Categories: IndonesiaMakassar

断食が生む感情エネルギーが経済を動かす! ラマダンという“見えない経済装置”

記事の冒頭
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします

ラマダンの夜、ホテルの会場には百種類を超える料理が並びます。

グリル、揚げ物、スープ、サラダ、伝統菓子、輸入デザート。

色とりどりの料理がテーブルを埋め尽くすその光景は、もはや季節の風物詩です。

外から見れば、「断食の月なのに、なぜこれほど消費が伸びるのか」と不思議に映るかもしれません。

しかし、現場に立つと分かります。

ここで動いているのは、単なる購買意欲ではありません。

もっと強い、もっと根源的なものです。

それは、感情です。

本文の途中(見出し前)
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします

空腹の時間が、感情を濃くする

ラマダンの日中は静かです。

カフェは客足が落ち、オフィスもどこかゆったりしています。

身体は水も食事も取らず、思考も少し内向きになります。

空腹は、ただの身体反応ではありません。

空腹は感情を濃くします。

・一日をやり切ったという達成感

・我慢できたという自己肯定

・早く家族と食卓を囲みたいという期待

それらが、ゆっくりと蓄積していきます。

そして夕方、料理の匂いが漂う頃には、その感情はかなり高まっています。

イフタールの会場では、多くの人が皿を手に、料理を並べながら時間を待っています。

お腹は空いている。目の前には豪華な料理が並んでいる。

それでも、まだ食べない。

おあずけ状態のまま、日没のアザーンを待ちます。

この「待つ時間」こそが、感情を最大化させているのだと思います。

そして、アザーンが響く。

まずは水とデーツで断食を解く。

その瞬間、会場の空気は少しだけ静かになります。

安堵と感謝が、静かに広がります。

その後、会場は一気に動き出します。

ここで起きているのは暴食ではありません。

解放です。

なぜ感情は消費につながるのか

人は合理だけでは動きません。

むしろ、ほとんどの消費は感情によって決まります。

・頑張った自分へのご褒美

・家族との特別な時間

・季節の節目を祝う行為

ラマダンは、国全体でその感情が同時に高まる月です。

断食という「抑制」があるからこそ、

夜の「解放」が特別な意味を持つ。

感情の振れ幅が大きいほど、人はその瞬間を豊かにしたくなります。

料理の数が増えるのは、その象徴です。

百種類並ぶ料理は、単なる豪華さではありません。

「今日は特別な夜だ」というメッセージなのです。

経済は、この“特別感”の上に乗っています。

消費の月ではなく、感情が動く月

統計上、ラマダン期は消費が伸びます。

しかしそれは「買い物が増える月」だからではありません。

断食が生み出す感情エネルギーが、

人と人をつなぎ、時間を特別にし、その結果としてお金が動くのです。

ラマダンは、消費の月ではありません。

感情が動く月です。

・再会の喜び

・赦しの文化

・家族への愛情

・自分を律した誇り

これらが重なり合い、経済活動へと変換されていきます。

経営視点で見るラマダン

ビジネスとして見ると、ラマダンは非常に興味深い構造を持っています。

・昼は抑制

・夜は活発化

・レバラン前は帰省と贈答

これは「感情の波」が明確に存在する市場です。

企業が本当に向き合うべきなのは、

価格でもプロモーションでもありません。

感情のピークです。

イフタール・ブッフェが成功するのは、

料理の数が多いからではありません。

その空間が、「今日という一日を肯定してくれる場」だからです。

人は満腹になりたいのではありません。

満たされたいのです。

ラマダンは“見えない経済装置”である

断食は宗教行為です。

しかし同時に、それは社会全体の感情を同時に動かす装置でもあります。

国民規模で感情が同期する。

そのエネルギーが、

夜のモールを満席にし、

ホテルのブッフェを予約困難にし、

ギフト市場を膨らませます。

これは単なる季節イベントではありません。

感情が経済へ変換される、壮大な社会装置です。

ラマダンを「消費が伸びる月」とだけ捉えると、本質を見誤ります。

本当に動いているのは、人の心です。

そして経済は、いつもその後ろを追いかけています。

記事の最後
この記事が役に立ったら、1クリックで応援お願いします
kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。