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スラバヤ名物・黒いスープのラウォン!名店「ラウォン・セタン」で味わう

スラバヤの名物料理に挑戦!

スラバヤを代表する伝統料理といえば「ラウォン」。真っ黒なスープと、ホロホロに煮込まれた牛肉が特徴の、インドネシアでもひときわ個性的な一品です。

その中でも「ラウォン・セタン(Rawon Setan)」は、観光客にもローカルにも絶大な人気を誇る名店。今回は昼過ぎの14時ごろに訪問し、初めてその味を体験してみました。

期待を胸に一口──でも正直、マカッサルのチョトやパルバサのような、スパイスのパンチが恋しくなってしまいました。

ラウォンの漆黒スープ、その秘密は「クルワック」

ラウォン(Rawon)は、インドネシア料理の中でも唯一、「クルワック(Kluwak)」という発酵させた木の実を使った黒いスープが特徴の料理です。発祥は東ジャワ州、特にスラバヤ周辺とされ、牛肉をメインに、レモングラスや生姜、唐辛子などのスパイスを効かせた少し酸味のあるスープで構成されます。辛さは控えめですがサンバル(辛味調味料)を加えて、ご飯と一緒に食べるのが一般的です。

主原料であるクルワックは、ジャワ島の熱帯雨林で採れる特殊な果実。毒性を抜いた後に発酵させて使用することで、ラウォン特有の黒く濃厚なスープになります。マジャパヒト王国時代(13〜15世紀)にまで起源をさかのぼるという説もあり、かつては宮廷料理として王族や上流階級に楽しまれていたとも言われています。スープには香ばしいコクと、やや薬膳的な香りが漂います。

現在では東ジャワ全域(マラン、グレシック、シドアルジョなど)で広く親しまれていますが、やはりスラバヤが本場として最も有名。ラウォンは、ジャワ料理の奥深さと香辛料文化を象徴する代表的な料理のひとつです。

“悪魔の店”で実食!

「セタン=悪魔」と呼ばれるこの店の名前は、もともと深夜営業専門だったことに由来しています。現在は昼から深夜まで営業しており、私が訪れた午後の時間帯も店内はほぼ満席。ローカルの人々や旅行者でにぎわっていました。

まろやかだけど、ちょっと物足りない?

スプーンでひと口すくって飲んでみると、最初の印象は「意外と優しい味」。

スープはやや甘めでクセがなく、クルワックのコクがじんわりと広がります。牛肉は柔らかく、煮込み具合もちょうど良い。ただ、全体としてはあっさりしており、香辛料の刺激はかなり控えめです。

ご飯と一緒に食べると、まるでスープカレーのような雰囲気。これはこれで美味しいのですが、マカッサルでいつも食べているチョトマカッサルやパルバサのような、パンチのあるスパイス感や牛骨ベースの濃厚な“出汁感”を思い出してしまい、どうしても物足りなさを感じてしまいます。

もう少しスパイスの余韻や辛味のアクセントがあれば──それが正直な感想です。

おかずはセルフ選択式──でもちょっと気になる運用

ラウォンを注文すると、揚げ物や煮卵、テンペ、ペルクデル(揚げじゃがいも)などのおかずがセットのようにテーブルに運ばれてきます。これはインドネシアでよく見られる「食べた分だけ支払う」スタイル。

ただし、食べなかったおかずは店員が回収して、次の客のテーブルへ運ばれるという運用。日本人としては「使い回し?」と感じてしまい、少し抵抗を覚える部分かもしれません。

やっぱり私はマカッサル派、でも一度は食べてみる価値あり

スラバヤ名物としての味わい、そしてラウォン・セタンの名物スープは、間違いなく記憶に残る一杯でした。

ただ、やはり私はマカッサルで親しんだチョトやパルバサのような、ガツンとくるスパイスの刺激と力強い旨味のほうが好みです。

それでも、真っ黒なスープのインパクトや、地元の人々に長年愛されてきた味を体験できたのは、スラバヤでしか得られない貴重な時間でした。

店舗情報

店名:Rawon Setan(ラウォン・セタン)

住所:Jl. Embong Malang No.78/I, Genteng, Surabaya

価格:ラウォン1杯 約48,000ルピア(2025年時点)

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。