インドネシア・スラウェシ島の玄関口であるマカッサル。その海辺に広がる「ロサリビーチ(Pantai Losari)」は、市民や観光客が気軽に訪れる憩いの場です。昼間は強い日差しが降り注ぐマカッサルの街も、夕暮れ時になると空は柔らかなオレンジ色に染まり、海面に反射する光とともに幻想的な時間を演出します。特に今の時期は空気が澄み、水平線に沈む夕陽がひときわ美しく見える季節。心を静め、癒やされる瞬間を味わえるのです。
ロサリビーチでは、近代的な「99ドームモスク」が圧倒的な存在感を放ち、海辺には「MAKASSAR」の巨大モニュメントや地元グルメの屋台が並びます。観光地でありながらも、市民の生活に溶け込んだ温かな雰囲気が漂うこの場所で、私は夕陽を眺めながら特別な時間を過ごしました。
マカッサルはスラウェシ島西岸に位置する港町で、海に沈む夕陽を眺めるには理想的な場所です。特に乾季の今は空気が澄み、雲に遮られることなく美しい日没を堪能できます。
ロサリビーチの夕陽は、ただ水平線に沈むだけではありません。海面にオレンジ色の光が帯のように伸び、その先に浮かぶ99ドームモスクのシルエットを輝かせます。日没の時間に合わせて訪れると、刻々と変化する空の色に目を奪われ、時間を忘れてしまうほどです。
ロサリビーチを象徴する「マスジッド・99ドームモスク」は、その名の通り大小さまざまなドームが幾重にも重なる独特のデザインで、マカッサルのランドマークとなっています。
夕陽が沈む頃、モスクはシルエットとなって浮かび上がり、赤やオレンジに染まる空と溶け合って一枚の絵画のような光景を生み出します。昼間に見ても壮大な建築美が目を引きますが、日没の幻想的な姿は格別です。
さらに夜になるとライトアップされ、モスク全体が光をまとって輝きます。昼、夕暮れ、夜と、時間ごとに異なる表情を楽しめるのも、この場所ならではの魅力です。
ロサリビーチの魅力のひとつは、地元の人々と観光客が自然に交わる空間であること。夕暮れ時になると、広場やベンチには人々が集まり、それぞれのスタイルで夕陽を楽しみます。
カップルは海を背景に写真を撮り、家族連れは子どもを遊ばせながらのんびり過ごします。友人同士は屋台のスナックを手に談笑し、ジョギングや散歩を楽しむ人の姿も目に入ります。観光地でありながら生活感にあふれる雰囲気が、訪れる人の心を温めてくれるのです。
夕陽を楽しむだけでなく、ロサリビーチでは食の楽しみも欠かせません。海沿いには多くの屋台が並び、マカッサルならではの軽食を味わえます。
中でも有名なのが「ピサンエペ(Pisang Epe)」と呼ばれる焼きバナナのお菓子。炭火で焼いたバナナを押しつぶし、チョコレートやチーズ、ドリアンソースなどをかけて食べます。香ばしい香りに誘われ、熱々でトロリとした食感がクセになる逸品です。
そのほかにも「ジャグン・バカール(焼きトウモロコシ)」や「バクソ(肉団子スープ)」など、多彩な屋台グルメが揃い、まるで夕陽とともにマカッサルの味覚まで堪能できるような気分にさせてくれます。
ロサリビーチは、写真好きにもたまらない場所です。「MAKASSAR」の大型モニュメントや色鮮やかなモスクを背景に撮る一枚は、SNS映え間違いなし。
特に夕暮れの空とモスクのコントラストは、どの角度から撮っても絵になります。さらに港に停泊するピニシ船やライトアップされた遊歩道も、夜には幻想的な被写体へと変わります。
夕陽が沈んだ後も、ロサリビーチは静かに輝きを増していきます。99ドームモスクのライトアップが始まり、海辺にはネオンや街灯の光が映し出されます。
この時間になると、昼間とは違うロマンチックな雰囲気が漂い、屋台の灯りや賑わいも加わって夜市のような楽しさが広がります。観光客だけでなく地元の人々も夜遅くまで集まり、マカッサルの活気を肌で感じられるのです。
夕陽を堪能するなら、日没の30分前には現地に到着しておくのがおすすめです。刻一刻と変わる空の色を余すことなく楽しめます。
夕方は特に人出が多くなるため、混雑を避けたい場合は少し早めに訪れるとよいでしょう。暑さが和らぐ時間帯なので、涼しい風を感じながらの散策も心地よいものです。
マカッサルのロサリビーチは、夕陽の美しさと市民の活気、そして地元グルメの魅力が一体となった特別な場所です。99ドームモスクがシルエットとして浮かび上がる光景は、ここでしか見られない絶景。さらに、屋台の香りや人々の笑顔が加わり、ただの観光地以上の温かさを感じさせてくれます。
今の季節は特に夕陽が澄んで見えるため、マカッサルを訪れるならぜひ足を運んでほしいスポットです。海に沈む夕陽を眺めながら、日常の喧騒を忘れ、心癒やされるひとときを過ごしてみてください。