インドネシアで“果物の王様”として知られるドリアン。その独特な香りは好みが分かれるものの、一度魅力に取り憑かれた人は季節が来るのを待ちわびます。今回はスラウェシ島の名産地・パル(Palu)から直送された旬のドリアンを、マカッサルで堪能してきました。訪れたのは、地元で知らぬ者はいないドリアン専門店「Olympic Durian」。その味わいは、まさに“衝撃の濃厚体験”でした。
スラウェシ島の中央部に位置するパル(Palu)は、火山性の肥沃な土壌と温暖な気候に恵まれた果物の名産地です。5月から9月にかけてがドリアンの旬で、とくに7月から8月にかけては完熟の実が出回り、濃厚な甘みと香りが最高潮に達します。
パル産のドリアンは、果肉が分厚く、繊維が少なく、舌の上でとろけるような滑らかさが特徴。強すぎない香りとナッツのようなまろやかさが、初めての人でも挑戦しやすいと評判です。
そんな旬のパル産ドリアンを味わえるのが、マカッサルにある「Olympic Durian」。マカッサル在住者の間では“間違いないドリアン屋”として知られ、地元の人々はもちろん、SNSや口コミで情報を得た観光客も足を運ぶ人気店です。
店頭に並ぶドリアンの中でも、ひときわ目を引いたのが「Palu Asli(パル産)」の札がついた大きな実。店主に聞くと「これは昨晩パルから届いたばかり。今日が一番おいしいよ」とのこと。価格は重さにもよりますが、今回の個体は約2.5kgで20万ルピア(約2,000円)。少し高めですが、旬の完熟品としては納得の価格帯です。
殻を割ってもらうと、あふれ出すのは甘くナッツのような香り。中から現れた果肉はまさに黄金色。一房をすくって口に運べば、バターのようななめらかさと濃密な甘さが口いっぱいに広がり、ほのかな苦味が深みを加えてくれます。まるで熟成されたチーズのような、複雑で奥行きのある味わいでした。
Olympic Durianが支持される理由は、何よりも「目利き」と「鮮度」。スタッフは毎日、各産地から届くドリアンの状態を丁寧にチェックし、食べ頃の個体だけを販売します。また、注文すればその場で殻を割ってくれ、すぐにイートインスペースで味わうことができます。
匂いが気になる人のために、店では手洗いスペースや石鹸の用意もあり、至れり尽くせりのドリアン体験が可能です。
ドリアンは、ただ甘いだけの果物ではありません。その香り、質感、甘み、余韻まですべてが一体となって、食べる人にインパクトを与える“香りの芸術”とも言える存在です。Olympic Durianで食べたパル産のドリアンは、その全てが完璧でした。味わいの奥深さ、香りのバランス、そして旬の鮮度、そのどれもが揃ったドリアン体験は、間違いなく今だけの贅沢”です。パル産ドリアンは、その一房ごとにスラウェシの大地の恵みが詰まっています。マカッサルの「Olympic Durian」でその旬を味わえば、きっとあなたのドリアン観が変わるはず。旬の今こそが、そのベストタイミングです。
店名:Olympic Durian
住所:Jl. Sungai Saddang Lama No.22, Maricaya Baru, Kec. Makassar, Kota Makassar, Sulawesi Selatan 90114, Indonesia