ラマダンは、イスラム教徒にとって神聖な断食月です。
でも、インドネシアで働く外国人駐在員にとっても、
この1か月は“空気が変わる月”です。
法律が変わるわけではない。
禁止事項が急に増えるわけでもない。
けれど、
時間の流れが変わる。
人の感情が変わる。
街のリズムが変わる。
そしてその変化を理解しないと、
知らず知らずのうちに信頼を削ってしまう。
今日は、私自身の経験も踏まえて
駐在員がやりがちなラマダンNG行動5選をまとめます。
「自分はムスリムじゃないから問題ない」
理屈は正しい。
実際、法律違反でも何でもありません。
でもラマダンは、理屈だけでは動いていません。
オフィスのオープンスペースでコーヒーを飲む。
会議中にペットボトルを豪快に開ける。
デスクでお菓子をパリパリ食べる。
誰も注意しません。
でも確実に見られています。
大切なのは“権利”ではなく“空気”。
ラマダン中の正解はシンプルです。
✔ 会議室など見えない場所で
✔ カーテンのある店で
✔ 目立たない形で水分補給
大げさな遠慮は不要。
でも、見せない工夫は大切です。
それは従属ではなく、尊重です。
これは本当に多い。
ラマダンは宗教の話。
仕事は仕事。
その考え方自体は間違いではありません。
でも現実は違います。
断食中は、
・水も飲めない
・エネルギーが落ちる
・午後は集中力が低下する
多くの会社では勤務時間も短縮されます。
それなのに、
✔ 終日外回りを組む
✔ 夕方ギリギリに重要決裁を回す
✔ 出張を詰め込む
これをやってしまう。
本人は文句を言いません。
でも内心は確実に負担です。
ラマダン中の仕事の正解は、
✔ 重要案件は午前中
✔ 体力勝負の業務は前倒し
✔ 締切に少し余裕を持つ
この“1割の調整”が、
信頼を大きく左右します。
日没1時間前。
街の空気が一変します。
渋滞が悪化する。
Grabが捕まらない。
レストランは満席。
ここで多くの駐在員が言います。
「なんでこんなに混んでるんだ」
理由は単純。
みんな家族と最初の一口を食べたいから。
断食の締めくくりの時間は、
1日の中で最も大切な時間です。
そこを理解せずに苛立つと、
「この人は分かっていない」
と思われます。
対策はこれ。
✔ 夕食は早めに済ませる
✔ 自炊を増やす
✔ 夜20時以降に動く
自分の時間軸をずらす。
それだけでストレスは激減します。
ラマダン中は、確実にペースが落ちます。
決裁が遅い。
返信が遅い。
午後の集中力が落ちる。
でもそれは怠慢ではありません。
空腹と水分不足の中で働いているのです。
この1か月だけは、
スピードより理解。
数字より人。
その姿勢を見せられる駐在員は、
確実に評価されます。
意外と盲点です。
昼間の豪華ランチ。
ビール写真。
「暑いし疲れた」の一言。
悪意はありません。
でもラマダン中は敏感な時期。
誰かが傷つく可能性がある。
ラマダン中は、
少しだけ静かに。
それだけで十分です。
ラマダンは“我慢の月”ではない
ここまで読むと、
窮屈に感じるかもしれません。
でも私は、こう思っています。
ラマダンは制限の月ではなく、
関係構築の月です。
・怒らない
・急がせない
・見せびらかさない
この3つだけで、
「あの人は分かっている」
と言われるようになります。
ラマダンは、イスラム教徒だけのものではありません。
この国に暮らすすべての人が、
何らかの形で関わる1か月です。
外国人に求められているのは、
完璧な適応でも、過剰な遠慮でもない。
ただ、
少しの想像力。
それだけです。
最後に
駐在員生活は、
売上や成果だけで評価されません。
「文化にどう向き合うか」も見られています。
ラマダンは、その姿勢が最も試される季節。
知らずに信頼を落とすか。
理解して信頼を積むか。
その差は、
ほんの少しの配慮です。