ジャカルタでの出張を終え、いよいよマカッサルへ帰還します。空港鉄道(KA Bandara)でスカルノハッタ空港駅まで移動したあとは、構内の無料スカイトレインでターミナル3へ。今回はガルーダ・インドネシア航空GA616便(16:30発)に搭乗します。夕方の出発便ならではの“夕焼け空”に期待しながら、スムーズかつ快適な空港内移動と、フライトの様子をお届けします。
空港鉄道の終点であるスカルノハッタ空港駅を出ると、各ターミナル間の移動にはスカイトレイン(Skytrain)を利用します。これは無料で乗車できるシャトル列車で、運行時間は午前4時30分〜深夜0時15分まで。約20分間隔で運行されています。
所要時間は短いものの、2両編成と小規模なため、時間帯によっては混雑必至。特にピーク時やハッジ・ウムラの時期は注意が必要です。今回はホームで5分ほど待ち、ターミナル3方面行きに乗車。乗車時間はわずか5〜7分程度ですが、ターミナル2の構内や滑走路の一部が窓から見え、空港内を“移動”しているという感覚を楽しめます。
ターミナル3は、スカルノハッタ空港の中でも最も新しく、国内線・国際線ともにガルーダ・インドネシア航空の本拠地となっている施設です。建物は広く、モダンな設計が特徴。高い天井と大きなガラス窓、落ち着いた照明により、開放感と品のある雰囲気が両立しています。
近年のリニューアルもほぼ完了し、国際空港としての洗練度も増してきました。
セキュリティチェックから搭乗ゲートまでもスムーズで、国内線とは思えない快適さです。
現在、ターミナル3にはガルーダ・インドネシア航空の他、ペリタ・エアやトランスヌサといったフルサービスキャリアの国内・国際線が集約されており、以前のような混雑はやや緩和されました。シティリンクやLCCの国際線がターミナル1B・2Fへ移転した影響もあり、落ち着いた空間で過ごせます。
ターミナル1(LCC中心)
1A:ライオン・エア(Lion Air)
1B:シティリンク(Citilink)
1C:改修中(2025年12月完成予定)
ターミナル2(FSC+一部LCC)
2D:バティック・エア(国内線)
2E:スーパーエアジェット
2F:LCC国際線・ハッジ・ウムラ専用
ターミナル3
ガルーダ・インドネシア航空、トランスヌサ、ペリタ・エアなど
搭乗ゲートに到着すると、16:00ちょうどに搭乗アナウンス。そのスムーズな運営に、「やはりガルーダは違う」と実感します。
今回の機材はB737-800型機(機体番号PK-GMF)。2024年以降にリニューアルされたモスグリーンのファブリックシートが印象的で、機内は清潔かつ落ち着いた雰囲気。座席は29Aの窓側で、後方が非常口のためリクライニングはできませんが、シート幅と足元スペースが広めで、国内線としては十分な快適さがあります。
定刻どおりに離陸。ジャカルタの上空を旋回しながら上昇していくと、雲のすき間から夕陽がちらりと顔を出し、機内をオレンジ色に染める幻想的なひとときが訪れました。
「これは美しい夕焼けが見られるかも」と期待しましたが、やがて空は厚い雲に覆われ、景色は静かに夜の帳へ。とはいえ、飛行中の揺れはほとんどなく、雲の上を滑るような安定したフライトが続きます。
離陸から約30分後に提供された機内食は、白ごはん、魚のフライ、ミックスベジタブル添えというセット。温かい状態で提供され、シンプルながらも満足感のある内容でした。
ドリンクも複数から選べ、スタッフのサービスも安定感があり、国内線でありながら「もてなされている」感覚が味わえます。こうしたホスピタリティの質の高さが、ガルーダ・インドネシア航空の大きな魅力です。
飛行から約1時間30分が経過し、徐々に高度を下げていくと、窓の下にはマカッサルの夜景がゆっくりと広がっていきます。規則正しく並ぶ街灯、海岸線の明かり、そして遠くに点在する小さな灯り──そのすべてが、旅の終わりをやさしく告げてくれました。
そして、定刻より20分早く着陸。地上移動もスムーズで、何のストレスもなくターミナルに到着。ジャカルタ滞在を締めくくるにふさわしい、快適な帰還でした。
今回は、空港鉄道+スカイトレイン+ガルーダという組み合わせで、ジャカルタからマカッサルへの移動を行いました。
空港内の導線のわかりやすさ、スムーズなチェックイン、定刻運航、そして機内の静けさとサービス──そのすべてがストレスフリーで、まさに「移動そのものが旅の一部として楽しめる」体験となりました。
LCCは確かに便利ですが、出張や長距離移動においては、フルサービスキャリアならではの快適さと安心感の価値をあらためて実感する機会になりました。次のフライトも、こうした旅の質を大切に選びたいと思わせてくれます。