先日、インドネシア政府が年末年始の国内線航空券にかかる付加価値税(PPN)を全額負担する、というニュースを目にしました。
マカッサルに住んでいると、ジャカルタへ行くにも、日本へ帰るにも、まず飛行機に乗ることになります。航空券の値段はいつも気になっているので、「これは助かる」と思いました。
ただ、最近の航空券は高いです。税金の分が引かれても、どこまで安くなるのだろう、と思いました。
今回の措置は、財務大臣規定(PMK)2026年第77号にもとづくものです。
対象になるのは、国内線のエコノミークラスです。国際線は対象外です。2026年10月20日から2027年1月10日までに購入し、2026年12月22日から2027年1月10日までに搭乗する航空券が対象になります。
政府が負担するのは、基本運賃と燃油サーチャージにかかるPPNの全額です。追加手荷物や座席指定など、オプションにかかるPPNは対象外です。
なお、今から購入できても、10月や11月に乗る便は対象になりません。
日本語のニュースでは「VAT免除」と紹介されていることもありますが、正確には、本来かかる税金を政府が代わりに負担する仕組みです。インドネシアでは「PPN DTP(Ditanggung Pemerintah)」と呼ばれています。
「PPNを全額負担」と聞くと、かなり安くなりそうに感じます。ただ、支払総額が何割も下がるという話ではありません。
現地の記事に、具体的な計算例が載っていました。通常なら総額113万6,756ルピアの航空券が、PPN分の10万276ルピアを政府が負担することで、103万6,480ルピアになるそうです。値下げ率にすると、約8.8%です。
空港使用料などは残るので、全体で見ると1割弱安くなる、というくらいの感覚でしょうか。同じような料金構成なら、200万ルピアの航空券で約18万ルピア、300万ルピアの航空券で約26万ルピアほど軽くなる計算です。
一人分だと「少し安くなったかな」という程度かもしれません。でも、家族4人で往復すれば、4人分の往復運賃に差が出ます。帰省する家族にとっては、小さくない金額だと思います。
政府は今回の措置について、年末年始の購買力を保ち、経済を動かすことを目的に挙げています。
帰省や旅行に出かければ、現地で食事をしたり、買い物をしたりします。航空券が高すぎて移動をあきらめる人が増えると、行き先のお店やホテルにも影響が出るでしょう。
インドネシアは島の国です。日本のように新幹線や高速バスで移動できる区間は限られていて、島から島へ移るには、多くの場合、飛行機か船しかありません。飛行機代が高くなると、簡単には出かけられなくなります。
私の場合、ジャカルタへは主に出張で行きます。マカッサルが生活と仕事の拠点で、ジャカルタは商談や打ち合わせで訪れる場所です。日本へ帰るときも、ジャカルタを経由することが多くなります。
仕事の移動では、安い日に合わせて日程を動かせるとは限りません。打ち合わせの日が決まれば、その前後の便を探すことになります。値段だけでなく、出発時間や乗り継ぎの時間も考えて選ぶので、いちばん安い便を買えるとも限りません。
以前、ガルーダ航空のマカッサル~ジャカルタ便のエコノミーが317万ルピアになっていた話を書きました。そのときも、国内線でこの値段か、と驚いたのを覚えています。
帰省や旅行への支援ですが、私のように仕事で飛行機を使う人間にも、ありがたい話です。
気になるのは、燃料費や運賃そのものの動きです。税金の負担が減っても、基本運賃や燃油サーチャージが上がれば、その効果は薄れてしまいます。
それに、年末年始はもともと移動する人が多い時期です。便や日程によっては、普段より運賃が高くなります。
たとえば、あくまで仮の話ですが、普段は200万ルピアで買える航空券が、年末年始には250万ルピアになっていたとします。そこから税金の分が軽くなっても、普段の200万ルピアより安くなるとは限りません。
「減税がなかった場合より安い」ことと、「いつもより安い」ことは、別の話です。今回の措置で税金の分が抑えられるのは確かですが、予約画面を開いたときに「安くなった」と感じられるかどうかは、運賃そのものの動き次第だと思います。
数十万ルピアでも安くなるなら、助かります。家族で帰省する人なら、なおさらだと思います。
あとは、実際にいくらで買えるかですね。私も年末年始に国内線を使うことになれば、値段を調べてみようと思います。
参考
detikFinance「Pemerintah Tanggung 100% PPN Tiket Pesawat Libur Nataru」(2026年10月21日)
https://finance.detik.com/berita-ekonomi-bisnis/d-8717418/pemerintah-tanggung-100-ppn-tiket-pesawat-libur-nataru
インドネシア財務省 法令データベース(JDIH)「PMK 77 Tahun 2026」
https://jdih.kemenkeu.go.id/dok/pmk-77-tahun-2026