レンボンガン島最終日の朝、静かなビーチ散歩とバリ・ヒンドゥの祈り風景を堪能。荷台付きトラックタクシーでマッシュルームビーチへ移動し、ユニークな島の交通文化も体験しました。観光地価格を感じつつも、素朴で特別な時間が心に残るレンボンガン島の魅力を紹介します。
最終日の朝は、早起きをしてビーチを散歩しました。空にはまだ柔らかい朝日が差し込み、海は穏やかに波を打ち寄せています。パラソルはまだ閉じられ、観光客の姿もまばら。聞こえてくるのは波音と、時折浜辺を歩く犬の足音だけ。
ビーチ沿いのあちこちでは、バリ・ヒンドゥの伝統的なお祈り「チャナン」が供えられていました。花や米、線香が並ぶ小さな供物が砂浜に置かれ、朝の澄んだ空気の中で漂うお香の香りが心を落ち着けてくれます。バリ島本島と同じように、ここレンボンガン島でも毎朝欠かさず祈りが捧げられている光景を目にして、島全体が信仰と自然に寄り添っていることを改めて実感しました。
この日は午前9時発の「ドリームビーチエクスプレス」でサヌールに戻る予定でした。宿泊していたホテルからは、港まで歩いてすぐ…と思っていたのですが、予約確認で驚くことに、出発港は目の前の浜ではなく、少し離れた「マッシュルームビーチ」からとのこと。
港が違うと知ったときは一瞬焦りましたが、チェックアウトを早めに済ませ、7時半過ぎにはホテルを出発。船のチェックインは出発1時間前に済ませる必要があるため、余裕を持って行動することにしました。
レンボンガン島といえば、独特の交通手段が有名です。それが「荷台付きトラックタクシー」。スズキの小型トラックの荷台に屋根とベンチを取り付けただけのシンプルな造りで、観光客の足として島の交通を支えています。
今回は初めての利用。相場を知りたかったこともあり、特に値段交渉はせずに目的地を伝えるだけで乗車しました。荷台には10人ほど乗れるスペースがありますが、この日は貸し切り状態。ひとりでチャーターするには少々贅沢な気もしましたが、逆にこの特別感も旅の思い出になります。
トラックは狭い島の道路を進みます。舗装が甘い場所もあり、決して快適とは言えませんが、バイクと歩行者を避けながら進むリズムには独特の心地よさがありました。ふと、「なぜこの島ではスズキのトラックばかりが走っているのだろう?」と考えながら、レンボンガン島ならではの交通文化に触れることができました。
道中、少し高台に差し掛かると、眼下に広がる青い海とビーチ、そして赤い屋根の家々が一望できました。思わず写真を撮りたくなるほどの美しい景色でしたが、運転手とは荷台越しにしか会話できず、「ちょっと停めて」と気軽に伝えられないのが惜しいところ。こうした不便さもまた、この島ならではの体験だと思えました。
約20分ほどで目的地の「マッシュルームビーチ」に到着。
料金は150,000ルピア。交渉なしだったため、観光地価格かもしれませんが、この島の道路事情を考えれば納得できる範囲です。地元の人々は主にバイクを使うため、このトラックタクシーは観光客専用ともいえる存在。高めの料金設定でも、この島の秩序を保つ大事な役割を果たしているのだと感じました。
マッシュルームビーチに到着すると、目の前には白砂のビーチと、波間に停泊する多くのボートが広がっていました。ここがレンボンガン島の主要な船の発着地のひとつ。
チェックインカウンターで受付を済ませると、乗船用のタグを渡され、「出発までカフェで待っていてください」と案内されました。荷物を預け、静かに海を眺めていると、旅の終わりを実感すると同時に、「またこの島に戻ってきたい」という気持ちが自然と湧き上がってきます。
こうしてレンボンガン島での最後の朝を過ごしましたが、滞在を通じて強く感じたのは「静けさ」と「素朴さ」です。バリ本島のように観光地として開発が進んではいるものの、まだ島全体には素朴な雰囲気が残り、バリ島以上にゆったりとした時間を楽しめます。透明度の高い海、ローカル感漂うビーチの風景、そして素朴ながらユニークなトラックタクシー。どれもが「ここでしか体験できない特別な思い出」になりました。「もっと早く来ていればよかった」と思わせるほど、この島は特別な魅力にあふれています。バリ島滞在の合間に訪れるだけでも十分価値があるレンボンガン島。次に訪れるときは、さらに長く滞在して、この島ならではの時間をもっと味わいたいと思いました。