インドネシアという国を理解する上で大切なのではないでしょうか。

数十年後に振り返ったとき、WHOOSHがインドネシアの経済発展を支えた象徴となるのか、それとも大きな財政負担として語られるのか。

その答えは、まだ誰にも分かりません。

だからこそ、私はこのプロジェクトをこれからも見続けていきたいと思います。

※こちらの記事もご覧ください

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kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。