ジャカルタ到着後、乗り継ぎ予定だったガルーダ・インドネシア航空GA618便が、まさかの欠航。なんと翌朝2時50分発の便に振り替えとなり、約9時間のトランジットを過ごすことになりました。そんな中で見つけたのが、スカルノハッタ空港ターミナル3内にあるカプセルホテル「Digital Airport Hotel」。まるで宇宙船のような空間で過ごした一夜を、詳しく紹介します。
ジャカルタのスカルノハッタ国際空港に到着し、そのまま国内線でマカッサルへ向かう予定でした。
搭乗するのはガルーダ・インドネシア航空のGA618便。出発時刻は20時15分で、順調な乗り継ぎを想定していました。
しかし、出発直前になって「欠航」のメール連絡がありました。突然の知らせに思わず耳を疑い、空港スタッフに確認すると、翌日早朝2時50分発のGA604便に振り替えとのこと。しかもチェックイン開始は出発の3時間前からで、それまでは荷物を預けることもできません。つまり、約9時間もの長いトランジットが発生することになったのです。
「このまま空港で夜を明かすのか……」
「いったんホテルへ出るべきか……」
頭の中でいくつかの選択肢が浮かびましたが、荷物を受け取り、外へ出て再び早朝にチェックインするのは現実的ではありません。
そんなとき、ふと以前耳にした“空港内のカプセルホテル”の存在を思い出しました。
ガルーダ航空の国内線カウンターがあるフロアの下の階を奥へ進むと、「Digital Airport Hotel」という青いネオンの看板が見えてきます。
入口では、ロボットのようなキャラクターが「SELAMAT DATANG(ようこそ)」と出迎えてくれます。
壁一面には世界各国の言葉で「ようこそ」と書かれており、まるで未来都市の空港にいるような雰囲気。
深夜のターミナルでも、ここだけは明るく、どこか安心感があります。
受付カウンターには料金表が掲示されており、
6時間370,000ルピア、9時間420,000ルピア、1泊470,000ルピア(いずれも税込)と、利用時間に応じて選べる仕組みです。
また、荷物預けだけの利用も可能で、1日250,000ルピア。
空港でスーツケースを預ける目的や、シャワーだけでホテルを利用する人も多いようです。
私はGA604便のチェックインまで時間があったため、6時間プランを選択。
「横になれるだけでも楽になる」と思い、宿泊することにしました。
チェックイン時にはパスポートを提示し、大きな荷物はフロントで預かってもらえます。
小さな手荷物はロッカーへ。ロッカーの中にはスリッパとタオルが用意されており、身軽に過ごせるのが嬉しいポイントです。
ロッカーエリアの奥にはシャワールームがあります。
想像していたよりも広く、湯量も十分。
シャンプーとボディソープが備え付けられており、清潔でした。
長時間のフライトで疲れた身体に温かいシャワーは本当にありがたいもの。
出発前にさっぱりとリセットでき、リフレッシュした気分で過ごせます。
そしていよいよカプセルルームへ。
白を基調とした通路の両側に、二段式のカプセルが整然と並び、青白い照明が未来的な雰囲気を演出しています。
まるで宇宙船の中にいるような光景です。
ドアを開けると、そこには近未来的な個室が広がっていました。
内部は想像以上に広く、ベッドマットにはしっかりした厚みがあります。
壁面のコントロールパネルで照明の色を青・紫・白などに切り替えることができ、
空調や読書灯、スリープモードもワンタッチ操作。
USBポートとコンセントも完備されており、スマートフォンの充電も問題ありません。
イヤホンやTV端子も備わっていて、長時間の滞在でも退屈しないつくりです。
LEDライトを落とすと、静寂の中にほのかな光が漂い、落ち着いた雰囲気に。
「空港の中に、こんなに快適な場所があるなんて」――そう感じるほど、居心地の良い空間でした。
今回の滞在は6時間ほどでしたが、照明を落とすとすぐに眠りにつけました。
温度も適切で、冷えすぎることもありません。
「寝るだけ」と思っていた空間が想像以上に快適で、あっという間に時間が過ぎていきました。
このホテルの最大の魅力は、なんといっても立地です。
ターミナル3の出発フロアに直結しており、チェックインカウンターまでは徒歩数分。
深夜便や早朝便を利用する人にとって、これ以上ない便利さです。また、空港内には24時間営業のカフェやレストランも多く、食事やコーヒーの調達にも困りません。私も滞在中にカフェで軽食をとり、シャワーを浴びて再びカプセルに戻り、短い休息を満喫しました。
夜明け前の1時過ぎに目覚ましをセットして起床。
フロントで荷物を受け取り、そのまま国内線のチェックインカウンターへ向かいます。
ホテルから出発ゲートまではわずか数分。移動もスムーズで、出発直前までゆっくり過ごせました。空港内で過ごすという選択が、今回ほど正解だったことはありません。
今回のように突然の欠航に見舞われた場合でも、スカルノハッタ空港のターミナル3には頼もしい味方があります。「Digital Airport Hotel」は、設備の新しさ、清潔さ、そして立地の良さがそろった理想的なトランジットホテルです。短時間でもしっかり休みたい方、荷物を預けて身軽に過ごしたい方にはぴったりの場所。宇宙船のような静かな個室で、しっかり休めるカプセルホテル。深夜・早朝便のトランジットには、まさに最高の避難所でした。