カンポン・アイールの水上集落を散策し、ブルネイの伝統的な生活様式に触れた後は、ブルネイ観光のもうひとつの目玉であるモスク巡りへ向かいます。
ブルネイには数多くの美しいモスクがありますが、特に有名なのが
スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(オールドモスク)
ジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスク(ニューモスク)
の2つです。
どちらも黄金に輝くドームを持ち、ブルネイの豊かさと信仰の深さを象徴する建築物。今回はこの「新旧モスク」を見比べながら、それぞれの魅力を紹介します。
ブルネイを訪れて強く感じたのは、イスラム教への信仰の深さです。
インドネシアも世界最大のイスラム人口を抱えていますが、ブルネイでは街全体に宗教色がより濃く感じられます。
街中の看板はマレー語に加えてアラビア文字が併記され、これは東南アジアでもブルネイ特有の景観です。人口に対してモスクの数が非常に多いのも特徴で、信仰が生活と密接に結びついていることがよく分かります。
ブルネイではイスラム教が国教であり、スルタン(国王)は政治だけでなく宗教の最高権威でもあります。イスラム教は国のアイデンティティそのものであり、国民の生活の中心にあります。
最初に訪れたのは、ブルネイの象徴とも言えるスルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(1958年完成)。
通称「オールドモスク」と呼ばれ、現国王ハサナル・ボルキアの父である第28代スルタンが建設しました。
人工ラグーンに囲まれたモスクは、まるで水面に浮かんでいるよう。
白亜の外観に金色のドームが輝き、青空とのコントラストが見事で、初めて見た瞬間に思わず息を呑むほどの美しさです。
このモスクには当時約500万USドル(現在の価値では数十億円相当)が投じられ、
イタリア産大理石
中国産御影石
ベルギー製カーペット
オーストリア製ステンドグラス
など世界中の最高級素材が使用されています。
南側には、モスク全体を「額縁に入れて撮影できる」大きな金色のフレームが設置されています。
このフレーム越しに見るオールドモスクは、まさに美術館の絵画のようで、観光客に大人気の撮影スポットです。
私もここから撮影しましたが、白い建物と金色のドーム、そして青空が完璧な構図で収まり、思わず見惚れる美しさでした。
ラグーンには16世紀の王室御座船を再現したレプリカが浮かんでおり、モスクと合わせて撮影するとさらに荘厳な雰囲気が増します。
オールドモスクは礼拝時間を除き、非イスラム教徒も内部見学が可能です。
見学時間(公式)
月〜木・日:8:30〜12:00/13:30〜15:00/16:30〜17:30
金・土:16:30〜17:30のみ
私が訪れた日は残念ながら見学時間外だったため、外観だけの観賞となりましたが、それでも十分に圧倒される美しさでした。
オールドモスクの後は、配車アプリDartで「ジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスク」へ移動しました。
こちらは現国王即位25周年を記念して1994年に完成した、ブルネイ最大のモスクです。
ニューモスクを象徴するのが、29個の純金ドーム。
これは「第29代スルタン」である現国王ハサナル・ボルキアを意味しています。
オールドモスクの1つの大ドームとは対照的に、複数のドームが並ぶ壮麗なデザインで、青空の下で金色が輝く姿は息をのむほど迫力があります。
外観は白を基調とし、青系のタイル装飾が施されています。
4本のミナレット(尖塔)には青と白のストライプが入り、繊細なイスラム模様の彫りが光を受けて輝きます。
オールドモスクが「優雅で女性的」だとすれば、ニューモスクは「力強く壮大」な印象です。
ニューモスクの敷地は非常に広く、庭園の整備も徹底されています。
噴水が点在し、タイルの幾何学模様も美しく、歩いているだけで心が洗われるような空間です。
特に驚いたのは、庭園にある大理石製ベンチ。
一つ1,000万円以上する高級ベンチもあるとのことで、豊かな国ブルネイならではのスケールを感じます。
ニューモスクの見学はオールドモスク以上に制限があります。
見学時間
土〜木:8:00〜11:30/14:00〜15:00
金曜:終日見学不可
この日はちょうど閉館時間に重なってしまい、内部には入れませんでしたが、広い庭園は開放されており、外観だけでも十分に見応えがありました。
オールドモスクは「水に浮かぶような美しさ」が際立ち、写真映えするスポットとして人気。
一方でニューモスクは「規模と豪華さ」が圧倒的で、まさにブルネイの豊かさの象徴です。
2つのモスクを訪れて強く感じたのは、ブルネイが小国でありながら圧倒的に豊かな国だということ。
世界中から最高級の建材を集め、純金のドームを29個設置し、大理石のベンチを置く——これは単なる贅沢ではなく、イスラム教への敬意と信仰の深さの表れでもあります。
ブルネイではモスクは
としての役割を果たしています。
移動中に見える看板にはアラビア文字が併記され、街全体に統一感があります。
インドネシアやマレーシアと比べても宗教色がより前面に出ており、ブルネイならではの静けさと厳かさが漂っています。
モスクの数も非常に多く、大小さまざまなモスクが街中に点在。
カンポン・アイールの水上集落にもモスクがあり、住民が日常的に礼拝できる環境が整備されています。
今回は時間が合わず見られませんでしたが、両モスクは夜になるとライトアップされ、昼とは別世界のような幻想的な姿を見せるそうです。
特にオールドモスクはラグーンに映るライトアップが美しく、ニューモスクは29個の金色ドームが夜空に輝く姿が圧巻とのこと。
次回訪れる際にはぜひ夜景も見てみたいと心から思いました。
オールドモスクとニューモスク——
2つのモスクを訪れることで、ブルネイの歴史の変遷と信仰の深さを直接感じることができました。
オールドモスクは、独立前に建てられた伝統と格式の象徴
ニューモスクは、独立後の豊かさと近代化を象徴する建築
ブルネイは小国ながら、文化と信仰の豊かさではどの国にも引けを取りません。
モスクを訪れるたび、この国の本質に少しずつ触れられるような感覚を覚えました。