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インドネシアが本格的な雨季に突入“悪天候リスク”と命を守る行動指針

インドネシア気象庁(BMKG)は、11月に入り同国の広い範囲で本格的な雨季へ突入したと発表し、洪水・強風・土砂崩れなどの災害リスクが急上昇しているとして警戒を呼びかけています。日本の大使館からも注意喚起が発出されるなか、取るべき行動や、日常で意識すべき危険ポイントについて、実体験を交えながら詳しく解説します。

インドネシア本格的雨季入り

11月、インドネシアはいよいよ本格的な雨季に入りました。

この時期、日本の「しとしと雨が続く」梅雨のイメージとは異なり、熱帯特有の激しいスコール・雷雨・突風が日常的に発生します。さらに、都市部の排水能力不足や老朽化したインフラの影響で、わずか数十分の豪雨でも道路が川のようになり、交通麻痺や停電、さらには洪水・土砂崩れへと発展することも珍しくありません。

インドネシア気象・気候・地球物理庁(BMKG)は、

「インドネシアの大部分が本格的な雨季に入った」

として国民全体に警戒を呼びかけました。

これに連動する形で、日本大使館からも「悪天候に注意」のアラートが発出され、今年の雨季は例年以上のリスクが伴うと予測されています。

では、この雨季に潜む危険性とは何か。そして私たちはどう備えるべきなのでしょうか。

大雨・洪水・強風・土砂崩れのリスクが急上昇

インドネシア全土が雨季入りし、洪水・強風・土砂災害のリスクが急上昇している現在、私たちは「日常レベルの備え」を徹底する必要があります。

雨季は自然現象で避けることはできません。しかし、情報不足や油断が事故や命に関わるリスクを大きくします。雨季の間は、自分自身と家族、そして従業員の安全を守るために、普段以上に天候情報と危険スポットに注意して行動することが欠かせません。

BMKGが11月初旬に発表したように、インドネシアでは雨季だからといって単に雨が増えるだけではなく、日常生活に以下のような影響が出ます。

  • 都市部での突発的な冠水
  • 道路が川のようになり、交通が完全停止
  • 河川水位の上昇による洪水
  • 山間部での土砂崩れや鉄砲水
  • 強風による倒木事故

排水設備が脆弱な地域では、30分の豪雨で冠水することも珍しくなく、車が水没し道路が封鎖されるケースも頻発します。

雨の強さは日本の“梅雨”とは別物

雨季の雨は、日本の梅雨とは質が異なり、

「バケツをひっくり返したような豪雨」

が突然降り始めます。

都市部・地方問わずインフラが対応しきれないため、豪雨が即座に災害につながりやすい点がインドネシアの雨季の特徴です。

今後1〜2週間は熱帯低気圧「カルマエギ」により悪天候が続くと予測

BMKGは、今週から来週にかけてインドネシア全域が熱帯低気圧「カルマエギ」の影響を強く受けると発表しています。この低気圧はフィリピンで大きな洪水被害をもたらしながら西へ移動しており、インドネシアにも広範囲の雨雲を発生させる見込みです。

予想される状況は以下の通りです。

  • 豪雨が数時間以上続く
  • 広域での強風
  • 鉄砲水の発生リスク増加
  • 土砂崩れや河川氾濫の可能性
  • 海上の波の高まりによる船舶の欠航・遅延

BMKGは、

「洪水、鉄砲水、土砂崩れ等の災害がいつ発生してもおかしくない」

と強く警鐘を鳴らしています。

熱帯低気圧がもたらす悪天候は、通常のスコールのように一時的ではなく、数時間〜半日以上続くことがあるため、警戒度は一段と高まります。

洪水・土砂崩れ・倒木事故は毎年発生し、命を落とすケースも

インドネシアの雨季では、毎年多くの事故・災害が発生しています。

BNPB(国家防災庁)によれば、

2024年には全国で約3,000件以上の水害・地滑り関連災害が発生

しており、その多くが雨季に集中しています。

倒木による死亡事故も珍しくなく、特に大雨や強風の日は、老朽化した街路樹や古い建造物から距離を置く必要があります。

ジャカルタでは20〜30分の豪雨で道路が川のように

ジャカルタに滞在していた際、わずか30分の豪雨で道路全体が冠水した場面を何度も経験しています。

豪雨後には車が立ち往生し、バイクが完全に水没してしまうほど。普段は問題ない道路でも、雨季には一変して危険地帯になります。

マカッサルでは強風による倒木事故が複数発生

南スラウェシ州マカッサルでも、強風の翌日、街路樹が根元から折れて道路を塞いでいる様子を何度か見かけました。報道によると、その倒木に巻き込まれてバイク運転者が怪我をした事故も起きています。

老朽化した木は風速20〜30km/h程度でも倒れる可能性があり、雨季は特に「木のそばを歩かない・停車しない」という対策が重要です。

洪水関連の災害は年間3,000件以上(BNPB)

国家防災庁(BNPB)のデータによれば、洪水、洪水を原因とする停電、土砂崩れ、住宅被害、河川氾など、年間で3,000件以上の災害が発生しています。

特に雨季ピークの12〜2月には、一日に数十件の災害が報告されており、日本よりもはるかに「天候と生活リスクが近い国」であることがよくわかります。

まとめ

  • インドネシア全土が本格的な雨季に入り、洪水・強風・土砂崩れなどのリスクが急上昇している。
  • 今後1〜2週間は熱帯低気圧の影響で悪天候が予測され、日本大使館も注意喚起を発出。
  • 外出の判断、危険スポットからの回避、最新情報の確認が「命を守る行動」につながる。

今年の雨季は熱帯低気圧の影響も重なり、例年以上に広域・長時間の悪天候が予測されています。私たちは「自分の身は自分で守る」という意識で、日常レベルの警戒を徹底する必要があります。

天気予報を確認し、老朽化した木、川沿い、斜面などの危険スポットには近づかないこと。必要な外出であっても無理をせず、予定そのものを調整する判断も大切です。雨季の安全対策は、小さな行動ひとつで大きく変わります。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。