ジャカルタ市内からスカルノハッタ国際空港までの移動といえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは道路の大渋滞です。特に朝夕のラッシュ時には、中心部から空港まで2時間以上かかることも珍しくありません。しかし、BNIシティ駅から発着する空港鉄道(KA Bandara)を利用すれば、その心配は無用。渋滞に左右されることなく、市内から空港までを時間通りに、しかも快適に移動できます。今回は、スディルマン駅前で昼食を済ませた後、このルートを利用してターミナル3の「ブルースカイラウンジ」で出発までの時間を過ごすという、まさに理想的な移動を体験しました。
「Bakmie Kasih」で満足の一杯をいただいた後、歩いて数分でBNIシティ駅に到着。
MRTやKRLスディルマン駅からも直結しているため、乗り換えもスムーズです。駅構内は明るく清潔で、広いコンコースには自動券売機が並びます。クレジットカード決済にも対応しており、現金不要でチケット購入が可能です。
券売機はインドネシア語と英語の切り替えができ、操作も簡単。画面で行き先「Soekarno-Hatta」を選び、決済を済ませればQRコード付きのチケットが発行されます。改札口ではQRコードをかざすだけでスムーズに通過可能。私は事前にKAIアプリで決済を済ませていたため、スマホ画面のQRコードをかざしてそのまま改札を通過しました。
BNIシティ駅からスカルノハッタ空港駅まではおよそ40分。渋滞を気にせず定刻通りに到着できるこの安心感は、何物にも代えがたいものです。
ホームに降りると、白いボディにオレンジのラインが入ったKAI空港鉄道が入線。発車時刻になると静かにドアが閉まり、スムーズに加速していきます。揺れは少なく、読書やPC作業にも集中できる安定感があります。
この日の車内は空席が多く、2人掛けの座席を1人でゆったり使用できました。背もたれや肘掛けの高さがちょうど良く、短距離移動ながら十分な快適性があります。冷房はしっかり効いており、外の蒸し暑さとは別世界。清掃も行き届き、シートや床は清潔そのものです。
窓からはジャカルタ中心部の高層ビル群が遠ざかり、やがて低層住宅や緑地が広がります。市街地を抜けると、郊外の田園風景や空港敷地の外周フェンスが見え始め、滑走路の向こうにターミナルビルが姿を現します。
終点のスカルノハッタ空港駅に到着すると、ここからはスカイトレインで各ターミナルへ移動します。ホームからエスカレーターを上がると案内表示が分かりやすく、初めてでも迷うことはありません。
スカイトレインは無料で数分おきに運行。空港敷地内の高架を走るため、車窓から滑走路や駐機場の様子を見渡せます。ターミナル3は国際線・国内線の一部が発着する最新のターミナルで、広々とした開放的な空間が印象的です。
今回は事前にWEBチェックインを済ませていたため、ターミナル到着後はそのまま保安検査場へ直行。カウンターでの手続きが不要な分、時間のロスがなく、出発前の過ごし方にゆとりが生まれます。
保安検査を通過した後は、久々に「ブルースカイラウンジ」へ。ターミナル3の国内線エリアにあり、朝から夕方までの営業。夜間は利用できないため、夕方前の便でないと立ち寄れないのが難点です。
ラウンジは広さこそ控えめですが、スタッフの対応は迅速で丁寧。席数は少なめながら、空席が出るとすぐに片付けられるため、回転は比較的早い印象です。
ブルースカイラウンジの特徴は、併設された「Ippolito」カフェで提供される本格コーヒー。エスプレッソ、カプチーノ、ラテなどのメニューが揃い、豆の香りが際立つ一杯が味わえます。この日はホットコーヒーを注文し、窓際席で空港の景色を眺めながらゆっくり楽しみました。
軽食コーナーにはナシゴレンやミーゴレン、サンドイッチ、サラダ、スープ、スイーツまで豊富に揃い、フライト前の軽い食事には十分。野菜や果物も用意され、バランスを意識したい人にもおすすめです。
コーヒーと軽食を楽しんだ後は、少し早めにゲート前へ移動。出発までの時間を静かに過ごしながら、これから始まるフライトに向けて心の準備を整えます。
ガルーダ・インドネシア航空は定時運航率が高く、この日も予定通りの出発が見込まれます。ここまでの流れは、まさに「渋滞知らず・遅延なしのストレスフリー」の理想形でした。
BNIシティ駅から空港鉄道を利用するルートは、時間・快適さ・効率のバランスが取れた「完璧な空港アクセス」です。渋滞を避けたい方はもちろん、限られた滞在時間を有効に使いたい方にも最適。ジャカルタ滞在の締めくくりに、ぜひ一度試してみてください。