ラマダン期間中のインドネシアでは、
日中の断食(プアサ)を行うイスラム教徒が多くいます。
そのため、ラマダンの時期になると、
レストランや街の雰囲気も少し変わります。
昼間のレストランは静かで、
日没になると一気に賑やかになる。
そんな光景をよく見かけます。
では、飛行機の中ではどうなのでしょうか。
ラマダン中のフライトでは、
機内食を食べる人が多いのか、
それとも断食を続ける人が多いのか。
今回、マカッサルからジャカルタへ向かう
ガルーダインドネシア航空の機内で、
ちょっとした観察をしてみました。
今回のフライトは
マカッサルからジャカルタへ向かう国内線。
インドネシア国内でも
非常に利用者が多い人気路線です。
搭乗が始まり機内へ入ると、
すぐに気づいたことがあります。
ほぼ満席。
ラマダン中なので
もう少し空いているかと思っていましたが、
機内はほとんどの座席が埋まっています。
この日のフライトでは
残念ながら窓側の席を取ることができず、
通路側の席になりました。
私はいつも、
離陸後に窓から見える景色や雲を見るのが
ちょっとした楽しみなのですが、
今回はそれができません。
少し残念ですが、
今回は別の楽しみがあります。
それは
ラマダン中の機内の様子を観察すること。
今回のフライトで
一番気になっていたのはこれです。
ラマダン中、機内食はどうなるのか。
イスラム教徒は
ラマダンの期間中、
日の出から日没まで
飲食を控える断食を行います。
そのため、
飛行機の中でも
多くの人が機内食を断るのではないか
と予想していました。
もしかすると
半分以上の人が断るのではないか。
そんなことも想像していました。
しかし実際は、
予想とはかなり違う光景でした。
機内食のサービスが始まりました。
CAさんが
一列ずつ食事を配っていきます。
その様子を見ていると、
意外なことに気付きます。
ほとんどの人が普通に受け取っています。
周りの座席を見ても、
機内食を断る人はほとんどいません。
機内の様子を観察してみると、
断っていたのは
私の近くで寝ていた
1人だけ。
しかもその人は
断食というよりも
単純に寝ていただけのようでした。
つまり、
ほぼ全員が機内食を食べている。
これは少し驚きでした。
ラマダン中なので
もっと断る人が多いと思っていたからです。
この理由は、
イスラム教のルールにあります。
実はラマダンの断食には、
いくつかの例外があります。
その一つが
旅行中です。
イスラム教では、
旅行中
病気
妊娠
高齢
などの場合には、
断食をしなくても良いとされています。
その代わり、
後日その分を補うことができます。
つまり
「今日は断食をしない」
と決めた場合は、
別の日にその分を行えば良いのです。
飛行機の中は
まさに旅行中の状態。
そのため多くの人が
このルールを利用して、
断食を一時的に休止しているようです。
もう一つ、
面白い理由もあるのではないかと思います。
それは
周りの人が食べていること。
飛行機の中は
レストランのように
「幕で隠して食べる」
ということができません。
機内では
すぐ隣で食事が始まります。
しかも機内食は
なかなか良い香りがします。
もし断食を続けていたとしても、
隣の人が美味しそうに食べていたら
やはり気になります。
その雰囲気もあって、
多くの人が普通に機内食を
受け取っているのかもしれません。
この日の機内食はナシクニン
今回の機内食は
ナシクニンとアヤム。
ナシクニンは
インドネシアでは非常に有名な料理です。
ターメリックで色付けされた
黄色いご飯で、
ココナッツミルクの香りが
ほんのりします。
そこに
チキン(アヤム)や
おかずが添えられています。
ガルーダインドネシアの機内食は
国内線でもなかなか美味しいことで
知られています。
今回のナシクニンも
しっかり味がついていて
とても美味しかったです。
空の上で食べるご飯は、
なぜか少し特別な感じがします。
食事が終わり、
機内の様子を観察していると
時間があっという間に過ぎていきます。
周りでは
映画を見ている人
スマホを触っている人
寝ている人
など、
それぞれの時間を過ごしています。
マカッサルからジャカルタまでは
約2時間ほどのフライト。
気づけば
機長から到着のアナウンスが流れました。
外を見ることはできませんでしたが、
機内観察をしていたおかげで
退屈することはありませんでした。
今回のフライトでは
ちょっとした発見がありました。
ラマダン中でも
飛行機の中では
ほとんどの人が機内食を食べている。
これは
実際に乗ってみないと
分からないことでした。
宗教行事というと
とても厳格なイメージがありますが、
実際の生活の中では
こうした柔軟なルールもあります。
旅行中は断食を休止し、
その分を後日補う。
そんな文化も
インドネシアの生活の一部です。
今回のフライトは
窓の景色は見られませんでしたが、
代わりに
ラマダン中の人々の行動を
少し観察することができました。
同じラマダンでも
街
空港
飛行機
場所によって
雰囲気は少しずつ違います。
そんな小さな違いを
観察するのも
旅の楽しみの一つかもしれません。