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インドネシアのタコでつながる日本人コミュニティ!工場でひらくたこ焼きパーティ

マカッサルの強い陽ざしが差し込む土曜の昼、自社工場が一変して温かい笑顔の広場になりました。

南スラウェシ日本人会のメンバーをご招待し、地元産のタコを使った“たこ焼きパーティ”を開催しました。

鉄板の前に自然と集まり、笑い、語り、驚き、そしてまた笑う——。

海外で生まれる“つながり”の力と、インドネシアのタコの底力をお伝えします。

小さな挑戦のはじまり

南スラウェシ日本人会の会長を務めるようになってから、

「日本人同士が気軽に集まり、肩の力を抜ける場をつくりたい」

と考えるようになりました。

マカッサルは都会とローカルが絶妙に混ざり合う街で、暮らしやすさはありますが、

日本人がふと立ち寄って近況を話せるような場所は決して多くありません。

特に駐在者の場合、平日の夜は会食や業務が続き、

誰かとゆっくり話す時間をつくるのが難しいという声もよく耳にします。

そこで今回は、

土曜日の昼

家族で来られる時間帯

明るく開放的な雰囲気

この3つをテーマに、

自社工場の一部を開放してたこ焼きイベントを開催することにしました。

工場といえば、日々淡々と作業が進む無機質な空間というイメージがありますが、

その場所を1日だけコミュニティの広場に変える——。

この小さな挑戦に、ワクワクしながら準備を進めました。

当日、強い日差しのなか工場に到着すると、

すでに数名の工場メンバーが笑顔で手伝ってくれています。

その瞬間、「今日はきっと良い時間になる」と確信しました。

工場が“広場”に変わる瞬間

工場のタコピッキングエリアに

たこ焼き器を設置し、まずは試し焼きを行いました。

テーブルには、

たこ焼き粉

天かす

ねぎ

ソース(ハラル認証)

マヨネーズ(やっぱりQPマヨネーズ)

そして主役のマカッサル産タコが整然と並びます。

日本では当たり前の食材も、ここマカッサルで揃えるのは意外に大変です。

特にたこ焼き粉や天かすは日本から持ち込んだものを使います。

ただし、タコだけは違います。

マカッサル産。鮮度も品質も申し分なく、日本のどこに出しても自信を持っておすすめできるものです。

準備が整うと、参加者が続々と集まってきました。

昼だからか、笑顔が多く、空気も柔らかく感じます。

生地を鉄板に流す「ジュワッ」という音が響いた瞬間、

工場全体がイベント空間に切り替わるのを肌で感じました。

たこ焼きが“会話のスイッチ”になる理由

たこ焼きという料理はとても不思議で、

焼く工程そのものがコミュニケーションになります。

鉄板を囲めば初対面でも会話が始まり、

焼き方を教え合ったり、味付けを相談したりしながら、

ゆるやかに距離が縮まっていきます。

また、たこ焼きは「飲める人」「飲めない人」の差が出ないため、

どなたでも自然に参加できるのが魅力だと感じます。

たこ焼きを焼きながら交わす会話には、

夜の飲み会にはない心地よい柔らかさがありました。

驚きと感動:“インドネシアのタコって美味しい”

焼き上がったたこ焼きを頬張った瞬間、

会場のあちこちから驚きの声が上がりました。

マカッサル産タコの魅力は、柔らかさと旨みの強さにあります。

マカッサル周辺の海域は水温・プランクトン・潮の流れ、サンゴ礁、など、

タコが育つ条件が非常に優れており、最近世界が注目する産地でもあります。

しかし、意外にもマカッサル在住の日本人でも、

その魅力をまだ知らない方が多いのが現状です。

だからこそ今回のイベントでは、

「マカッサル産タコの美味しさを知っていただく」

ことを密かなテーマにしていました。

参加者の皆さんが驚きの表情を見せてくださるたびに、

産地で仕事をする者として誇らしい気持ちになりました。

工場という場所がもつ“物語”

今回のたこ焼きパーティは、

単に焼いて食べるイベントではありませんでした。

工場という“食材の背景”が見える空間だからこそ、

参加者の方々に特別な体験を提供できたように感じます。

食材のストーリーが見えると、味わいが変わる

「もっと無機質な場所だと思っていましたが、

実際に作業の雰囲気を感じると、食べ物の見方が変わりますね」

そういった感想を何人もの方からいただきました。

実際、タコがどのように扱われ、

どの工程を経て世界へ届けられているのかを知ると、

たこ焼き一つにも“物語”が加わります。

南スラウェシの海、漁師の努力、工場スタッフの技術——

そのすべてが集まって一つの食材になっているのだと気づいていただけたことは、

開催した側として大きな喜びでした。

工場がコミュニティスペースに変わる瞬間

本来は生産の場である工場を、

人が集まり、語らい、笑い合う“広場”に変える。

その過程には不思議な力があると感じました。

機械音が響く空間に、

子どもたちの笑い声や、たこ焼きを返すリズムが混ざると、

工場という場所が急に柔らかく、温かいものに見えてきます。

場所は本来の役割を超え、

そこにいる人たちの時間と感情によって新しい価値を持つのだと実感しました。

 “昼”に開催する価値

今回、土曜の昼に開催したことは正解でした。

昼間のイベントは、

参加ハードルが低い

初対面でも緊張しにくい

家族連れでも安心

帰宅後にゆっくり休める

と、良いことづくめです。

参加された皆さんも、

「昼間のイベントはありがたいですね」

とおっしゃっていました。

たこ焼きを囲みながら交わされる会話は、

夜の飲み会よりずっと健やかで、柔らかいものでした。

日本人会の活動が、

より開かれたコミュニティへと進化するためのヒントが、

この昼の光の中にあるように感じました。

まとめ:南スラウェシのタコがつないだ豊かな一日

イベントが終わりに近づいた頃、

鉄板の上に残った最後のたこ焼きを皆で分け合いながら、

ゆったりとした時間が流れていました。

工場に響く笑い声、走り回る子どもたちの足音、

そして「また開催してください」という温かい言葉。

南スラウェシの海が育てたタコが、

日本人同士をつなぎ、

コミュニティに新しい風を吹き込んでくれました。

たこ焼きという小さな丸い料理が、

マカッサルで生きる日本人の心をつないだ日。

その光景を間近で見ることができたことに、

深い幸せを感じました。

また次回、

もっと多くの方々が気軽に集まり、

たこ焼きを囲んで笑い合える日を楽しみにしています。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。