インドネシア・テルナテの南に浮かぶマイタラ島。1000ルピア紙幣に描かれたこの島は、記念碑だけでなく、その目の前の海こそが最大の見どころでした。曇り空の下でも透明度は抜群で、色鮮やかなサンゴ礁と魚たちが広がり、まるで天然の水族館。建設中のダイビングセンターやバンガローもあり、今後ますます注目されそうな場所で過ごした時間は、忘れられない思い出となりました。
マイタラ島の観光スポットといえば「Monumen Uang Seribu(1000ルピア記念碑)」。紙幣と同じ景色を目の前で見るだけでも特別感がありますが、そのすぐ足元に広がる海が、さらに大きな感動を与えてくれました。
記念碑の前には建設途中のダイビングセンターや海上バンガローが並び、まだ整備中の雰囲気ながら、観光地としての将来性を強く感じさせます。
設備が整えば、世界中からダイバーが集まること間違いなしのポテンシャルを秘めています。
この日はあいにくの曇り空で日差しは弱かったものの、海に入るとその透明度の高さに驚かされました。足元から遠くの海底まで見通せるほどで、波もほとんどなく穏やか。まさにシュノーケリングに理想的なコンディションでした。
少し泳ぎ進めると、目の前にサンゴ礁が広がり、色とりどりの魚が群れをなして舞う光景に包まれます。曇り空を忘れるほど鮮やかな世界に、ただただ魅了されました。
水中をのぞくと、テーブル状に広がる大きなサンゴや、枝のように伸びたミドリイシ、丸く膨らんだ脳サンゴなど、形も色も多様なサンゴが次々と現れます。その間を小さな熱帯魚から群れをなす中型の魚まで、数え切れないほどの魚たちが行き交っていました。
特に印象的だったのは、岸からほんの数十メートルの場所でこれほど豊かな海中世界が広がっていること。通常なら船で移動してようやく出会える光景が、マイタラ島では陸のすぐそばで楽しめてしまうのです。
さらに沖へ泳ぐと、海底が急に深く落ち込む「ドロップオフ」に出会います。サンゴ礁の先が一気に暗いブルーの世界に変わり、その境界線を無数の魚たちが行き交う光景はまさに圧巻。海の奥深さと自然のダイナミックさを全身で感じる瞬間でした。
ダイビング器材がなくても、シュノーケリングだけで十分に迫力を体感できます。今後本格的なダイビング施設が整えば、さらに奥深い海の世界が多くの人に開かれることでしょう。
シュノーケリングを終えて海から上がると、岸辺のガゼボでひと休み。濡れた体に潮風が心地よく、目の前には雄大なテルナテ島の山並みが広がります。手にしたのは、インドネシアの定番カップ麺「Pop Mie」。シンプルながら、海を見ながらすすった温かい麺の味は、旅の中で忘れられないごちそうになりました。
人の少ない島で、ただのんびりと座り、景色を眺めながら過ごす時間は、豪華なリゾートにはない贅沢です。
マイタラ島の1000ルピア記念碑は観光の象徴ですが、その真価はやはり海にあります。今後ダイビングセンターや宿泊施設が整備されれば、テルナテ周辺観光のハイライトとなるでしょう。
ただ同時に、豊かなサンゴ礁を守るためには観光開発とのバランスが欠かせません。この美しい海が未来の世代にも残されることを強く願います。
1000ルピア紙幣に描かれたマイタラ島。その象徴である記念碑の前で潜った海は、想像を超える美しさでした。サンゴ礁や魚の群れ、ドロップオフの迫力、そしてのんびりした島時間。どれも旅人の心を癒やし、忘れられない体験を与えてくれます。
今はまだ観光地化が進んでいないため、シュノーケリングをしている人はほとんどおらず、まるでプライベートビーチのような贅沢な空間を独り占めできます。訪れるなら、まさに今がベストタイミング。1000ルピアに描かれた風景とともに、静かな海で過ごす体験は、この先ますます貴重な思い出になるでしょう。