バリからマカッサルへ、ライオンエアJT744便の“カオス移動”とオーバーツーリズムの現実

ラブアンバジョ、バリと続いた家族との夏の旅もいよいよ終わり。私は次の予定のためマカッサルへ戻り、家族はその夜の便で日本へ帰国します。バリ・デンパサール空港で家族と別れ、私は国内線のライオンエア JT744便でマカッサルへ向かう予定でした。…が、結果としてこのフライトは予想を超える“試練”となりました。

前日の時間変更メールで不安なスタート

JT744便の定刻は16:40発。ところが前日にライオンエアから「出発時刻を16:10に変更」とのメールが届きました。搭乗時間は15:40。国内線では珍しい“早まる”変更に戸惑いつつも、それを信じて早めの行動を決意します。

宿泊していたチャングーのヴィラを11:30頃に出発。空港までは通常であれば車で1時間もかからない距離です。ところが、週末ということもあり、道はまさかの大渋滞に。

オーバーツーリズムが引き起こす深刻な渋滞

車がサンセットロードに入った途端、交通は完全にストップ。バリ島は今、深刻な“オーバーツーリズム”の渦中にあります。2024年から2025年にかけて観光客数はコロナ前の水準をはるかに超え、特に週末の午後はどこへ行くにも大渋滞。

Googleマップは真っ赤に染まり、車の列は一向に動きません。ドライバーも「今日は最悪だね…」と苦笑い。観光ブームの恩恵を受ける一方で、インフラ整備が追いついておらず、空港へのアクセスすらまともにできない状況です。

結局、空港に到着したのは出発予定の2時間前、13:30。通常より余裕を持ったつもりでも、ギリギリに感じるほどストレスフルな移動でした。

国際線で家族とお別れ、そして国内線へ

まずは国際線ターミナルで家族を見送り、私は国内線ターミナルへ。家族はこの後、空港近くでマッサージやショッピングを楽しむとのことで、最後は「気をつけて!」と笑顔で見送りました。

空港内の無料カートサービスを使って移動します。バリ空港は国際線と国内線が分かれており、初めてだと戸惑うほどの距離があります。

チェックインカウンターのカオス

国内線ターミナルに入ると、目の前に現れたのはライオンエアのカウンターにできた長蛇の列。

Webチェックイン済みでも預け荷物がある場合は、この列に並ばざるを得ません。29〜33番カウンターすべてがライオンエアにもかかわらず、進行は遅々として進まず…。結局、チェックイン完了まで1時間を要しました。スタッフも不足しており、案内も不明瞭。旅行者のイライラが至るところで聞こえてきます。

ラウンジで一息…のつもりが不穏な空気

やっとの思いで搭乗券を手にし、ラウンジで軽く食事と休憩。しかし15:40になっても案内はなし。アナウンスもなく、周囲には不安げな乗客の姿が広がります。この時点でフライトレーダーを開いてみると、衝撃の事実が判明。JT744便の機材がまだバリに到着していなかったのです。つまり、早まるどころか「飛行機がまだ来ていない」という驚きの事実でした。

驚異のディレイ率と運航の不透明さ

後から調べたところ、JT744便は定刻出発率7%、90分以上の遅延が実に50%を超えるという、悪名高い便でした。

出発時間を“早めた”連絡があったにもかかわらず、機材未到着という現実。これは単なる遅延ではなく、オペレーション上の信頼の欠如そのものです。結局、搭乗が始まったのは17:15。定刻より約1時間遅れ。出発は18:00過ぎ。家族との別れを急ぐ必要もなかった…という虚しさだけが残ります。

旅にはトラブルがつきものとはいえ、今回のライオンエアの“謎オペレーション”には考えさせられるものがありました。

バリの現実!観光ブームの代償

今回の移動で痛感したのは、バリ島の“キャパオーバー”な現状です。華やかなリゾートの裏側で、道路や空港の混雑、インフラ整備の遅れが深刻なレベルに達しています。

特にチャングーやスミニャック、そして空港周辺の交通渋滞は、旅行者だけでなく地元の人々の生活にも大きな影響を及ぼしており、今後は観光政策の見直しが不可欠と言えるでしょう。

旅の終わりに残る“余韻”と“教訓”

家族と過ごしたバリ島でのかけがえのない時間。そして、その終わりに訪れた不運なフライト体験。今後、バリ島を訪れる予定の方には、以下の点を強くおすすめします:

  • 空港までは3時間以上の余裕をもって出発を! 渋滞にはまって飛行機に乗り遅れるリスクが非常に高くなっています。
  • 荷物を預ける予定がある方は、さらに時間に余裕を持つこと。
  • ライオンエアを利用する場合は、遅延を前提にスケジュールを立てること。
  • 可能であれば、より信頼性の高いガルーダ・インドネシア航空などを選ぶこと。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。