12月30日。この日は、いつも不思議な温度を持っています。
心のどこかで「今年をまとめなければ」と焦りながらも、
言葉にできない思いが胸の奥に残っています。
反省と成長、後悔と感謝。
その全部を抱えたまま、今日は一度立ち止まりたいと思います。
一年を振り返るとき、多くの人が大晦日や年明けに言葉にします。
SNSにはまとめ投稿が流れ、今年のベストや振り返りが並び、
カフェや街角からは「やっと終わるね」という声が聞こえてきます。
けれど、私にとっての12月30日は少し違います。
締めるにはまだ早いのに、終わりの気配が静かに漂う日。
終わりでも始まりでもなく、その境界の手前に立っているような感覚があります。
今年を“言葉でまとめる”には、まだ心が追いついていません。
悔しさ、葛藤、反省、成長——どれも整理しきれないまま残っています。
だから今日は、あえて結論を出しません。
言い切りません。片付けません。
未完成のまま抱える時間が、必要だと思うからです。
振り返ると、ここで事業を続けることは簡単ではありませんでした。
行政手続き、輸出入、工場運営、人材採用、品質管理、現地文化との距離感。
一つ前へ進むたびに次の壁が現れ、壁しかなかったと感じる日もありました。
書類の提出が一つ遅れればスケジュールは崩れ、
伝えたつもりの言葉がすれ違い、
「任せる」と「丸投げする」が混ざり、
自分の未熟さに気づかされる瞬間が何度もありました。
できなかった理由はいくらでも作れます。
でも、今年は理由ではなく“現実”を見なければ進めない一年でした。
成果がそろわない焦り。
期待に応えられなかった罪悪感。
判断の遅れで消えたチャンス。
思い返すと、胸の奥が少し痛みます。
それでも続けてこられたのは、不思議と希望だけは消えなかったからだと思います。
今年は、目に見える結果以上に、
“見えている景色の解像度”が変わった一年でした。
その問いに、ようやく輪郭がつき始めました。
完璧には答えられません。それでも、立ち止まらずに向き合えるようになった気がします。
今日ここに至るまで、たくさんの人に助けられてきました。
厳しい声、あたたかい言葉、支えてくれた行動。
感謝という言葉では足りないほどです。
今日、言葉をまとめようと思えばまとめられます。
でも、それでは何かがこぼれ落ちてしまう気がしています。
振り返りとは、ただ年表を並べることではなく、
その瞬間の温度ごと記憶を残す行為だと感じています。
悔しさも、喜びも、緊張も、希望も、全部ひとつだったはずだからです。
だから今日は途中で止めます。
未完成のまま余白を残します。
その余白こそ、明日書く言葉の土台になるはずです。
明日、12月31日は今年を整理する日です。
反省と、覚悟と、来年の目標を書きます。
今日この一歩手前で立ち止まったことで、
明日の言葉に、少しだけ重さが生まれる気がしています。
これは約束でも宣言でもなく、覚悟に近い感覚です。
その一歩手前で深呼吸するのが、今日という日です。
今日をどう過ごすかで、明日の言葉の温度が変わる
12月30日は、“静かに自分を整える日”でいいと思います。
何も変えられなくてもいい。焦らなくてもいい。
むしろ、焦らないほうが大切な日なのかもしれません。
今年の温度を一度感じ直します。
嬉しかったこと、悔しかったこと、誇りに思えた瞬間、うまく笑えなかった夜。
その全部が来年の燃料になると信じています。
今日の自分にできることは、ただ一つ。
「明日、向き合う」と決めることです。
今年の私は、まだ途中です。
だからこそ、まとめではなく深呼吸にしたいと思います。
12月30日は、終わりの直前で息を整える日。
明日、自分と向き合う準備をする日。
感情も、反省も、目標も、覚悟も。
逃げずに、言葉にします。
今日は心の中に余白を残します。
明日、その余白に言葉を置きにいきます。
明日、続きを書きます。