なぜラマダンのホテルビュッフェは毎晩満席なのか?インドネシア「イフタール経済」の巨大市場

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インドネシア「イフタール経済」の正体

ラマダンの時期、インドネシアのホテルではある現象が起きます。

それは

イフタールビュッフェの満席ラッシュ。

マカッサルでも、ラマダン期間になるとホテルのビュッフェは毎晩満席になります。

しかも、その規模は驚くほど大きい。

先日私が訪れたマカッサルのCLAROホテルでは、

500人以上が同時にイフタールを楽しむ巨大ビュッフェが開催されていました。

広い会場にずらりと並ぶテーブル。

家族連れ、友人グループ、会社の同僚たちが席を埋め、日没の瞬間を待っています。

やがてモスクからアザーン(礼拝の呼びかけ)が響くと、

会場にいる数百人が一斉に断食を破り、食事が始まります。

その光景は、まさに圧巻です。

日本人の感覚からすると少し不思議かもしれません。

なぜ断食の月なのに、

ホテルの食事がここまで盛り上がるのでしょうか。

実はそこには、

インドネシア社会の文化と経済が密接に関係しています。

今回は、インドネシアに住んでいるとよく目にする

「ラマダンのホテルビュッフェ満席現象」

その理由を、現地の視点から解説してみたいと思います。

ラマダンは「食事のイベント月」

ラマダンというと、日本では

「断食の月」

というイメージが強いと思います。

確かにイスラム教徒は日の出から日没まで飲食を控えます。

しかし実際にインドネシアで生活していると、

ラマダンはむしろ

「食事のイベント月」

であることに気づきます。

理由はシンプルです。

日中は断食をしているため、

夜の食事が特別なイベントになるからです。

断食が終わる時間、

つまり日没の瞬間。

その食事を

イフタール(断食明けの食事)

と呼びます。

このイフタールは、単なる夕食ではありません。

多くの人にとって

・家族

・友人

・同僚

・ビジネス仲間

と集まる

一種の社交イベント

なのです。

ラマダンの夜は、

街中のレストランやカフェが人であふれます。

断食の時間が長かった分、

人々は一緒に食事を楽しむ時間をとても大切にするのです。

ラマダンは「会食の月」

日本でいうと、少し感覚が近いのは

忘年会シーズン

かもしれません。

ラマダンが始まると、

「いつイフタールする?」

という会話があちこちで聞こえてきます。

例えば

・会社の同僚とイフタール

・大学の友人とイフタール

・家族とイフタール

・取引先とイフタール

というように、

食事の予定がどんどん増えていきます。

ラマダンは約1か月続きます。

つまり

1か月間、会食が続く

ということです。

しかも断食明けの食事は

一人で食べるよりも、

誰かと一緒に食べる方が良いとされています。

そのため、自然と人が集まり、

大人数での食事が増えていきます。

これがホテルビュッフェ満席の大きな理由の一つです。

ホテルビュッフェは「最も便利なイフタール」

では、なぜホテルなのでしょうか。

理由は

ビュッフェが一番楽だからです。

イフタールでは、多くの人が同時に食事をします。

しかも

断食明けの瞬間は

みんな一斉に食べ始めます。

もし通常のレストランのように

メニューを注文して料理を待つ形式だと、

厨房が完全にパンクしてしまいます。

その点、ホテルのビュッフェはとても合理的です。

料理はすでに並んでいて、

誰でも好きなものを取れる。

大人数でも対応できる。

料理の種類も豊富で、

・インドネシア料理

・中東料理

・西洋料理

・デザート

など、様々な料理を楽しめます。

このスタイルが、

イフタールには最も適しているのです。

ラマダンのホテルビュッフェは儲かるのか

ここで少しビジネスの視点から考えてみます。

ラマダンのホテルビュッフェは、

実際どのくらい儲かるのでしょうか。

例えば今回私が行ったCLAROホテルの場合、

イフタールビュッフェの料金は

1人 200,000ルピア。

もし500人が来た場合、

売上は

100,000,000ルピア(約1000万円)

になります。

しかもこれは

1日だけの売上です。

ラマダンは約30日続きます。

もし毎日満席だった場合、

単純計算でも

約30億ルピア(約3億円)

規模の売上になります。

もちろんここから

・食材の原価

・スタッフの人件費

・会場運営費

などが差し引かれるため、

そのまま利益になるわけではありません。

それでもホテルにとってラマダンは

一年の中でも非常に重要な稼ぎ時

です。

実際、多くのホテルではこの時期になると

・巨大イフタールビュッフェ

・ラマダン限定メニュー

・特別プロモーション

などを用意し、

この需要を取り込もうとします。

つまりラマダンは

宗教イベントであると同時に

巨大な経済イベントでもあるのです。

ラマダンは人を集める文化

こうして見てみると、

ラマダンは単なる宗教行事ではありません。

むしろ

人を集める文化

です。

断食という共通の体験があるからこそ、

人は一緒に食事をしたくなる。

そしてその食事は

自然と大きなイベントになります。

家族、友人、同僚、ビジネス仲間。

様々な人たちが同じテーブルを囲み、

断食明けの瞬間を共有する。

そこには、

とても温かい時間が流れています。

だからこそ

ホテルビュッフェが毎晩満席になるのです。

まとめ

ラマダンのホテルビュッフェが満席になる理由。

それは

・ラマダンは食事イベントの月

・会食が増える文化

・ビュッフェが最も便利

・ホテルにとっては大きなビジネス

という理由が重なっているからです。

そして何より、

ラマダンのイフタールには

人を集める力

があります。

インドネシア社会のエネルギーが

最も感じられる時間。

それが

ラマダンの夜の食事

なのです。

記事の最後
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kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。