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路地裏で見つけた隠れ家サウナ――マカッサル「KASIATKU(カシアク)」体験記

ルコの奥にひっそり佇むサウナ「KASIATKU」を訪ねました。スチームとミスト、水風呂、ホットスパを備え、125,000ルピアで十分に“整う”実力派です。受付からロッカー、回し方のコツ、混雑時間や清潔感、2階のマッサージ情報、見つけにくい入口へのアクセスのポイントまで、初めてでも安心できる実体験を詳しくご紹介します。

マカッサルのサウナ

マカッサルで「今日はしっかり汗をかいて整えたい」と思い、地図で見つけたKASIATKUに行ってみました。場所はルコ(店舗兼住居)が並ぶ一角のさらに奥で、表通りからはほとんど見えません。細い通路を進み、黒い外壁にメタリックのロゴが掲げられたガラス扉を押すと、やわらかな間接照明の受付が現れます。サウナ利用を伝えると鍵を渡され、ロッカーへ案内されました。コンパクトな施設ながら導線がわかりやすく、初めてでも迷わずに準備を進められる印象です。

隠れ家らしいアプローチ

入口はとても控えめで、知らなければ通り過ぎてしまいそうです。中へ入ると、モザイクタイルと石材を組み合わせた落ち着いたエントランスが続き、街の喧騒がすっと遠のきます。受付のスタッフは手際がよく、ロッカーの場所や使い方を簡潔に説明してくれました。ロッカーは十分な容量があり、バッグと貴重品をしまっても余裕があります。言葉に自信がなくても、笑顔と身振りでスムーズにやり取りできる、ローカルならではの温かさを感じました。

更衣スペースは必要十分という表現がぴったりです。壁一面に丸く巻かれたタオルが整然と並び、補充もこまめに行われていました。洗面台は三基で、黒い天板と金色がかった縁取りのモザイクがアクセントになっています。石鹸やペーパーもしっかり用意され、清潔感がありました。床は水はけのよいタイルで、濡れていても滑りにくい素材です。天井の円形レリーフとダウンライトの連なりが、どこか懐かしくもリゾート感のある雰囲気をつくっており、年季は感じるものの、掃除が行き届いていて気持ちよく使えます。

ミスト、スチーム、水風呂、ホットスパ

浴場に入ると、ガラス越しに白くけむる二つの部屋が見えます。片方がミストサウナ、もう片方がスチームサウナです。どちらも全面ガラス張りで中が見えるため、初めてでも入りやすい設計です。ミストサウナは湿度が高く呼吸が楽で、体感温度は控えめでした。肌に水分を含ませるように長く入るには向いていますが、強い発汗を求める方には少し物足りなく感じるかもしれません。対してスチームサウナは温度と湿度のバランスがよく、数分で額から汗がつっと落ちていきます。蒸気が全身を包み込む重みが心地よく、肩や背中のこわばりがほどけていくのがはっきりとわかりました。

すぐ横には小ぶりの水風呂があり、温度はきゅっと締めてくれる設定です。スチームで温まった体を沈めると、血管がすばやく収縮する感覚が爽快でした。さらに奥には浅めのホットスパがあり、冷やしたあとに温め直してリズムをつくるのに役立ちます。スチームで上げて、水で締め、ホットスパで整えるコンパクトながら「効かせ方」がよく考えられていると感じました。

休日夕方の雰囲気とローカルとの距離

訪れたのは日曜の夕方で、先客はおよそ十名でした。黙々と汗を流す方もいれば、友人同士で談笑しながら回す方もいます。水風呂は譲り合いながら使う必要がありますが、待ち時間が気になるほどではありません。浴場の脇にはアルミのテーブルとチェアが置かれた休憩スペースがあり、ダウンライトの明るさがちょうどよく、呼吸を整えるのに最適でした。座っていると自然に声をかけられ、どこから来たのか、初めてかどうかといった会話が始まります。ローカルのサウナは、こうしたささやかな交流が楽しみの一つだと改めて感じます。

“整い”ルーティンと体感

この日はスチームを主軸に三セット回しました。最初は約十分。蒸気の膜が肺にあたたかく触れ、汗腺が開いていくのを待ちます。水風呂で一分ほど締め、休憩で呼吸を整えると、視界が少しクリアになってきました。二巡目は十二分ほど入り、頭皮までしっかり汗がにじみました。水風呂を一分半、ホットスパで二分温め直すと、体幹にもう一度火が灯るように血の巡りがよくなります。仕上げは温度の低いミストで八分ほど。心拍を落ち着かせながら余韻を味わえ、外気浴がなくても“ピントが合う瞬間”が訪れました。

料金・滞在時間・マッサージ

料金は125,000ルピアでした。設備と清潔さを考えると良心的な価格だと思います。時間制限は厳しくなく、二時間あれば十分に満足できます。二階にはマッサージも受けられるとのことでしたが、今回はサウナだけで体がしっかりほぐれたため見送りました。次回は「スチームで発汗→マッサージで仕上げ」という組み合わせも試してみたいです。

細部の使い勝手と安心感

清掃はよく行き届いており、床のぬめりは感じませんでした。ガラス面に残る水滴や曇りは稼働の証で、かえって安心感があります。ロッカーは鍵の管理を徹底すれば不安は少ないと思います。館内は明るすぎず暗すぎず、モザイク柱や石調タイルの鈍い光沢がゆったりした時間を演出してくれます。派手な演出はありませんが、実用本位の設計だからこそ回しやすさにつながっていると感じました。

アクセスのコツと混雑の目安

唯一のハードルは場所のわかりにくさです。表通りから視認できないため、地図アプリを頼りにルコの奥へ進むのが確実です。初回は少し早めに到着し、周囲を確認してから入ると戸惑いが少なくてすみます。混雑は週末夕方がピークで、平日の昼~夕方前は比較的ゆったりしている印象でした。水風呂が小ぶりなので、譲り合って使うとお互い気持ちよく過ごせます。

まとめ

KASIATKUは、華美な大型スパではありませんが、スチームの力強さ・水風呂のキレ・ホットスパの温め直しという“整いの三点”がしっかり機能している実力派のサウナです。清潔感があり、ローカルの方々に混ざって落ち着いて汗をかけます。125,000ルピアという価格も魅力で、マカッサル滞在中に「今日は体をリセットしたい」という日に安心しておすすめできます。奥まった立地ゆえに隠れ家的な特別感もあり、次回はマッサージまで含めたフルコースでさらに深い“ととのい”を味わってみたいと思いました。

KASIATKU(カシアク)

設備:ミスト/スチーム/水風呂/ホットスパ/休憩スペース/ロッカー

料金:125,000 IDR

所要:90–120分目安

場所:

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。