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ジョリビー初体験!海外1号店で味わうフィリピン国民食がブルネイに広がった理由

赤い蜂のマスコットに誘われて

ガドン・ナイトマーケットで激安グルメを堪能した翌日、ブルネイ滞在もいよいよ最終日となり、どうしても訪れたい場所がありました。それが、フィリピン発祥のファストフードチェーン「ジョリビー(Jollibee)」です。

実は、ブルネイはジョリビーが初めて海外出店を果たした国。1987年に最初の海外店舗がブルネイにオープンし、この成功を足がかりに世界へと展開していった歴史があります。

フィリピンに行ったことがない私にとって、ジョリビーを味わえる貴重な機会。赤い蜂のマスコットでおなじみのあの店は、どんな味なのか。期待を胸に、向かいました。

ジョリビーとは — フィリピン最大の国民的ファストフード

ジョリビー(Jollibee)は1978年創業のフィリピン発祥チェーンで、国内ではマクドナルドを凌ぐ圧倒的な人気を誇ります。

  • フィリピン国内:約1,000店舗
  • 海外:米国、中東、アジアなどに計1,600店舗以上展開

フィリピンでは「誕生日はジョリビーで祝う」と言われるほど家庭に根付いており、まさに国民食といえる存在です。

ジョリビーが愛される理由

1. 甘めの味付けが国民性とマッチ

看板メニューの「ジョリースパゲッティ」は、バナナケチャップを使った甘いソースが特徴。

2. フライドチキンが圧倒的に美味しい

チキンジョイ(Chickenjoy)は“フィリピンで最も愛されるチキン”とも言われ、サクサクの衣とジューシーな肉質が評判です。

3. 手頃な価格でファミリー層に人気

外食文化にフィットする価格設定で、どの世代からも支持されています。

なぜ海外1号店がブルネイだったのか

ここで疑問が浮かびます。

なぜジョリビーは、最初の海外展開にブルネイを選んだのか?

フィリピン人労働者(OFW)が多い

ブルネイには2〜3万人規模のフィリピン人労働者が働いています(人口約45万の国としては非常に大きい割合)。

「故郷の味」であるジョリビーの需要が確実に見込めたのです。

食文化が似ている

ブルネイはマレー系文化圏で、

・甘めの味付け

・米が主食

・チキン料理が豊富

といった点でフィリピン料理と近く、ローカライズの必要性が少なかったことが成功要因の一つでした。

競合が少なかった

当時のブルネイには、KFC、マクドナルド、ピザハットなどの大手チェーンが少なく、ジョリビーが参入しても十分勝機があるマーケットでした。

店舗に到着 — 清潔で明るい空間

Dartで向かった店舗は市内中心部のショッピングモール内にあり、入口では赤い蜂のマスコット「ジョリビー」が迎えてくれます。

店内は清潔で明るく、ファミリー層で賑わっています。

壁には、

“OUR FIRST OVERSEAS ADVENTURE – Brunei 1987”

など、ジョリビーの歴史を伝えるプレートが飾られています。

メニューを確認 — 名物チキンジョイを注文

メニューの主な価格(※ブルネイドル):

  • Chickenjoy 1ピース:3.30ドル
  • 2ピースセット:5.70ドル
  • Jolly Spaghetti:6.50ドル
  • Nasi Lemak:4.00ドル
  • Yumburger/Hotdog などもあり

私は看板商品の「チキンジョイ1ピースミール(ご飯&飲み物付き)」を3.9ドルで注文。オリジナル味とスパイシー味の選択があり、オリジナルを選びました。

チキンジョイ到着 — サクサク衣 × ジューシー肉

パッケージを開けると、黄金色に輝くフライドチキンとご飯、グレービーソースがセットになっています。

一口目の感動

衣がサクッと崩れ、中から肉汁がじゅわっと溢れます。

KFCとは違い、スパイスを効かせすぎずシンプルに素材の旨味を引き出すタイプで、驚くほど軽く食べられます。

グレービーソースの魔力

甘さと旨味のバランスが絶妙で、

・チキンにかけても、

・ご飯に混ぜても美味しい、

万能ソースとして大人気なのも納得です。

他のメニューも人気 — 甘いスパゲッティ文化

店内を見ると、多くの家族連れが「ジョリースパゲッティ」を注文していました。

バナナケチャップの甘い香りが特徴で、フィリピンでは子どもが一番好きなスパゲッティとも言われています。

次回フィリピンに行く機会があれば必ず試したいと思いました。

店内の雰囲気 — ファミリーで賑わう幸福な空間

店内はファミリー層が多く、子どもたちはマスコット像の前で写真を撮って大はしゃぎ。

また、フィリピン人グループの姿も目立ち、彼らにとって“故郷の味が食べられる場所”としての重要性が伝わってきます。

なぜインドネシアには出店していないのか

インドネシアは東南アジア最大の市場にも関わらず、ジョリビーの店舗はゼロ。その理由は明快です。

競合が強すぎる

インドネシアは世界有数のフライドチキン大国。

KFC、Texas Chicken、A&W、CFC、Richeese Factoryなどローカル勢も強く、参入は極めて困難。

甘いスパゲッティ文化がない

ジョリビーのもう一つの武器、甘いスパゲッティはインドネシアの嗜好とはやや乖離しており、受け入れが難しい可能性があります。

ハラール認証の難易度

MUIハラールは厳格で、調味料・原材料・製造工程全てを見直す必要があります。

この参入コストが大きいことも理由の一つと推測されます。

ブルネイでの成功 — 小規模市場こそ強かった

ブルネイはジョリビーにとって理想的な条件が揃っていました。

  • フィリピン人労働者が多い(初期需要が確実)
  • 甘い味付け文化がフィリピンと近い
  • 競合が少なく勝ちやすい
  • ハラール審査が比較的シンプル
  • 隣国マレーシア経由で物流が容易

これらが重なり、1987年という早期の段階で海外1号店に選ばれたのです。

まとめ — ブルネイで味わう“フィリピンの国民食”

チキンジョイを完食し、ジョリビーが国民的人気を誇る理由を肌で感じました。

  • 手頃な価格
  • 家族で行きやすい雰囲気
  • シンプルで美味しいチキン
  • 故郷を思い出させる味

海外で暮らすフィリピン人にとって、この店がどれほど支えになっているのかも理解できました。ジョリビー初体験は、想像以上に素晴らしいものでした。

ブルネイが海外1号店となった理由、その成功の背景、そして味の魅力。すべてが納得できる体験でした。いつかフィリピンを訪れ、本場のジョリビーで甘いスパゲッティも含めた“フルコース”を楽しみたいと思います。

kenji kuzunuki

葛貫ケンジ@インドネシアの海で闘う社長🇮🇩 Kenndo Fisheries 代表🏢 インドネシア全国の魅力を発信🎥 タコなどの水産会社を経営中25年間サラリーマン人生から、インドネシアで起業してインドネシアライフを満喫しています。 インドネシア情報だけでなく、営業部門に長年いましたので、営業についてや、今プログラミングを勉強中ですので、皆さんのお役にたつ情報をお伝えします。