ラマダンは“試練”ではなく“経営戦略月間”である!インドネシアで勝ち続ける企業が理解していること

記事の冒頭
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ラマダンが始まると、街の空気が変わります。

朝3時にサフールの大音響で目が覚める。

昼間は静かに、ゆっくりと時間が流れる。

夕方は渋滞が増え、日没と同時に一斉に人が動き出す。

宗教行事であると同時に、

これは「社会全体の時間構造が変わる1か月」です。

そしてこの変化は、当然ビジネスにも直撃します。

多くの外国人経営者や駐在員は、最初こう感じます。

・決裁が遅い

・返事が来ない

・午後は明らかに集中力が落ちる

・スケジュールが読めない

・物流が止まりがち

「仕事にならない1か月だ」

正直、私も最初はそう思いました。

しかし数年経営を続ける中で、考えは完全に変わりました。

ラマダンは“生産性が落ちる月”ではない。

ラマダンは、

経営の質が問われる月 です。

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1. スピード経営は崩れる

ラマダン中、多くの企業は勤務時間を短縮します。

8:00〜15:00。

午後は明らかにエネルギーが落ちる。

水も飲めない状態で働いているのです。

ここで焦る経営者は失敗します。

「なぜ終わらない?」

「なぜ今日中にできない?」

怒っても、物理的な条件は変わりません。

むしろ信頼を失います。

ラマダンで重要なのは、

“スピード”ではなく“設計”です。

重要案件は午前中に集中

判断案件は事前に整理

ラマダン前に前倒し

決裁ラインをシンプルに

ラマダンは、計画性の甘さをあぶり出します。

普段は勢いで回っていた会社が、急に止まる。

しかしそれは「ラマダンが悪い」のではなく、

設計が弱かっただけ です。

2. 感情マネジメントが利益を守る

断食中、人は繊細になります。

空腹。水分不足。睡眠不足。

集中力は落ちるし、イライラもしやすい。

ここで怒鳴る経営者は、長期的に負けます。

私は決めています。

ラマダン中は怒らない。

トラブルがあっても、

「レバラン後に話そう」

それだけで場の空気は守られる。

ラマダンは、

社員が会社をどう見ているかが露呈する月でもあります。

文化を尊重する経営者

結果だけを押し付ける経営者

どちらが信頼を得るかは明白です。

実はこれ、宗教の話ではありません。

組織心理の話です。

3. キャッシュフローを読む力

ラマダンは消費が落ちる、という人もいます。

本当にそうでしょうか?

実際は逆です。

ラマダン前から消費は増大します。

・食品

・衣料

・ギフト

・帰省関連

・小売

そしてTHR(宗教手当)が支給される。

つまり、

お金は大きく動く。

しかし同時に、

支払いサイトが遅れる

物流が止まる

コンテナが読めない

銀行業務が短縮される

ここで重要なのは、

売上ではなく、現金管理 です。

私は毎年、ラマダン前に必ず確認します。

・在庫水準

・回収サイト

・支払いスケジュール

・銀行営業日

ラマダンは“資金繰りの月”でもあります。

ここを甘く見ると、黒字でも苦しくなる。

逆にここを読める企業は強い。

4. 生産性は本当に落ちるのか?

よく言われます。

「ラマダンは生産性が落ちる」

しかし私は、少し違う視点を持っています。

確かに午後は落ちます。

でもその代わりに、

無駄な会議が減る

残業が減る

業務がシンプルになる

優先順位が明確になる

“本当に必要な仕事だけ”が残る。

ラマダンは、

業務の脂肪を削る1か月でもあります。

普段の業務の中で、どれだけ無駄があったかが見えてくる。

これは経営改善のヒントになります。

5. 時間軸をずらせるかどうか

ラマダン中は、夕方が混雑のピークです。

日没前の1時間。

町は一斉に動き出す。

レストランは満席。

Grabは捕まらない。

道路は動かない。

イライラする人も多い。

でも、視点を変えれば、

“家族と最初の一口を食べたい”

そのための移動です。

私はラマダン中、

自分の時間軸をずらします。

早めに動く

自炊を増やす

20時以降に外出

文化に逆らわない。

これがストレスを減らします。

経営も同じです。

文化を押し返そうとすると、疲れます。

文化を読んで合わせる方が、結果的に早い。

6. ラマダンは“組織の鏡”

ラマダンは、会社の本質を映します。

・感情をコントロールできるか

・資金を管理できるか

・業務を整理できるか

・文化を理解できるか

この1か月で、経営者の力量が見える。

私はむしろ、ラマダンが好きです。

なぜなら、

会社の体質チェック月間 だからです。

7. レバラン後の爆発力

ラマダンが明けると、空気が一変します。

笑顔が増える。

エネルギーが戻る。

決裁が早い。

商談が進む。

1か月間溜めていたものが、一気に動く。

この“助走”があるからこそ、加速が生まれる。

ラマダンは停止ではなく、

助走期間 です。

ここで組織を壊さず、整えられた企業だけが、

明けた後に伸びる。

まとめ

ラマダンは試練ではありません。

ラマダンは、

経営戦略月間 です。

この1か月をどう過ごすかで、

企業の成熟度が分かる。

文化を敵にするか。

味方にするか。

その選択が、

インドネシアで長く続くかどうかを決めます。

焦らない。

怒らない。

前倒しする。

現金を見る。

時間軸をずらす。

それだけでいい。

ラマダンは、

経営者にとって最も“静かな成長月間”なのかもしれません。

記事の最後
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kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。