ピンクビーチを満喫した後、スピードボートで約30分、ついにコモド島へ到着。今回は、観光客用の上陸地点ではなく、実際に人々が暮らす「コモド村」の港に上陸しました。
カラフルな高床式の木造住宅が並び、素朴な雰囲気の中、子どもたちが元気に走り回り、住民たちが穏やかに暮らしています。意外かもしれませんが、コモド島には約2,000人もの人々が生活しており、観光地であると同時に、しっかりとした「生活の場」としての一面も持っています。
昔ながらの高床式住居は、湿気や洪水、そして野生動物からの身を守るための知恵。洗濯物が風になびくのどかな小道を歩きながら、現地の人々と挨拶を交わすこの時間も、旅の大切な思い出です。
コモド島といえば、何といっても「コモドドラゴン(インドネシア語:Biawak Komodo)」の生息地として有名。コモドドラゴンは世界最大のトカゲで、体長は最大で3メートル、体重は70〜90kgにもなることがあります。生息地は、インドネシア・ヌサトゥンガラ諸島の限られた地域のみで、コモド島、リンチャ島、ロンゴス島、ギリ・モタン島、ギリ・ダサミ島などで確認されています。現在、野生のコモドドラゴンの推定生息数は、約3,400頭前後とされており、その大半がコモド国立公園内に集中しています。絶滅危惧種に指定されており、厳重な保護の下で管理されています。
その特徴は、分厚い鱗に覆われた恐竜のような外見、強力なアゴと鋭い歯、そして毒腺を持つ唾液。噛みつかれると出血と感染症を引き起こすため、非常に危険な存在ですが、基本的には刺激しなければ襲ってくることはありません。
今回のツアーでは、専門のコモドレンジャーが同行。長い木の棒を持ち、観察中の安全を確保してくれます。コースは1時間〜2時間のトレッキングから選択でき、今回は家族で無理なく楽しめる、1時間のショートコースを選びました。
村を抜けるとすぐに、最初のコモドドラゴンを発見!岩の上でじっとしている幼体です。
小さいうちは、天敵から身を守るために高所に登る習性があるそうで、昆虫や小動物を捕食しながら成長し、やがて地上に降りてくるとのこと。野生の知恵を感じる光景です。
さらに進むと、ついに巨大なオスのコモドドラゴンが登場! 全長2メートル超、堂々とした風格に圧倒されます。ちょうど食事を終えた後らしく、のんびりと寝そべっていますが、その筋肉質な体と鋭い爪を見ると、油断できない雰囲気です。
レンジャーの指示で、2メートルほど離れた位置から記念撮影。遠近法を駆使して、まるで隣にいるような迫力の写真が撮れました。
観察ルート終盤、別のレンジャーから「動き回るコモドがいる」との情報。沢沿いへ行くと、活発に歩き回る中型のコモドドラゴンを発見! 舌を出し、周囲を警戒しながら悠々と歩く姿は、まさに野生そのもの。
レンジャーの巧みな誘導で、首を高く上げた「コモドスタイル」のかっこいい姿勢を撮影でき、旅のハイライトとなりました。ちなみに、コモドドラゴンは時速20km以上で走ることができ、非常に俊敏。レンジャーが常に目を光らせてくれるので、安心して観察できます。
今回のツアーは、コモドドラゴンの生息地としては最も観察確率が高いコモド島・コモド村からの出発だったため、非常に充実した内容となりました。最近は観光ルートでの遭遇率が下がっているとのことで、これだけの近距離で複数の個体を観察できたのは、とてもラッキーな体験だったようです。
世界自然遺産にも登録されているコモド国立公園。そのシンボルであるコモドドラゴンは、まさに太古のロマンを感じさせる存在です。野生の姿を安全に、かつ間近で観察できるこのツアーは、家族連れにもおすすめ。ラブアンバジョ滞在の際は、ぜひ訪れてみてください。